小倉唯 LIVE TOUR 2024 ~Bloomy × Meet you!~ 横浜公演 ライブレポ
11月17日(日)パシフィコ横浜 国立大ホール.
声優だけではなく音楽アーティストとしても活動する、小倉唯。9月18日にリリースされた5thアルバム『Bloomy』を引っ提げてのツアー、ファイナル公演に行ってきました。誕生日記念イベント『唯涼祭』が8月にあったんですが、ちゃんとしたワンマンライブは丁度1年ぶり、しかも同会場パシフィコ横浜。彼女のホームとも言える場所ですね。
約5年ぶりになる、ツアーファイナル。8月の『唯涼祭』で29歳を迎え、感慨深くなったりもしたんですが、新アルバムのコンセプトも綺麗に固まっていたので、また一つ成長した彼女が今回はどんな景色を魅せてくれるのか、とても楽しみでした。
OP映像が終わると同時に、ライブは「Lovely Happily Shiny Days」で華々しくスタート。アルバム新曲の中でもお気に入りの1曲が、いきなり来たので驚きと歓喜が入り混じってましたね。イントロのキラキラした高揚感は、まさにライブ開幕に相応しく、今振り返るとこれ以上ない選曲だったと納得してます。続いてまさかの「パンドラ♡ショコラ」が披露されるという狂喜乱舞案件。最後に聴いたのがいつかも思い出せないほど久しぶりだったので。今回のステージセットの世界観にもピッタリで最高に楽しかった…。
挨拶後のMCでは、ツアーに込められた"皆んなの元に会いに行くよ、みんなも会いに来てね"という想いを語りつつ、「5年ぶりのツアーなので不安もあったんですけど、こんなに沢山の方が集まってくれて嬉しい」と感謝を伝えてくれました。こちらこそまたツアー開催してくれてありがとうなのよ。そして、開演前から気になっていた豪華なステージセットにも言及。「絵本から出てきた様な世界観にして貰ったので、色んな仕掛けを楽しんで欲しい」とコメント。本当にその言葉通りで、アルバムとツアーのテーマにもなっている"花"が至る所に咲いているのは勿論、真ん中の扉を境に、下手側にはドレッサーや洋服が掛けてある部屋の様な空間、上手側にはベンチや街頭など外の景色が拡がるなど、細部まで作り込まれたセットでした。
ライブは「Baby Sweet Berry Love」で再開。コール盛り沢山ライブアンセムなので、会場も一気にヒートアップ。続く「アコガレcollection!」では、ミュージカルダンス仕立てのダンスパフォーマンスを展開。ダンサーたちに彩られた華やかな演出に加え、間奏ではドレッサーを使ったメイクパフォーマンスも披露。鏡に設置されたカメラに切り替わるとモニターにカワイイ笑顔が映し出される神演出に大歓声。本当にいつもファンサ旺盛で感謝しかない。序盤はまさに"女の子が憧れる可愛さ"がぎゅっと詰まったパートだったかなと。楽曲自体が懐かしいからこそ、成長も感じられるし、あの頃から"良い意味で"変わらない可愛さを感じられる絶妙なステージでした。
幕間映像ではオリジナルのショートストーリーでした。アルバムに因んだストーリーっぽく、可愛いらしいイラスト映像に唯ちゃんが朗読。彼女が作詞した歌詞や、普段の優しい真っ直ぐな言葉選びとリンクするところもあったので、自作かな(そして相変わらず良い声)と思いながら聞いてました。
※ライブ終演後に「花占いするの♡」のリリックビデオを公開。この映像で使われているイラストが幕間映像でも使われてました。
2着目の衣装で再び登場すると、まず披露されたのは「花占いするの♡」。直前の映像から続く空気感も相まって、音源よりエモーショナルな趣がありましたね。歌詞の解像度がグッと鮮明になった気がします。ハンドマイクと片手で器用に振り付けをこなしながらのパフォーマンスが印象的でした。続けてストリングスが際立つバラードナンバー「シュガーハートエイク」では、ベンチに腰掛けてしっとりと歌唱。その姿からも切なさが漂っていて、その余韻を引き継ぐ様に「恋の秒針」も披露。スモークがまるで積もった雪にも見えて、冬のラブソングが描く世界観を見事に演出していました。この日唯一のスタンドマイクも登場し、真っ直ぐ前を見据えた眼差しからは、切なさと美しさが溢れ出していて、とても印象に残っています。そして、雪晴れの様な澄み切った空気の中で「秘密♡Melody」を披露し、このパートを優しく締め括りました。
