Nick Lowe / Nicks Knack 音源備忘録42
ニック・ロウ、1986年リリースのコンピレーション。私にとってのニック・ロウ初体験CDだ。この人の肩書きとかジャンルとかはどう表現したら良いんだろう?年代を気にせず挙げていくと、ブリンズリー・シュウォーツからロックパイルという流れはパブ・ロックかな、と思わせるものの、ソロではいかにもブリティッシュな動きをしたと思ったらカントリーに寄ってみたり一筋縄ではいかない。ソングライターまたはプロデューサーとしてはエルヴィス・コステロ、ダムド、ドクター・フィールグッド、ファビュラス・サンダーバーズなど。
リトル・ヴィレッジみたいなバンドもやってるし、タータン・ホード(Tartan Horde)という架空のバンドでベイ・シティ・ローラーズ・フォロワーな曲をやってみたり、訳が分からない。
因みにタータン・ホードは契約を消化するための仕事だったようだが、そこそこヒットした上に正体不明なまま日本盤が出て、さらには当時の「ジャニーズ・ジュニア・スペシャル」による日本語カヴァーまでリリースされてしまう。曲が良かっただけでこうはならず、ベイ・シティ・ローラーズ旋風“タータン・ハリケーン”が凄かったと言うことなんだろう。
閑話休題
さてこのコンピレーションCD、最近も含めかなり聴いている。2009年に『Quiet Please』という新しいベストが出たが、CD2枚組45曲140分と長いこともあり、『Nicks Knack』の方が入門編として優秀と言えるが、新しいベストがあるからわざわざ再プレスはないだろうな。
改めて聴いてみても思うのが、ニック・ロウはメロディが素晴らしい。だから同じ曲をブリンズリー・シュウォーツとロックパイル、ソロとそれぞれアレンジを変えても問題なく成立するのだ。プロデュースはともかく、自身の曲に関してはスタイルがまちまち、というより「メロディというスタイル」と言っていいのでは?本人そんなこと言ってないけど。
もうひとつ、個人的にニックのベースが大好きである。なのでアコースティックのものも悪くないが、やはりバンド・サウンドが好みということになる。彼のベースのフレーズやグルーヴが好きなのもあるが、時々使用していた8弦ベースの音色も良い!
9月に新作が出るが、覆面バンドのロス・ストレイトジャケッツ(Los Straitjackets)とのレコーディングだそうだ。バンドにベーシストがいるのでニックのベースが聴けない可能性があるが、仕方あるまい。余談だが、タータン・ホードを「覆面バンド」とと書こうとしたら、ストレイトジャケッツが本当にマスクをかぶった覆面バンドなので「架空のバンド」という表記にした。ややこしい…
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