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ユーザー数多い&低単価商材のカスタマーサクセスについて

こんにちは通販でチャイルドシートを1つ買ったら手違いで2つ届いたしもじゅんです。(GMOペパボ株式会社でカスタマーサクセスと担当しています)

CS HACKで開催されているアドベントカレンダーの記事として書きます

テーマは「低単価サービスかつ会員数が多い場合のカスタマーサクセス入門編」という感じです、よろしくおねがいします。
似たような環境の方へ少しでも何か共有できるものがあればと思います。

【前提】
 ・組織規模:私が担当するサービスのカスタマーサクセスの人数は1名(私のみ)
 ・価格帯:約1,000円前後
 ・会員数:数十万人規模

カスタマーサクセスというチームがいままで存在してなかったため0からのカスタマーサクセスと始めていく!という位置にありました

課題としては様々ありましたが今回は以下の2点についてとりあげます。
他にもいろんな課題がありますがそれはまた別の機会に!

・顧客一人当たりにかける時間について
・目標指標の設定

顧客一人当たりにかける時間ですが、上述している通り私ひとりでのカスタマーサクセスのため顧客一人当たりにかける時間が限られていました。
人増やせばいいじゃん!と思うかもしれないですが、テーマにもあるように低単価のサービスです。そのためLTVで換算してもなかなか見合わないため、いきなり人を増やすことは高リスクでした。
また、会員数が数十万に存在します、数名人数を増やしてもリーチできる数が極端に限られる現状のため、ある程度仕組化できた後にスケールさせることにしました。
(まずはハイタッチ領域や会員を決めてタッチしていく、ということもいろんな本や記事で紹介あったので試してみようと考えましたがそれでもリーチもそうですし、低単価という縛りがあるためむずかしかった。。。)

とはいえ、リーチ数を増やして効率よく取り組まなければならないといった課題は存在したままです。
この課題に対する解決や施策については下部に記載していきますので最後までお付き合いください~!

目標指標の設定については、カスタマーサクセスをされているかたでしたら1度は考えた壁なんじゃないかなとおもいます。
私もあるあるなんですが、最初にチャーンレートで設定してみましたがそれだと契約形態として12ヶ月や24ヶ月、1ヶ月など様々存在し会員毎に追いかけることができれば良いのですがこれまた会員数が多いので微妙かな~と。
あとはどうしても12ヶ月後、24ヶ月後に効果がでてくるため遅延指標となり見ていく指標としてはとっていますが、すぐに追いかける指標としては微妙だな~と。

以上から課題として「顧客一人当たりにかける時間について」「目標指標の設定」の2点がある状態でした
課題に対する取り組みについては下部のほうでお話しします。

あ、ここでひとまず見る指標としてそれぞれとっているものを↓に羅列します
・カスタマーチャーンレート(退会率)当月解約数 / 先月末時点での顧客数
・MRR(月額売上) 顧客数 / 月額
・失ったMRR 退会数 / 月額
・オンボーディング完了率
・グロスレベニューチャーンレート(売上損失)当月の解約で失ったMRR / 先月時点での売上MRR
(他にも見ている指標ありますが、カスタマーサクセスっぽいのはこんなものかな。。)

課題に対する取り組み

顧客一人当たりにかける時間への取り組みとしては結論、マーケティングオートメーションの導入になります。なので実質カスタマーサクセスは私とMAツール君の2名になりました(上戸彩のCMで有名なSATORIです)
MAツール君はとても優秀で1名以上の活躍をしてくれています。具体的には、お申込みしてくださった顧客に対してオンボーディングを完了させるためのステップメールを全員に配信することができます
また、one to oneに近いアプローチを実現するために条件分岐でこういった顧客にはこのステップのメールを送ろう、とかSQLを書かずとも簡単に顧客を絞り込むことができて突発的にこういった顧客にメールを送りたい!とかもすぐに実現することができます。
さらには、メールだけじゃなくてウェブページへポップアップを出すこともできます。なのでこのページに来る人はこんなことに困ってるだろうな~というあたりをつけてそれに合わせたポップアップをだしたりしてます。
具体的には、設定に困ってる人が来そうなページに設定代行サービスを紹介するポップアップをだしたりなど!
(設定代行をするのは、カスタマーサクセスの本質ではないかも。といった意見などさまざまありますが商材によりけりと思っていて継続して自分で設定変更などが必要であれば代行というよりかは詳しい案内、単発的な設定だけであれば設定代行がいいんじゃないかなーとおもってます
いずれにせよお客さんの選択肢として用意しておく分には良いかもですね)

効果があった直近の施策をここで一つご紹介させてください、Call to Actionになりまして今回やった具体的なものはいつまでに〇〇の設定ができてない人に対して、設定案内メールを送る。といったものになります。
このパターンのメールを3つ用意してdailyで配信したのですがどれも反応が良く行動率が平均で4%を超えていました。ちなみにメールの内容はテキストのみの案内は反応があまりよくないことが分かっていたので設定動画のリンクを送るようにしたので動画が人気なのかもしれないです。

↑のことから顧客一人当たりにかける時間の課題に対してはMAツールを活用して完全なone to oneは少し難しいところありますが、幅広く効率の良いリーチをすることができました。

目標指標の設定に対しての取り組みとしては結論、中間指標としてスコアリングを設定しました。スコアリングは奥深いところと思ってますが主に2つの軸から考えました。
担当サービスにはお試し期間があるので「お試し期間から契約するまでのスコアリング」と「契約から利活用のスコアリング」の2軸です、あまり詳細を書くと長くなりすぎるのでかいつまんで書くと

お試し期間から契約するまでのスコアリングでは契約率、契約から利活用のスコアリングでは解約率と継続率でそれぞれ関係しそうな項目
(各種設定の項目だったりお問合せの数やログイン頻度、契約月数などなど)を精査し契約率、解約率、継続率との相関をとりました。そこで相関係数によって配点を決めて設定項目の合計をその顧客のスコアに設定。
そうするとスコアが高ければ契約や継続の確度が高くなったり、逆にスコアが低ければチャーンにちかい、みたいなロジックになるはずとおもって実装し、現在はスコアが下がった人にはこの内容でアプローチするなど手段を構築中です、

スコアリングの使い方についてここで一つ紹介させてください、スコアリングを全会員数分してもどの顧客から何を着手すれば良いか分からない!みたいなことって出てくると思います
そこでスコアリングの階層の1つ上に顧客Lvを作ってスコア〇点から〇点だとLv1顧客みたいなレンジをきって設定しました。そうするとまずは顧客Lv1とLv4から着手していこう!みたいなあたりを作ることができました
(Lv1とLv4から着手したほうが良いみたいなのはどこかの記事か本に記載されてた気がします、カスタマーサクセス実行戦略だったかなー)

yayaキャプチャ

↑のことから目標指標の設定として遅延指標しかない部分に対して中間指標であるスコアリングと顧客Lv分けを行うことで外部要因に左右されにくくなるべく効果を実感しやすい指標を設定することができました。

まとめ

記事の中で簡単にギュギュっとまとめた課題とそれに対する取り組みを書いてみました。この取り組みが正解かはわかりませんが同じような環境のサービスを扱っている
カスタマーサクセスの方に少しでも何か共有できていたら嬉しいです。

PS チャイルドシート欲しいよ~という方いましたらコメントどうぞw

tyairudoキャプチャ