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1:最初の帰省は楽しく!そして決意❣️

2021年5月


『ジャガイモ堀を手伝って欲しい』

父から連絡をもらいGWに長男夫婦を連れて帰省しました。

ちょうど4月に連絡をもらって初の帰省です。
まだ詳細な検査結果も出ておらず
治療方針も決まっていない中ということもあり
1人でいこうか迷っていたところのリクエスト
それならばと
人手は多くて困らないだろうということで
息子夫婦も連れて賑やかに明るく楽しく帰省してきました。

(お父さんナイスだったよ👍)

この日富士山が綺麗でした❣️


畑仕事

豆収穫と撤去

行ってみるとまずはほったらかしにされ収穫時期を逃した
豆を全部取りたいと言われ下の畑に寄りました。
葉が茂り豆も肥大化していて手が付けられないほど💦
ですが若者(?)3人がいれば
あっという間に収穫と支柱やネットまで撤去し
スッキリさっぱり完了!

その後空いたスペースに落花生を植えて下の畑終了!

でもね、この落花生が後々大変なことになるのですが…💦
その時は気がつきもせずでした。
ちょっと考えたらわかりそうなものなのですが、
この時は父が植えたいと言うなら植えてあげようという
軽い考えでせっせと撒いてしまいました。
(落花生のドタバタ劇については追って書こうと思っています😅)

画像2
右側の鬱蒼としたところがグリンピース 中央の地面が見えているところには落花生を植えました


(上の写真を今見返してみてさほど雑草が生えているわけでもなく、
 まだこの頃は父が頑張って畑に行っていたことをみて取れます💦
 それだけ野菜を育てるのが好きだったのでしょうし
 この畑が好きだったのが伺えます。)


でかっ😮💦


じゃがいも堀り


2日目いよいよじゃがいも堀のために上の畑に行きました。
こちらは下の畑とは違いかなり雑草が茂り何がどこにあるのか
わかりにくくなっていました。

   ・・・この後もっとすごいことになるんだけどね💦

上の畑はさらに草が多くなっていました

下の畑では私と息子夫婦が主に働きましたが、
上の畑では父が主に動いていました😅

父はこの時すでに体重が35kgぐらいに減っていましたが
力強く鍬をふり、鎌をふり、
手際良く進めていましたよ!

癌だっけ?

ふとそんなことを思いながら
痩せた父を見つめながらの作業していました。

こちらも時期外れでしたが沢山実ってくれていました


時折あまり無理もさせられないから
「疲れただろうから私が鍬やるよ!」
と言うのですが
おまえじゃ、じゃがいもを傷つけてダメにしてしまうだろうと
最後まで譲ってはくれませんでした😅

『お前たちじゃだめやなぁ〜💦』

この時のこの言葉はどこか温かみがあり
嬉しく頼もしく思える…。
父もちょっと嬉しそうなそぶりを見せ
”ダメだ”という言葉がこれほど嬉し感じたのは
後にも先にもこの時だけでした。

土を掘り起こして芋がごろごろっと顔を出すと

おおっ😀!

と無邪気に喜ぶ顔を見ると疲れも吹き飛びます。
その嬉しそうな笑顔がとても印象的で
とても温かく穏やかな時間を過ごせ今でも思い出すと微笑んでしまいます。

本当はめっちゃ腰痛かったのですがね〜🤣💦




最初にしたこと

畑仕事を3代で一緒にするというのは
思い出作りでもありますが
実はそれ以上の目的がありました。

死生観を探る

父の治療に関する考え方
死を迎えるにあたっての考え方
どのような日々を過ごしたいのか
いわゆる死生観を探るということでした。

死生観とは
生きることと死ぬことについて、判断や行為の基盤となる考え方。生と死に対する見方。

goo国語辞典

”父の希望を第一優先に“を心掛けの1番に掲げてるからには
彼の希望を知らなくてはなりません。

過去に父と話しをしたかもしれないと
子供頃の記憶を探りますが
こういう時ってあまり明確に思い出せないんですよね〜。
もうすでにテンパっていますから💦

何度か
ぶっちゃけ聞いてしまうというと思わないこともありませんでしたが
この状況で聞くと冗談になりません💦

日頃何事もない頃からドラマや映画をみたきっかけなどを使って
死生観について両親と語っておく
パートナーや子供たちと語っておく
ことがいかに大事かということを痛感しました。

本当に”父の希望を第一優先に“を心掛けの1番に掲げておきながら
1番大切な事を聞けないもどかしさと言ったら...😥


そこでしたことが、
今の父から発せられる言葉を細やかに聞き取っていくということ。

一番素直になりそうな畑仕事を一緒にしながら
父の様子を観察し、ちょっとした言葉や振る舞いから
ヒントを掴めないかと考えたわけです。

これは大正解だっと思います。
畑での様子と畑から戻ってきて庭作業をしている時の
ポツッポツッという言葉などから
想像から確信へと変化してきました。


父から教わったこと

自宅にいる時にはキツさが全身に広がり
心の中まで広がっているように見える父ですが
畑の中で葉を触り土を触っている時の父は
痛みも病も忘れ
今この時を満喫し楽しんでいるようでした。

自然に包まれる中でチャージされること
今に意識的でいること


これこそ父に取り一番の薬ではないかと
なんなら畑に居ることで全て治ってしまうのではないか
とさえ思えてきます。
それほど父からこんな時だからこそ奪ってはいけない日常であり希望である
存在だとわかりました。

そして日々の在り方にも平常時の生活を基本に考えていることが
みてとれました。
入院というのは特別な空間です。
さらに昨今の状況下では一般病棟に入院してしまうとお見舞いにも行けなくなりますから。

そして何より
人とは?
生きるとは?

一つのあり方ですが
父のみならず私にとっても
今後の生き方の指針になるものに感じました。
基本的なことだけれどとても大切なもの
それを教わったような気がしました。


自分たちのスタイル


何が正解かは分かりません。
でも、それぞれの家庭や環境に合わせたやり方が何百通りとあり
それぞれが導き出したものが正解だと思っています。
そしてその時々で軌道修正して良いとも思っています。
なぜなら予測不能なことが起こっていくことを知っていたから。
あくまでその時にできることをすれば良いし
それが自分たちなりの正解を探っていくことになると思っていました。

そんな私が畑仕事で得たスタイルは

痛みはお薬などでできる限り取ってもらいながら(👈大前提)
元気な時は私が畑を手伝いながら
収穫したりタネを蒔いたりして
時には庭のフルーツや野菜を自分で収穫して過ごす
季節を感じながら土や緑を感じれる日常を共に過ごしていく…

入院は特別なことがない限りしない
本人が望まなければ
苦しい時間をベットで点滴で縛られながら
1人で過ごさせるようなことはしない。


これが我々のスタイルに間違い無いと感じていました。




とはいえ自分の生活を全て明け渡すのではなく
できる事をできる時にやろうと

ちょっと虫が良すぎるかもしれませんが自分にとっては
100点満点ではなく70〜80点ぐらいを目指した感じで
初めから力を入れずに頑張ろうと。


基本態度は変えない   (いかにも重病人のような扱いはしない)
治療方法を押し付けない (でも最初の頃紹介は少ししましたね)
頑張れと言わない    (文脈によりますが)
1秒でも永く生きて…というスタンスは取らない (尊厳重視という意味)



ただ、私はちょうど4月からアルバイトを始めたばかりで
それをどうするのかが気がかりではありましたが…。


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身体にどこまでも良いキャンドルを求めて研究しています。 サポート頂けたら嬉しいです😊❤️