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CSキャリア”インタビューリレー”第十五弾

ファーストキャリアから今も同じ企業で活躍し、新規事業を共同創業後、カスタマーサクセスと、プロダクトマーケティングの責任者を兼任されている渡邉(わたなべ)剛さん。
「カスタマーサクセス一筋」と語るご自身の現在の役割や、今後の展望、ずっと続けてきたからこそ思うカスタマーサクセスのよさについて、お話を聞いてきました!


株式会社ユニリタ/カスタマーサクセスプラットフォーム「Growwwing」共同創業者 兼 マーケティング・カスタマーサクセス責任者/渡邉剛さん

はじめに

-こんにちは。今回は、株式会社KOMMONSが企画する”CSキャリアインタビューリレー”の第十五弾です。
 
株式会社KOMMONSは、カスタマーサクセスに特化したサービスを提供する会社です。企業向けのカスタマーサクセス支援サービスやカスタマーサクセスを職業とする方たちのコミュニティを運営しながら、カスタマーサクセスの方たちが自信を持って働ける世界を目指しています。


インタビュー内容 

【1】渡邉さんのご経歴

株式会社ユニリタ入社後、データ活用領域のカスタマーサービスからキャリアをスタート。
同部門のカスタマーサクセス責任者を経て、現在はカスタマーサクセスプラットフォームGrowwwingの共同創業者として、プロダクトマーケティングおよび、カスタマーサクセスの責任者を務める。
より詳しい経歴はこちら

【2】キャリアの9割がカスタマーサクセス

渡邉さん、本日はよろしくお願いします。
これまでのキャリアを通してずっと同じ会社にいらっしゃるんですね。

そうなんです。KOMMONSのCSコミュニティにいらっしゃる方々の多くと比べると、珍しいのではないかと思います。
ずっとユニリタという会社で17年か、18年くらいですかね。
もともと入社した当時は、カスタマーサービス部という部署に配属されました。今でいうとカスタマーサクセスの部署ですね。

役割は本当に今のカスタマーサクセスと同じような感じでした。
当時は今でいうクラウドサービスやサブスクリプションモデルがなく、オンプレミスのソフトウェアがメインの商材でした。
そのなかでも、私はデータ活用領域のプロダクトにおいて、プリセールスとして商談支援をおこない、販売後のオンボーディングやシステム構築のプロジェクトマネージャー、そして完了後の定着化までの保守をしたり、あとはアップセル/クロスセルの支援、提案の活動全般をやっていました。

それでは当時、カスタマーサクセスという言葉こそなかったものの、カスタマーサクセスのような経験をキャリアの最初からされていたんですね。

そうですね。当時から、ずっとカスタマーサクセスをしていました(笑)。
経歴のなかで、カスタマーサクセスという軸はブレていないのですが、途中でセールスというか、もっと前段階のHOTリードへのコール活動から初回商談をおこない、提案から成約につなげる一連の営業活動にチャレンジした時期もありました。

あとは、マーケティング業務を兼務していた時期もあるので、17年のキャリアのなかで、ほぼ13年から14年くらいはカスタマーサクセスやマネージメントをしていて、残り2年か3年くらいはセールスや、マーケティングをやっていたという流れで、プロダクトの最初から最後まで、すべてに関わってきました。

【3】共同創業とカスタマーサクセス責任者としての役割

現在は、Growwwingのカスタマーサクセス責任者を務めていらっしゃいますが、現在のチーム体制についてもお伺いできますでしょうか?

Growwwingというプロダクトは、ユニリタのなかでは新規事業という位置づけで、4年前に立ち上げた時は、マーケティングをはじめ何もかも自分ともう一人の創業者でやらなければならない状況でした。

もう1人の創業者と自分の2名で事業を立ち上げたのですが、もう1人の創業者は経験の多いサポートと開発を中心に関わっていました。
自分はフロントの方が得意なので、マーケティングからカスタマーサクセスの部分を担当するという分担でやっていました。

今のカスタマーサクセス組織は、責任者を含めて6名体制になり、カスタマーサクセスチームと、カスタマーサポートチームが一緒の組織になっています。

そのなかで私の役割は、率直にいうと何でも屋をしています(笑)。
まず、ベースの役割として、事業全体の設計と、戦略の企画立案・推進・マネジメントをしています。
所属するメンバーとは目標設定や業務面談・1on1MTG等で働きやすさと働き甲斐が両立できるような環境づくりを意識してマネジメントしています。

その上で、顧客への提供価値と現実的なメンバーのスキルセットのギャップを埋めるためのフォローをおこなっています。
例えば、中〜大規模案件のプロジェクトマネジメントや、プリセールスとしての商談支援などは、自身がプレイングマネージャーとして担当することもあります。

マネジメントと組織構築・改善の部分についてはゼロイチが多く、日々プロセスやコンテンツを構築・整備していくPDCAサイクルを回しながら、業務改善をおこなっています。

【4】役割にこだわらず広げていく面白さ

責任者としてだけでなく、プレイヤーとしても活躍されているのですね。
今の仕事のやりがいや面白さを、どんなところに感じていらっしゃいますか?

