CuboRex社員インタビュー 電気エンジニア 寺澤基則
不整地のパイオニア CuboRexで働くメンバーを紹介します。 今回は新卒からCuboRexで活躍してくれている電気エンジニアの寺澤さんです。
インタビューでは自作のアナログシンセサイザーを見せてくれました。
―― シンセサイザー、すごいですね!
CuboRexとは少し分野が違う気がしますけど、どういう経緯で入社されたんですか?
大学卒業当時、決まりかけていた内定が取り消しになり、仕事がなかったので……(笑)当時から好きだった電子楽器系統でお仕事できればよかったんですがなかなか難しかった。そんな時に、実家の近所にCuboRexがあることを知ったんです。Twitter経由で当時の副代表と話してみて「今すぐ自作のシンセ持ってオフィスにきて!」と言われたのがきっかけです。「仕事ないし、行ってみるか」という感じでしたがその場で内定が決まりました。
――まったく予想外の新卒入社で、怖くなかったですか?
怖さはなかったですね。当時、寺嶋さん(前代表)・嘉数さん(現代表)のツイートを見ていて「これはきっと電気系の人材が足りないんだろうな」「自分がいたら役に立てるだろうな」と思ったので。
社員数4名からのスタート。初めての専任エンジニアとしての新卒入社
――入社されてから、どんなお仕事をされてるんでしょうか?
入社3年目になるんですが、入社当初はメンバーが少なく、前代表の寺嶋さん・現代表の嘉数さん・そして営業の社員しかいませんでした。営業さんが売って、私が出荷と設計開発、電気周りをやっていた感じです。当時は遠隔操作ロボットキットがなかったので、お客様にお見せできるようなデモ機も作っていました。
また、入社当時はCuGo V2(以下、V2)の販売を開始した時期でしたが、改善のためにいろいろ試していました。プラスチック製の履帯で滑りやすかったのを、ゴムを薄く切ったものを滑り止めとして貼ってみたり試行錯誤を続けました。その後入社してくれたメカエンジニアが後継機の開発をすすめてくれたので、後継機のV3ではかなりのアップデートが可能になりました。
――V3開発の間は、別のプロダクトをご担当されていたんですか?
はい。ネコソギマクンダー(現在開発中の最新版はこちら)の開発をやっていました。
粒剤をどのように送り出して撒くのかというのに苦心しました。他社の手持ちの散粒機をサンプルとして、改造なども試してみたんですがパワー不足で上手くいかず……散粒機部分の図面から起こして作るのはもちろん、粒剤を出す・止めるが制御できるポンプも作り、実務ができるような形に整えていきました。
メカニズムがわかり、試作ができた段階で実地で使ってみたんですが、走る技術に関する問題は(ネコソギマクンダーだけでなく)V3の開発にもフィードバックされています。
試行錯誤は無駄にはならないし、不足していても補い合える
――各プロダクトのノウハウやエッセンスはつながっているんですね。
そうですね。ネコソギマクンダーの開発は、V3の開発ステップとして活かされています。ネコソギマクンダーの開発では、私は走る部分は作っていませんが、履帯と車体の間にあるサスペンションの構造やタンクの設計、フレーム設計、ユーザーインターフェイスの設計などもやりました。
――担当範囲、手広いですね。外装をやる電気エンジニアっていますか?
どうなんでしょう。でも結局、わかってないといけないですからね。外装を渡されて「この中に収まるように作りなさい」と言われることは普通で、制約要件になります。「電気屋さん」だったとしても機械のことは理解してなきゃいけない。ちなみに、電気屋さんはソフトウェアとの相性もいいのでそちらの開発をされる方も多いです。
自作のシンセサイザーにしても、電子回路だけ作っても鳴るわけではなく、操作画面だったり、キーボードが押された時に何をするかをプログラムしなきゃいけません。ひとつ作るにしても、筐体の設計やソフトウェアの設計などが含まれてきます。
――わからない部分や、知らないことはどうやって補っているんですか?
私の場合、OSがあるコンピュータープログラミングだったり、厳密な機械工学に基づく設計は他の専門の方にお願いしたり、わからない部分は社内のできる人に聞いたりしてます。お互いのプロトコルさえ一致していれば会話はできますから。
――なるほど。これから業界やCuboRexに入ってくる方には、どんな「プロトコル」があるといいんでしょう?