MCでも「切ないパートをお送りしましたが、いかがだったでしょうか?」と語りかけ、アルバムインタビューとかでも答えていた「儚い切なさ、儚いからこその美しさを伝えたかった」という想いを共有してくれました。残りのフリートーク時間では、これまでの公演でもご当地の食べ物を紹介してきたらしく、横浜では「レナーズ」のドーナツを魅力たっぷりジェスチャー付で可愛く紹介してくれました。横浜にはよくライブ行くのでいつか食べたいところ…。
MC明けは1曲だけ「スターチス」を披露。アルバム新曲の中で一気に印象変わったのはこの曲でしたね。心地良すぎるグルーヴに引き込まれる引き込まれる。紫っぽいスポットライトに照らされながら、ステージの端から端までクールでお淑やかにパフォーマンスを魅せてくれました。
ライブも後半戦。ダンサー紹介も兼ねたソロパフォーマンスで序盤の活気を取り戻していきました。コーレス映像も続けて流れ、質問をいくつか投げてくるタイプだったんですが、回答が統一される質問から、「どうやって来た?」「伝えたい想いは?」みたいなカオスになるモノまで多彩で結構オモロかったです。
そしてヘッドマイクとダンス衣装で再登場すると、ダンスパート1発目は「Wild☆Kitty」。8月の『唯涼祭』ぶりですが、ダンスナンバーとして完全に化けてましたね。跳びポあるし最高に楽しかった。そんで「ドキドキラビリンス」!!!ガチでイントロ絶叫部。何度聴いても飽きないし、やっぱ一生好きです。歌もメロディもダンスも全部好き。そしてラストを飾ったのは「Empty//Princess.」!!昨年のワンマンで初披露した時、"ライブを重ねて成長していくポテンシャルがある曲"と確信した通り、こちらも化けましたね。ファンのコールやクラップも揃い、ライブアンセムとしてほぼ完成したなと思います。あと、この曲のパフォーマンス中だけに魅せる、女王感溢れる蔑むような眼差しがとても好き。頭空っぽにして楽しめたダンスパートですが、昨年のワンマンでは無かったので、本当に嬉しかった。もしかして10周年記念ライブで最後だったのかな…と勝手に思ってた処もあるので。ダンス体力使うし大変だとは思うんですが、あと数年は是非続けて欲しい…!
幕間映像Part2ではショートストーリーの続きですが、イラストではなく本人映像でしたね。申し訳ない事に、内容を殆ど憶えていないのですが、すごく前向きなエンディングではあった気がします。円盤が発売されたらちゃんと見返したい。
少し休憩にもなったところで、熱狂へと再び引き込んだのは「Raise」。会場中が瞬く間に真っ赤なペンラで染まり、磨き上げられたパフォーマンスに魅了されながらも、巻き起こる大絶叫コール。相変わらずこの曲の盛り上がりは異常ですね、ガチで楽しい。続く「Clear Morning」では、赤く染まった会場が青白いペンラに一転。幻想的な照明演出に加え、コンテンポラリーダンスも美しく、ライブ映え曲ナンバーワン。何とも言えない浮遊感とエモーショナルメロディが最高で、ライブで聴けば聴くほど好きになっています。お次は「One & Only」。これもアルバム新曲で聴きたかった曲。ライブでは「wow oh wow oh…」と「la la la」のシンガロングが生み出す一体感とエンディング感を味わえて良かったです。
気づけばライブも終わりに近づき、最後のMCでは「あっという間のライブだった。でもこの儚い時間も美しくて尊くて。今回のツアーで伝えたかった想いと重なります」とメッセージを残してくれました。そんな想いも込めて、本編ラストは彼女自身が作詞を手掛けた「Wind of Bloom」を披露。いやぁ、音源よりも遥かに良かった。ここまで築き上げてきたセットや演出、衣装、セトリ、言葉…etc、全てがこの曲に集約している様で。歌詞の世界観がより鮮明に広がって。気持ちも込もった深みのある歌声を響かせる姿にずっと心を奪われる時間でした。ラスサビでは、上空からハート型の花びらも舞い、華やかで温かいエンディングを迎えてライブは一旦幕を閉じました。
ファンの熱烈な"唯ちゃん!"コールに応えて、アンコールでは、「わくわくシャンプー&リンス」を披露。この曲ライブでやるんか~と驚きもありましたが、皆んな振り付けもして、何とも言えないシュールな様子が次第に癖になってくる感じはあったなと。
