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Northlane ”Mirror’s Edge Japan Tour 2024” 東京公演 ライブレポ

 11月23日(土)吉祥寺CLUB SEATA.
オーストラリア・シドニー出身のプログレッシヴ・メタルコアバンド、Northlaneの5年ぶりとなる来日公演に行ってきました。5年前はCrystal Lakeが呼んでくれて、当時も東京公演を観に行ったのでコレで2回目。この5年間で新譜も増え、聴きたい曲も沢山あったので楽しみでした。

 ゲストも、国内からSheeSawHarmとKnosisが出演しており、全て観れたので、同様にレポ書いていこうと思います。


SheeSawHarm

確実に爪痕残してた

 関西を中心に活動している、京都のラウドロックバンド。ライブは初見。2年前にEP『will in the Demijohn』を私の記事でも取り上げていたので、いつかライブ見てみたいな~と思いつつ月日が流れ、遂に邂逅。Northlaneと組み合わせるべきバンドかと考えると?ではありますが、ライブ自体はむっちゃ良かった。爪痕を残そうと鬼気迫るパフォーマンスを魅せてくれました。白いライブ衣装で統一され、ボーカルだけは黒の羽織も身に付けて、ヘアスタイルも皆んな個性的。どこか不気味さもあるオーラを放ちながら、かなり激しいサウンドを鳴らしたかと思えば、哀愁漂うメロディセンスに引きずり込まれるカオスで独創的な世界観。特にボーカルスキルが高すぎてビビりましたね。トンネルっぽい低域から、ミドル、高域はホイッスルまで器用にスクリームを響かせていて、音源以上の存在感がありました。セトリ僅か4曲でしたが余炎がイチバン印象に残っています。売れ線とは全くかけ離れた類だけども、日本からしか生まれない貴重な音楽性をしていたので、これからもライブ活動頑張って欲しいなと思います。


Knosis

Ryoさん今日も最強すぎて

 Vo. Ryo Kinoshita率いるエクスペリメンタルメタルプロジェクト。ライブ観るのは今年7月ぶり、3回目。今夜はギターにDaiki(Crossfaith)さんも駆け付けてくれて活動初期を思い出す布陣でした。いつもの「Davidian」イントロカバーから繋がると気持ちいい最新曲腐敗をいきなり披露し、序盤からフルスロットルで骨太縦ノリハードコアを展開。Ryoさんも調子良さそうで、ステージ上を縦横無尽に動き回りながらスクリームを響かせ、フロアに跳べ!と頻繫に煽っていくパフォーマンスも相変わらず。瞬く間に熱気が凄い事になってました。MCでは、「ERRAとNorthlaneと前のバンドで一緒にアメリカツアーして5年ぶりくらいなんだけど、5年も経ったなんて信じられないなってくらい、時の流れが早すぎて」と、感慨深くなるコメントを残してました。後半では新曲「毒沼」も初めて聴けたんですが、これまたエルデンリングからインスピレーションを受けたであろうタイトルで、日本語詞も多く叙情的なメロディが秀逸な1曲でした。12月のワンマンは勿論、アルバムリリースも近づいているので楽しみです。


Northlane

Marcusの衣装がセクシー

 遂に5年ぶりの再会。今回も大満足でした!まさかのほぼノンストップ、MC休憩殆ど無しのロングセットで感謝しかない。開幕は予想通り、2022年リリースの6thアルバム『Obsidian』から「Carbonized」。いきなりアクセル全開ではなく徐々に徐々にムードや温度感を作り上げていく落ち着いた展開に引き込まれましたね。Vo. Marcusも前回見た時より遥かにリラックスした状態でスクリームもクリーンも響かせるもんだから凄い…。次の曲は懐かしい「Intuition」だったんですが、実はこの後も各曲毎に2人ともギターをチェンジしていく変態っぷり。それだけチューニングを変える必要があるのは解るけど、スムーズすぎだし、ギター5本くらい出てたと思うし凄かったですね。妥協を許さないこだわりが詰まってます。

 中盤は最新EP『Mirror’s Edge』の「Miasma」「Kraft」「Dante」に加え、5thアルバム『Alien』から「4D」「Talking Heads」「Bloodline」のライブアンセムも織り交ぜて披露。『Alien』は前回来日時の最新作だっただけに、懐かしさと嬉しさが込み上げましたね。このアルバムから独自のサウンドを本格的に形成し始めた印象が強く、改めてその進化を感じる事ができました。そして何より最新曲達。中でも「Dante」がやっぱズバ抜けて好きだなと再認識。テクノグルーヴとダンサブルな開放感を取り入れた唯一無二のメタルコアの気持ち良さたるや。同じ系譜の「Echo Chamber」「Clarity」もこのタイミングで続けて披露されました。インダストリアル・メタルのフィルターを通して鳴らされるグルーヴィーなサウンドと、Marcusの巧みなボーカリゼーションも相まって心地良い激しさを体験できました。ボーカルにはリバーブなど空間系エフェクトが常に掛かっており、楽曲の世界観のスケールを広げてくれてたと思います。

