#青春回顧録
【鉄パイプと夜の海】後編
前編はこちら
波の音を聴きながら月を眺める。海はずっと身近にあった。僕にとって馴染みのある場所であったが、夜になると目に映る姿は全く異なるものだと初めて知った。空と海と陸の境界線が曖昧になる。僕はそれが少し怖くなり始めていた。
「どうする?」
隣で同じように月を眺めていた松ちゃんが僕に問い掛ける。僕は半ば独り言のように「どうしよっかね」と答え、月から真っ黒な海に視線を落とし、溜息を一つ吐いた
ハートに火をつけろ!
生きていく上で、素朴な疑問は尽きない。
それは、
『少年隊っていつまで少年のつもりでいるの?』
という誰しもが思っているであろう事から、
『ANAとJALが合併したら、やっぱり“ANAL”になるのかな?』
という、三十六歳の大人が思いついたものとは到底思えない疑問まで大小様々で、例を挙げだすと枚挙にいとまがない。
悲しい哉、その殆どが最終的には
「まぁ、どうでもいいか。そんなこと」
の一言で片