MCでは、まずはライブ本編の振り返り。やはり幕間映像の台本は全部自分で考えたの事。まさかの予想的中でしたね。告知は色々あったんですが、来年のFCイベントである社員総会で生バンドを解禁する発表で大歓声。単独では初ですからね。ガチで嬉しかったし、既にチケットは握っているので、当日が益々楽しみになりました。多分そこで上手くいけば、それ以降のライブも全て生バンドになったり…?と期待をしています。
そして、「まだまだ盛り上がれますよね?!」の煽りに大きな歓声で応え、もう一度コーレスもして温まった熱気の中で始まったのは、なんとスペシャルメドレー!「Look@me♡」⇒「トキメキweekend!」⇒「Honey come!!」の3曲が続いたんですが、どれもほぼフル尺に近い構成で大満足。コールやクラップがこれでもかと詰め込まれた盛り上がり必至のナンバーが続き、終盤でもオタクは声デカくて最高だし、最高潮の熱気に包まれていましたね。「Honey come!!」では黄色のペンライトが一斉に灯り、いつ見ても壮観です。正直ハニカムかハイタッチメモリーを体験しないとライブが締まらないような気持ちになる位には好き。
最後のMCでは「ツアー中に学んだ事や受け取った気持ちを糧に、未来の夢(たね)にして、また花を咲かしていきたい」と語りかけ、さらに「1stライブから変わらず、こんなに沢山の方が会場に集まってくれる事は本当に当たり前じゃなく、皆さんと出会えたことがキセキです」と、感謝を伝えていました。そんな想いも込めてアンコールラストは「君色のキセキ」を披露。これも彼女自身が作詞を手がけている楽曲ですね。ファンシーで爽快なポップロックナンバーですが、王道故の輝きや彩りがライブのエンディングにピッタリだったなと思います。自然と「良かったな…」という気持ちで帰路につける様な、そんな余韻を包まれたフィナーレでした。
披露後は「皆んなとツアーを駆け抜けられて良かった!」と笑顔で手を振ってお別れ。エンドロールでは、各公演の様子を収めたVlog的な映像も流れて、これにて終幕…。と思われたんですが、「もう1回!」コールに応え、サプライズWアンコールが実現!ツアーファイナルだからですかね。本当にありがたい。しかも披露されたのが「エブリデイ☆ハッピーデイ」。神すぎ。久々だったので、親切にサビの振り付け練習もしてから開始でしたが、踊れるオタク多すぎて優秀。この曲もシンプル故のパワーと明るさがあって、嫌なことを全て忘れて楽しめる。ライブってそういう空間でもあるので、この曲はこの先もライブに欠かせない大切な曲だし、それがお互い共通認識であるのかなって再認識できて良かったです。
最後の最後に「ツアーこんなに楽しんだって思えたし、どの公演もその公演ならではの色があって楽しかった」と笑顔で語り、別れ際ではオフマイクで「ツアーファイナル来てくれてありがとう!また絶対Meet youしようね!」と思いの丈を叫び、温かい拍手に包まれる中、いつも以上に名残惜しそうにステージを後にしました。
大団円で幕を閉じたツアーファイナル。アルバムのコンセプトや込められたメッセージが、ステージで更に鮮明に描かれたライブでした。曲によっては、まるでステージ上でMVを撮影しているかの様な凝った演出もありましたし。その中で、色んな小倉唯の姿、表情、そして歌声を魅せてくれて本当に素晴らしかった。これらのお蔭で印象がガラッと変わった曲もあって良かったです。改めて、ライブで体験しないと発見できない事が沢山あるなと。
MCでは、"20代ラスト"となるツアーの寂しさや儚さ、限られている時間への美しさを繰り返し語ってくれた事がやはり印象に残っています。"不安"とか、"最後"とか、"終わり"とか、テーマに対して前向きに変えていく彼女の想いが心に響きましたね。"~だからこそ"って言葉遣いも多かったですし。
未来を見据える上で、終わりを意識しているのだけれど、決して悲観的ではなく、だからこそ、今のこの瞬間を大事にしたい、そんな気持ちが十分に伝わってきました。作詞曲も気づけば数え切れない程になり、セルフプロデュース力は上がる一方だなと思います。彼女のメッセージはいつも、ハッキリ明快で、心にまっすぐ届くのがとても好きです。自分も彼女と一つしか年齢が変わらないので、"20代ラスト"という想いに共感する部分も多かったです。これからも応援できる時間を大切にしていきたい、その為にできる事をしないとなと、見つめ直す事ができました。改めてツアー無事に成功して本当に良かったです、素晴らしいライブをありがとうございました!