新規事業だからというのはありますが、やはりゼロイチが多い点が大きなやりがいです。

以前のキャリアは成熟した事業のカスタマーサクセス責任者だったのですが、完全なゼロイチの機会はあまりありませんでした。
決まったレールがすでにあり、コンテンツも整備されているなかで、それらをお客様やメンバーにいかに使ってもらえるようにするか、見てもらえるようにするかという施策や、マネジメントがすごく多かったと感じます。
ゼロイチというよりは、1→10や、10→100の世界だとは思いますし、それが悪いというわけではありません。
ただ、そのあたりをずっと経験してきたので、今おこなっている新規事業のカスタマーサクセス組織は、本当に何もない状態から、ゼロイチをおこなっていて、それが自分にとっては新鮮で、非常にやりがいがあります。

現状を可視化して業務改善に結びつけて提案し、実際に実行するということを、それこそカスタマーサクセスにこだわらず、セールスもマーケティングも含めた、営業プロセス全般に対しておこなえるのがやりがいですし、面白味かなと思います。

Growwwingはカスタマーサクセスに関わるデータの分析など、主にデータを扱うサービスという印象があります。お客様のCS業務改善に直結するような、いわゆるコンサルティングをすることもあるのでしょうか。

おっしゃる通り、コンサルティングもしています。
特にカスタマーサクセスの市場はまだまだ新しく、プロセスや業務の型と呼べるものがほとんどないような状態です。
そのうえで、サービスの特徴や特性に応じて、カスタマーサクセスの手法も全く違ってくることから、実際にカスタマーサクセスの組織やプロセスを、どういう風に組み立てていけばいいのか、というところで悩まれている企業様がまだ多いかなと思っています。

そうした悩みに対し、上流のコンサルティングから入っていき、そのままご縁があればGrowwwingを使っていただける形で繋がっていくケースもあります。そのため、非常にカスタマーサクセスの役割範囲は広いですね。

カスタマーサクセスでは一般的に、ハイタッチやロータッチという区分があり、そのなかでオンボーディングをしていくなどの流れがあると思うのですが、コンサルティングや業務改善では、違った専門知識も必要なのではと思います。何か特別に勉強されたり、学んだりしたことはありますか?
 
特別な勉強をそこまでしたかと言われると、難しいですね。
それこそKOMMONSのような、外部コミュニティの勉強会や研修などには、積極的に参加するようにしています。

あとは、世の中にあるフレームワークを自分の組織に当てはめて、実際にアウトプットした時に気づきを得られることが多いです。
「とりあえずやってみる!」という感じで、まずは自分でやってみて、得た気づきをブラッシュアップして体系化していくことを実践しています。

それからもう1つ、ユニリタという会社のなかには、色々なサービスやプロダクト群が存在しており、例えば、その一つにRanabaseというプロダクトがあります。

Ranabaseは業務プロセスを設計・可視化するプロダクトです。
その特性上、社内にプロセス設計や改善を専門にコンサルティングしているメンバーもおり、コミュニケーションをするなかで情報を吸い上げているという部分もあります。

【5】事業拡大のために乗り越えるべき課題

今の仕事で大変なところや、課題に感じていらっしゃる部分はありますか。

事業が成長してスケールしていく過程において、組織の二番手をどうやって育成するかは常に悩んでいます。

社内の新規事業で撤退基準もある中で進めていることから、新規事業だけのために必要な人材を中途採用することは高いハードルがあります。
そのため、社内で公募をおこなって異動していただいたメンバーや、新入社員を育成していく方針がメインとなります。

事業立ち上げの初期は私が先頭でプレイングマネージャーをしていましたが、自分だけでできることには限界があるので、カスタマーサクセス組織をイネーブルメントさせるために育成と仕組み化にスピード感をもって取り組んでいます。

ただし、すべてのスキルを兼ね備えた人材の育成はすぐには実現できないので、例えば、オンボーディングに特化した育成や、サポートに特化した育成など、専門性をもったかたちで、1つの強みをつくり、伸ばしていく取組みをおこなっています。

