Sister Rosetta Tharpe / Live In 1960 音源備忘録7
シスター・ロゼッタ・サープ。最近YouTubeで見るまで全く知らなかった。エレキギターを弾く姿も目を引くが、演奏も歌も実に素晴らしい。調べるとこの映像、1964年にマンチェスターの廃駅で行われたパフォーマンスだという。64年というとビートルズやストーンズが20代前半、エルヴィスが20代後半、チャック・ベリーが30代の時期に、1915年生まれの彼女は49歳!Wikipediaに「ロックンロールの母」「ソウルシスターの元祖」という呼び名があったが、さもありなん。
活動時期が長く人気もあったのでかなりの録音が残されており、サブスクでも聴くことができる。宗教的なゴスペルとジャズ、ブルース、ソウル、ロックンロールなど世俗的な音楽のクロスオーバーだが、スピリチュアルなゴスペルと悪魔の音楽・ブルースの越境というのは古い時期ほど軋轢は大きかったと推測される。そのおかげでこうやって楽しめるのだから有り難い。知って良かった。
『Live In 1960』は何と、たったひとりでエレキ弾き語りで行われたライヴ。パワフルなシャウトがライヴではさらに引き立つし、ギターの抑揚も顕著にわかる。ギター弾き語りだとかなりブルース寄りな演奏になりがちで、個人的な趣味ではかなり好み。当分楽しめそうだ。