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音源備忘録 番外編4 2024下半期ベストアルバム

 年が明けた。と言うわけで、誰にも求められていない2024年下半期ベストアルバム。順不同。リンクはアルバムから1~2曲、YouTubeのみ。


はじめに

 上半期ベストのときとほとんど同じことをまた書く。こういう企画は、候補を挙げた中から絞っていく作業をするわけだが、選ぶのも大変だがいつも落とすのが心苦しい。だからと言って全部挙げると書く自分の負担になって結局書けなくなるから頑張って選ぶ。そんな思いをしてまでやる必要があるのかと言われそうだが、根本的なところでやっぱり楽しいのだ(少なくとも今のところ)。

 また、新しいものも次々出るので、どんなに気に入ったものでも聴く回数が減って、下手をすると忘れる。新譜だけじゃなく古いものも聴くから尚のこと。そのための「備忘録」は私にとって重要だったりする。もう初老だしね。

 年間ベストを決めようかとも思っていたが、この下半期やった後に上半期と合わせて選ぶとか順位付けるとかが不毛な感じがするというか、内容が重複するので改めてはやらないことにした。

 この中のザ・キュアー、ザ・リンダ・リンダズ、ザ・スマイル、マイケル・キワヌーカに関してはこの秋の新譜たちにも書いたのでここでは補足的に。

The Cure / Songs Of A Lost World

 この秋の新譜たちに既述。16年振りだそうだ。アルバム全曲をライヴ演奏した『Songs Of A Live World』、『~Lost World』と『~Live World』を一緒にしたもの、が次々配信されて聴きまくっている。「聴きまくる」タイプの音楽ではないような気がしつつ(笑)


Brigitte Calls Me Baby / The Future Is Our Way Out

 ロイ・オービソンに憧れたというが、ロイ・オービソンのような「非論理的」メロディ展開はさすがにない(当たり前か)。ヴォーカルが朗々と歌い上げるところ、エルヴィス風なクルーナー唱法、普通のロック的なところなど一言では言い表せない感じ。ザ・スミスに影響を受けたというのはギターに良く出ている。シカゴのバンドだそうだが、FrikoやFinomなど最近元気のいい若いバンドが多くて興味深い。大都市だから色んな音楽あって当然なんだな。


Fontains D.C. / Romance

 前作が2022年、ちょっと違うがグリアンのソロが昨年、そしてこの『Romance』と毎年リリースがあって、毎度良い作品で嬉しい。今年のフジロックのステージを配信で見たが、素晴らしかった。単独来日の頃には状況的にも肉体的にも遠征できるようになっていたい。


The Heavy Heavy / One of a Kind

 EPのエクスパンデッド・エディションという謎のリリースはあれど、アルバムとしては実質初らしい。最初に思い浮かんだのは60年代、ホリーズとかゾンビーズとか、アメリカならラヴィン・スプーンフルとか。個人的にはオルガンの入れ方とコーラスがツボ。男女デュオだが、女性の声が男性のファルセットっぽくてコーラスやハモが気持ち良い。


Jack White / No Name

 Apple Musicのレビューを意訳すると、ホワイト・ストライプス以降の作品の中で一番ホワイト・ストライプスに近いと。確かにそうかも知れないが、回帰したというよりいくつもあるやり方のうちの一つで、ずっとこれでいくわけではないと思う。盛り上がるのは事実だが。


Pale Waves / Smitten

 ドリーム・ポップやインディー・ポップなどのジャンルで言われてもピンとこないが、コクトー・ツインズ、クランベリーズ、サンデイズあたりの名前を挙げられると非常によくわかる。前作のポップ・パンク的な音も大好きだが、あっちがイレギュラーで今作が本来の姿らしい。とは言え余所から持ってきたものではないわけで、幅と言うことなんだろう。


Beabadoobee / This Is How Tomorrow Moves

 元々それなりに好きで聴いてはいたが、ザ・サンデイズの“Here's Where The Story Ends”をカヴァーしている動画を見て注目度が増した。ペール・ウェーヴスもそうだが、いくつかある私の好みのひとつ。クレイロのオープニングをやったことあるらしいが、クレイロももちろん好き。


Kasabian / Happenings

 デビュー時から知ってはいたが、恥ずかしながらこのアルバムまであまり聴いたことがなかった。遅くはなったが聴いて良かった。サブスクのおかげで遡って1stから聴いている。ただし時代の空気というか、このアルバムが非常に「今」の感じがしてしっくりくる。前から聴いていた人と感覚違うかも。リードヴォーカルが違うから当たり前かも知れないが。


Coldplay / Moon Music

 すっかりベテランになってしまったコールドプレイ。前作『Music of the Spheres』から続く世界観。相変わらず曲が良い。個人的にはギターが好きなのでガンガン鳴っている方が嬉しいのだが、そんなことを思わせないくらい曲が良い。曲名が絵文字「🌈」なのはどういう意味やアイデアなのか、どこかにインタビューないかな。そもそもこの絵文字はどんな環境(機種やOS、アプリ)でも表示されているのか。


Bialystocks / Songs for the Cryptids

 相変わらずメロディとツボをついたアレンジ、甫木元のヴォーカルが素晴らしい。フォーキーな曲、ソウルっぽい曲、ロックっぽい曲等あるし、使用している楽器も様々だが、同じ空気感があるのは声のせいだけではないと思う。前作と比べて構成の素直な曲が多い気がしたが、インタビューを読んだりするとアルバム云々というより曲ごとそれぞれのようだ。


10枚には入らなかったが挙げておきたいアルバム

The Smile / Cutouts
 この秋の新譜たちに既述。

Michael Kiwanuka / Small Changes
 この秋の新譜たちに既述。

The Linda Lindas / No Obligation
 この秋の新譜たちに既述。

The Waeve / City Lights

Clairo / Charm
 ↑ビーバドゥービーの項目参照。

Steve Cropper & The Midnight Hour / Friendlytown
 音源備忘録47で既述。

Wunderhouse / Midas

Girl In Red / I'm Doing It Again Baby!

Laura Marling / Patterns in Repeat

上半期ベストに入れ忘れた2枚😅

The Lemon Twigs / A Dream Is All We Know

Us / Underground Renaissance

 これらは上半期に入れ忘れたが実際にやたら聴いたもの。何故忘れたかは今となっては不明だが、さすがに挙げないのはないのでこの機会に。

思ったこと

 昨年末に思いつきで年間ベストをやって、それを踏まえて今年は上半期ベスト、下半期ベストをそれぞれやって最後に年間ベストを書こうと思ったが、冒頭に書いたとおり改めて年間ベストはキャンセルする。

 総括っぽい感想を言うと、いまいち邦楽が少なかったことが一つ。元々洋楽が多めなのだが、邦楽ももうちょっと積極的に聴きたい。それと、趣味的にロックが多めなのだが、シーン的にはロックがメインストリームではないことを痛感した一年(今年に限らないけど)だった。テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュ、ビヨンセ、チャーリーxcx やサブリナ・カーペンターなども聴いた(良かった)が、ポップもヒップホップも、もちろん邦楽もチェックしておかないと勿体ないというか、なんか損してる気にもなる。とは言え、時間も限られるし、あくまで趣味で仕事ではないので結局流れに任せることになるだろうな…。

 2025年はどうするか思案中。やる気がなくなっては意味がないので義務にはしたくないし、そもそも自分の生活がどういう形になるかで決まることもある。とりあえず日々音楽聴きつつ状況に任せてみよう。

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