【6】部門を超えた価値を最大化していく

なるほど。育成もマネジメントの重要なテーマですよね。
ご自身として「今後はこういうことをしていきたい」もしくは、「Growwwingとしてこんなことにチャレンジしたい」などの展望についてもお聞かせいただけますか。

今までは、場当たり的かつ属人的ではあるものの、スピード感を優先して組織・プロセス構築と個の成長をおこなえてきました。

ただ、組織が4年目をむかえ、現状のままでは限界がきており、一つ一つの活動の「質」を高めて組織力を向上させていくことが求められるフェーズになってきています。

そのなかでも、業務改善の一番の重要フェーズはオンボーディングです。
オンボーディングの価値を最大化していくために、キックオフから運用開始、そして事例化までの質の改善に今、最も焦点を当てて取り組んでいます。

あとは、ユーザー数が一定増えてきたことによって、いかに戦略的に利用範囲を拡大していくか、お客様のビジネス成果を最大化していくかを考えていきたいです。
ユニリタは商材が多く、クロスセル商材もかなり豊富にあるなかで、Growwwingをきっかけとして、お客様の周辺課題をキャッチアップし、Growwwingというよりも、ユニリタがお客様に提供できる価値を最大化していかなければならないということを意識しています。

まとめると、先ほどお話した人材の育成と並行して、組織の質を改善していく取り組みをおこなうことでオンボーディングの価値を最大化させていく。
そして、その後の利用拡大シーンにおいて、Growwwingだけではないユニリタとしての豊富なソリューション群の価値をお客様に感じていただきたい。そのために、ユニリタの他の商材についても詳細を知っていただく活動に今後は取り組んでいきたいと考えています。

【7】カスタマーサクセスは特別なスキルがなくてもチャレンジできる場所

自分たちのプロダクトだけでなく、会社全体で顧客の成功に伴走する幅を広げたいということですね。
早いもので最後の質問ですが、同じCSとして悩まれている方や、CSへのキャリア転向について考えている方へのメッセージをお願いします。

うーん、難しいですね(笑)。最初にお話した通り、自分は最初からカスタマーサクセスをしているのでキャリア転向がないんですよね。
年数と共に役割や業務のカバー範囲は広がっていきましたが、それら全てを含めてカスタマーサクセスだという認識です。

これまでカスタマーサクセス一筋に近いキャリアですが、自分の場合は入社した時はどちらかというと、営業ほど話せないと思っていましたし、開発ほどプログラミングはできないと感じていました。
ただ、ある程度話すのが好きで、技術にも意欲があったので、カスタマーサクセスという仕事は合っているのではないかと考えました。
お客様と直接会話ができて、プログラミングとはいかないまでも、プロダクトを使うことで、お客様に対して課題解決を行えるという立ち位置で関われるところは、やりがいがあるのではないかと思いました。
その感覚が、ある意味では天職につながっていたということなのだと思います。

正直なところ、最初はあまり自分に自信がない状態で始まったキャリアでした。
そんななかでも、カスタマーサクセスは色々な経験をさせてもらうことができる役割だと思います。
おそらく、カスタマーサクセスの最初は、多くがオンボーディングからだと思いますが、プロダクトを導入し、そこからプロダクトスキルを学び、マネジメントスキルを学び、営業スキルやマーケティングスキルを学び、というように、営業プロセス全体に対して着実に一歩一歩、何か特化した技術がもともとなくても、スキルやキャリアがアップしていくというのは、カスタマーサクセスのよさなのではないかと思っています。

たしかに、同じカスタマーサクセスでも、ハイタッチとテックタッチでは明らかに特性が違います。そういう意味でも色々な経験をするなかで、いずれ自分に合う天職が見つかる可能性もあるということですね。

そうですね。今もし、人と比べて特化したものがないと悩んでいる方がいたら、カスタマーサクセスは色々なことにチャレンジできる場所なので、チャレンジしていくうちに、自分のやりたいことや強みを、いずれ見つけられる場所でもあるのかなと感じています。

また、そうして取り組むなかで、悩みもいずれ解決するのではないかなと思いますので、まずはやってみることをおすすめしたいですね。

このメッセージにきっと勇気づけられた方もいるのではないかと思います。
本日は、お話いただきありがとうございました!


さいごに

株式会社KOMMONSでは1,200名以上のカスタマーサクセスが集まる日本最大級のコミュニティ『CS KOMMONS』を運営しています。
イベントや交流の機会、キャリアが広がる機会を多く提供していますので「CSの情報交換をしたい方」、「複業・転職の機会を得たい方」などはぜひコミュニティへご参加ください!

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