まずは、他のセクションに配慮できることが大切だと思います。電気屋さんだけでは成立しないので、機械設計やソフトウェア設計をやっている人ともコミュニケーションを取りながら、ひとつのものを仕上げていく能力が大事かなと思います。
――技術よりも、まずは気持ちが大切なんですね。
個人的にはそう思います。先ほどもお話ししましたが、技術は後からでも勉強できるので。
CuboRexに入社してから、必要に応じて勉強したことはたくさんあります。入社当初は扱えなかった3DCADも「これは知らないとヤバイぞ」と思って勉強したら使えるようになりました。今担当しているプロダクトでも、マイコンのこれまで使ってなかった機能や、学生時代にはなかった新しいマイコンに触れています。調達の都合で使い慣れているものが手に入らなかった時に困らないようにするためですね。
――寺澤さんご自身は、好奇心旺盛なのか真面目なのか、どちらだと思いますか?
両方だと思います。(笑)趣味の制作では、気に入った技術を好きなように使います。業務では、必要とされる技術要素に分解して習得していくと、できることが増えるんじゃないかと思います。技術って組み合わせなので、全体を見ると「なんじゃこりゃ」と思うようなものでも、ちゃんと一つひとつの要素に分解していくと勉強していけるはずです。
メンバーが増えたCuboRexで大切にしていること
――これまでの業務で、大変だったことや壁はありましたか?
ニーズから製品の形に落としていく作業は面白いですけど、やっぱり難しいなって思います。CuboRexはアジャイルなものづくりをしていることもあり、開発のスタート段階で明確な方針や完成形がなく、自分に与えられている判断要素の中で、よさそうなものを見つけていきます。自分としてはこれが美しいだろうなと思うことでも、受け入れてもらえないことはよくあります。落とし所を見つけて「これで行くぞ!」と決めるための議論は、毎回難航する場面ですね。
――入社当時の4人でやっていた頃の意思決定とは違いますか?
(当時と現在では)全然違うと思います。メンバーが増えれば、認識を一致させる必要性が高まります。今までは速度優先でしたが、最近は週次の会議などを通じて、ちゃんと認識をすり合わせることを意識しています。「ここはラフにやっていいけど、ここはちゃんとやろう」みたいな線引きもするようになりました。
――会議はどのようにやってるんでしょう?
雰囲気は研究室の進捗報告に近いですね。これまでは隔週だったものを、今は毎週やるようになりました。「本当に正しい方向に進んでいるのか?」「意味のあることをやっているのか?」ということを見ています。
最近は、製品理解やセールスのやりやすさが大切だなと思うようになってきたので、経営や営業のメンバーもいる定例会議の場を通じて、開発側の意図を共有するようにしています。そうしないと作っても売れないですし、開発工程ってお金を食いつぶすので(笑)
――寺澤さんから見て、CuboRexはどうして事業拡大できたんでしょう?
前代表の寺嶋さんや会社の運がよかったんだと思います。社内外に手を貸してくれる人がいっぱいいて、個性的で行動力のある方が多いので、向かうべき方向には向かってるのかな。わからないですけど(笑)会社が動いているっていうのは、運がいいことだと思います。
考え方の変化と、ものづくりを続ける理由
――入社から2年超の間に、寺澤さんの身の回りで変わったなと思うことはありますか?
エンジニアの仕事において技術は大事なんですが、それ以上に戦略の重要性が見えてきました。所属部署や肩書に囚われずにどう売るかを考えたり、コスト管理だったり。
また「人を掴む」ことも大事ですね。ここまでは自分でやって、ここからは他の方に頼むという線引きをやらないと回らないということがわかってきました。ものづくりをやってると全部自分でやりたくなりますが、それだと仕事が回らないままコストが大きくなってしまいますから。
――仕事でも趣味でも、ものづくりをやり続けてるって、すごいですね。
疲れたなって思う時もありますよ。業務だと制約条件もありますし。でも、自分が作ったものを面白がってくれる人の存在が原動力になるんです。
――この先、CuboRexに参加される方に伝えたいことがあれば、ぜひお願いします。
やっぱり「子供であることを忘れられない人」に、参加してもらえたらなと思います。好奇心とか行動力とか、楽しめることですね。
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