クチコミを書いてくれた人の顔、浮かんできますか?
クチコミに返信した方が良い。それはわかった。では、どんなことを書けば良いのか?褒められたらお礼、指摘事項があったらお詫びをする。そんな感じ?
毎回ほぼ同じになってしまうんだけど・・・
という方もあると思います。テンプレート(定型文)を作っていて、同じになってしまったり。
この問題の本質は
クチコミはお客様とのコミュニケーションである
ということに立ち返ることが大切です。
クチコミを書いたお客様の顔を覚えているか?
小規模事業者の事例としてお読み下さい。(大手の場合は難しいかな?)クチコミが入った時に、このクチコミを書いた人が誰か、想像つくか?ペンネームでGoogle投稿だと、難しいかもしれません。更に感想が抽象的「美味しかった、くつろげた、とても良かったです」で、具体的に何がだったのかわからない場合は難しい。でも宿の場合は、宿泊予約サイトのクチコミからスタートしているので、クチコミがいつ誰のものであるかがわかるようになっています。長らく、どのお客様が書いたのかがわかる状況で返信を書いてきました。
いつ誰のクチコミかがわかる場合、直接会話をした記憶があればその時お話ししたエピソードを入れる。思い出せない、特に言葉のやり取りがなかった場合は、その日はこんな天候で、こんなグループのお客様が多くて、こんなお料理を召し上がられたといった状況からお伝えできる言葉を選ぶ。
その時、クチコミを書いたお客様の顔を覚えているか否かが、返信を書く際の言葉にオリジナリティを持たせてくれます。Googleクチコミが広がり、匿名クチコミ、ともすれば本当に利用されたお客様かどうかわからないクチコミも入って来るようになり、返信が難しくなりました。
肯定の補強☆褒められている部分をより具体的に反復アピールする
最も書きやすい返信事例を一つだけ紹介しておきます。褒められている部分をより具体的に反復アピールする方法です。私はこれを「肯定的補強」と呼んでいます。例えば、
お料理が美味しかったです
と書いてあった場合。
お料理、満足していただきありがとうございます。お鍋と炭火焼、どちらが美味しかったでしょうか?最近は暖かくなってきましたので、炭火焼が人気です。焼きガニを炭火で焼くのが当館流。冬に炭火で焼くのはなかなかご家庭ではできませんよね。香ばしさも加わってより一層お楽しみいただけたのではないかと思います。
と、返信する。
炭火焼が美味しかったです
と書いてあった場合、
素材の甘み以外に香ばしさも加わる炭火焼。当館でも一番人気です。ご家庭の室内ではなかなか炭火焼はできませんし、お店、宿によっては換気や客室の汚れを気にして導入されていないところが多いです。当館ではシーズン中ほとんどのプランにおつけしている名物メニューです。これからもぜひ、この香ばしさを味わいにお越し下さいね。
と、返信する。
クチコミ返信をする際の一つの技で、繰り返し褒められている食材があれば、それが自店の名物です。また、名物だからこそより具体的に”こう喜んでもらっている”を強調し、閲覧者の方々に印象を残すのです。
返信はアピールチャンスです。問題点を指摘された場合もで「●●はできませんが、○○ならば可能です。」と、できることのPRとして活用する。
ファミリーだからこの部分を喜んでくれた、カップルだからこの部分を喜んでくれた、というような訴求点がある場合もあります。
それも全てはお客様の「顔」を覚えているかどうかによって返信内容が変わってきます。
このお客様はこの部分を喜んでくれていたな、という思い当たる点があれば、「○○気に入っておられましたよね?」と返信してみるのもありです。
クチコミ返信。実はお客様の観察、対応から始まっています。お客様が喜んでくれている部分を言語化することで「ああ、このお店、宿を選んでよかったな」という確信がお客様の中に生まれます。確信を持ってもらうこと、それが言語化されていることで、お客様はクチコミを書いてもくれる可能性も高まります。
理想論であり、現実的には匿名性の高いGoogleクチコミでは難しいかもしれませんが、クチコミを書いてくれた人の顔が思い浮かぶか否かは返信をする上でも、最良の接客をするためにも、とても重要なことです。匿名クチコミに対しては適当で良いというわけではありませんが、顔の見えるクチコミには特に丁寧に、臨場感のある返信を心がけることが大切です。
そうすることで、悪いクチコミでも閲覧者が読んでも
ああ、これは悪意のある嫌がらせ投稿だな、本当は利用していないのに書いたクチコミだな
というのが浮き上がるようにわかります。ヤラセクチコミを浮き上がらせるために顔の見えるクチコミには丁寧に返事を書く。そんな感じです。
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