仲井戸麗市 / THE 仲井戸麗市 BOOK 音源備忘録54
仲井戸“CHABO”麗市初のソロアルバム。当時はRCサクセションのギタリストという認識しかなかったので(当時は古井戸を知らなかった)、結構な驚きがあった。特にRCというか清志郎とは違う独特な言葉のセンスは唯一無二。まだ30代半ばの若さもあってかなかなかの攻撃性が。スライドやヴォリューム奏法など、その後アルバムにも多用されるギターも聴ける。
春日博文がプロデュースしていることや、リズム隊が気心知れたRCの小林和生&新井田耕造なこともあるが、アルバムとしての統一感は何よりも曲に負うところが大きいと思う。先に挙げた攻撃性と、皮肉っぽさ、リリシズムが通底していて、言い方は悪いがあまり明るくはない。それが17歳の少年には見事に刺さったのかも知れない(85年当時「刺さる」という表現は使わなかったけど)。
三つ子の魂ではないが、このときから今に至るまでチャボが大好きである。ソロもCHABO BANDも麗蘭も。残念ながら清志郎は若くして亡くなってしまったが、チャボは本当に長生きして欲しい。