ビートマニア(I.C.B.リマスタリングとJDとの思い出)
先週アップされたI.C.B.のリマスターミックスの反響と評判がいいようだ。
もし、この曲の声ネタの持ち主であるJD Braithwaiteも
このことを知れば大笑いしただろう。
前にもここで書いた通り、10数年前から行方不明のJDだが、
今回鮮明に思い出したことがある。
まだ、UKガレージがブリティッシュ・トラディショナル・ガレージと呼ばれていた1996年の12月の今時期、
JDがその総本山のひとつといわれていたクラブに招待してくれた。
その場所はロンドンのど真ん中、
レスタースクエアにあった危ない雰囲気のクラブで
「Gass」または「Gass Club」と呼ばれていた。
レスタースクエアといえば、外観は違うが、
日本でいう渋谷ハチ公前みたいな有名な場所だ。
JDと待ち合わせしてその広場を歩いてクラブに向かう途中、
きらびやかなクリスマスデコーレーションが施された広場の一角で、
かつてのマイクタイソンのプロモーター、ドンキングを彷彿させる
寝癖がそのままマッチ棒のように伸びた髪型をした黒人の宣教師が、
「ジーザス!神はあなたをお救いする〜〜!」と絶叫していた。
それを見たJDは薄笑いを浮かべながらこう言った。
「ヘイ、トモキ!見てみろよ。
俺たちも仕事がなくなったらあの人の前で神に祈ってるかもな hahahahah」
ディレイはかかってなかったが、
最後のhahahahahはI.C.B.のイントロに入っている彼の笑い声と同じだった。
確かによく見てみると、
夜の寒空の下、ほとんどの人が宣教師の前を通り過ぎる中でも、
2~3人の黒人が足を止めて祈っていた。
そんな光景を横目にクラブの中に入ると、
ブレイク前のTuff JamのDJ Karl "Tuff Enuff"Brownがフロントで待っていた。
この日は彼がゲストリストに入れてくれたイベントだったのだ。
一通り挨拶しながらハグした後、あたりを見回すとJDはいない。
すると、
「ヘイ、レディー!キミ、ゴージャスだね」とか言いながら、
クラブのエントランス付近からナンパに精を出すJDの姿が
そこにあった。
先月、マスターテープから掘り起こした
I.C.B.のフルミックスを24年ぶりに聴いた時、
そんな他愛のない当時の情景がリアルに思い出された。
JDよ!
いつ会ってもギャグが炸裂してたな!
生きてたら連絡ください!
Tomoki
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