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長野県立大学安藤理事長が語る「脱ふつう」part3


長野県立大学ソーシャル・イノベーション創出センターでは、大学内外の様々な人や資源を結び付け、社会課題の解決や新たな取組みを生み出す土壌づくりを支援しています。この記事では「学生コーディネーター」として活動するメンバーが、地域での様々な取組みをご紹介します!


長野県立大学理事長の安藤理事長インタビューVol.3。テーマは「安藤理事長が学生に寄せる想い」です。



「よそ者、若者、バカ者」


内田:安藤理事長は教育者として「よそ者、若者、バカ者」、とよくお話しされますよね。その言葉に寄せる想いをお聞かせ願います。

安藤理事長:そうですね。やはりある程度経験をつむと、先が見える分リスクを恐れ、挑戦を避けてしまう。しかし挑戦をしなければイノベーションはうまれないわけですよ。そういう意味で「よそ者、若者、バカ者」は可能性に満ち溢れているわけですよね。

例えば、ソニー生命が成功した理由っていうのは、保険市場に無知なソニーと、日本市場に無知なアメリカのプルデンシャルだったからですよね。(プルデンシャル社はアメリカ最大級の保険・金融サービスグループ、プルデンシャル・ファイナンシャルの一員の生命保険会社)

要するに、ソニーが保険業界の常識を知らなかったから、日本の生命保険会社の通例である、”保険商品は女性が売るもの”という風に考え方が凝り固まっていなかった。これっていうのは「よそ者」であったことのアドバンテージですよね。

スティーブジョブズも「Stay hungry,Stay foolish」と言っていますがまさに「バカ者」を意味していたと思いますね。要するに、いつまでも青二才であれ、純粋であれ、っていうことですね。

「こんなことはもう分かってるよ。やる前に分かってるよ」みたいな。そういう風に考えてしまうようになるとアントレプレナーシップって失われてしまうんですよ。

だから、よく安藤さんっていつも情熱的ですねって言われるけど、なぜかって言うと、私は終わったことはもう考えないんですよ。「これからの世の中はどうなるんだ。どうしたらよくなるんだろう?」とか考えてるから、そうすると次にしたいことがどんどん浮かんでくるわけですよ。

だから、何も年をとったらクレイジーでなくなるっていうのは、ある程度は正しいけども、全ての人がそうじゃない。エジソンは死ぬまで発明をしていたし、ピカソは死ぬ間際まで絵を描いていた。エネルギーのある人って、エネルギーが続く限りは結構頑張れるわけですよ。

そのエネルギーが何からくるかっていうと、未知に対する挑戦っていうか、新しいことを思い切って実現しようというか、そういう思いが駆り立てているところがあるんじゃないか、と私は思いますね。


もし今安藤理事長が学生なら


内田:安藤理事長は「挑戦」を大切にされていると思いますが、もしご自身がこの長野県立大学の1年生だとしたら、どんなことに挑戦しますか?

安藤理事長:いい質問だね。
もし私が今大学1年生で何に挑戦するかって聞かれたら、やっぱり昔と同じように世界に出たいと思いますね。

というのも、なぜ私が10何万人のソニー社員の中から経営者になれたかって言うと、人と違う経験をしてきたからだと思っているんです。

要するに大事なのは、若い時に人と違う経験をして、自分の新しい考え方を形作っていって、新しいことに挑戦するということですね。

本学ではそれを実現するために1年次の全寮制や2年次の海外留学を設けているんですよ。1年生は全員寮に入れて、今までの家庭から切り離して、独立した個人として自分のアイデンティティを確立する。2年次には全員海外に連れていき、マイノリティーな環境に身を置かせることで、グローバル化や多様性を学ばせる。そのようにして自分を早く解放し、大きな世界の中で自由自在に動き回るということを経験してほしいんですよ。

そういう経験を通して学生たちには自分で自分の人生を切り開く力を身に着けていってほしいですね。これはあなたが自分で選択した人生であって、親が決めたことでもなければ、先生でもなければ、ましてや、恋人でもなく、あなたなんですよ、と。自分が決めたんだから、責任も自分が持つ。だからこそ、逆に可能性もあるし、最後まで俺は挑戦するぞという思いで頑張っていただきたいというのが私の思いですね。


インタビューアーの学び


ここまで読んでいただいて、読み手のあなたはどんなことを感じましたか?

私は「よそ者、若者、バカ者」でいることが挑戦の鍵なのだと思いました。
安藤理事長の過去を振り返ると、海外留学やソニー生命保険、VAIOの開発など常に「よそ者、若者、バカ者」と呼ばれるような環境に飛び込こみ、それぞれの場でイノベーションを起こしてきたことがわかります。

これはもちろん安藤理事長の素質の面も大きいとは思いますが、その一方で「よそ者、若者、バカ者」と呼ばれるような環境が挑戦を生む土壌であるとも言えると思います。

また、それは環境を変えたことによる短期的な効果だけでなく、長期的にみたときの挑戦する力に繋がるのだと思います。次回は「安藤理事長が学生に伝えたい事」についてじっくり聞かせてもらう回です。ぜひお楽しみに。

Part1:https://note.com/csi786/n/n82fc751d5db2

Part2:https://note.com/csi786/n/na5ee72f81384

Part3:https://note.com/csi786/n/ne8492edc7d1b

Part4:https://note.com/csi786/n/n838e3c20f619


書いた人:内田大晴長野県立大学グローバルマネジメント学科6期生2004年北海道生まれ。長野県立大学入学後、地域と関わるいくつかのプロジェクトに参加し、地域で活躍するパワフルなプレイヤーにあこがれを抱くようになりました!学生コーディネーターとして、自分が大好きな「挑戦している人が周りにいる暖かい環境」を育んでいきたいと考えています。現在はライターを目指して修行中です。



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