 Marcusが一番動いていたので彼に目が行きがちではあるんですが、他のメンバーもしっかり存在感を放っていました。
 上手ギターJonはまずビジュアル面進化していて、右目に装着しているスカウターのようなデバイスが常に光っているのがインパクト大。視界の邪魔にならないのかと気になる一方で、シンセパッドを器用に叩いたり、急にテクニカルなリフを弾き始めたり、本当に見てて飽きなかった。あとギター弾き終りに右腕を頭上くらいまで振り上げる動きがとても好き。
 下手ギターJoshは、バックスクリームも担当してたんですが、Marcusとは違ったタイプの瞬発力に優れたキレのある声が魅力的。何度か日本語での挨拶もしてくれて笑顔を浮かべる姿に和みましたね。
 ドラムNicも会場の熱気が凄い中でもマスクを着用してパフォーマンス。圧倒的な数のドラムセットを正確無比で叩き続ける事は勿論、鞭の様にしなる叩き方が見栄え良すぎて、惚れ惚れするほどカッコよかった。
 メンバー全員が音楽性に合わせたスタイリッシュなビジュアルで、足を振り上げたり、飛び跳ねたりと、グルーヴ感溢れるパフォーマンスを繰り広げてくれました。華やかだし、ベテランのオーラに目が離せなかったなと。

 MCでは、共に出演してくれたゲストバンドに拍手を贈るよう呼びかけた後、「日本は世界でも最も好きな国の一つで、何度も訪れたい大好きな場所です」と、日本愛を語ってくれたのが印象的でした。後半戦に入ると、古めの楽曲である「Ra」「Worldeater」「Dispossession」をメドレー形式で披露。まさかセトリに入るとは思わず、最初はすぐに気付けなかったんですが、会場の一部盛り上がりで察せた処もありました。それに、ずっと音に殴られているような感覚になる程の音圧とパワーがあり圧巻でしたね。

 本編ラストは再び『Obsidian』のキラーチューン「Clockwork」で最高潮の盛り合がりを魅せた後、バラードナンバー「Nova」を披露。Marcusが観客にスマホのライトを照らすよう促し、会場全体が幻想的な光に包まれる演出は、まさにエンディングに相応しい美しいひとときでした。彼スクリームだと結構ドスの効いた迫力ある声になるんですが、高音域のクリーンは本当に柔らかくて透明感があるんだよなぁと。そんな事を思い歌声に浸りながら、本編は一旦幕を閉じました。

 本編で16曲もやったのに、アンコールに応えてメンバーが再びステージに登場。「日本の皆んな、来てくれてありがとう。今夜は楽しい夜を過ごせた?」の問いかけに対して大歓声が返ってくると、Marcusも笑顔を浮かべていました。「では最後に1曲だけ」と「Citizen」を披露。正直に言えば、「Rot」を聴きたかった気持ちはありました(11月20日はMarcusが加入し、デビューシングル「Rot」をリリースして丁度10年経っている事もあり)。でも、コレはコレで無問題。普通にガッツポーズしたし、全力で楽しむ事ができたので。真っ赤な照明がステージを染め上げる中、ブレイクダウンでは巨大なピットも生まれ、最後までお互い出し惜しみせず、圧倒的な盛り上がりの中、ライブは幕を閉じました。

 合計17曲。ガチで休憩なしで駆け抜けたので、あっという間だった。その熱量とメンバーの体力に驚かされたライブでもありましたね。セトリも新旧織り交ぜてくれた中で、『Obsidian』以降の音楽性の心地良さは異次元だったなと。サウンドの厚みを直接体験して感じたのは音源と良い意味で別物だったと云うか、音圧が特殊すぎて圧倒されるばかりでした。ライブ音源リリースしているのも納得です。ダイナミックでありながら繊細、多彩なエレクトロ要素もよく聞こえ世界観を鮮やかに彩ってくれました。自分にとっては、プログレッシヴ・メタルコアの沼に引き込んでくれたバンドの一つなので、再びこうしてライブ観れて本当に幸せでした。またいつでも日本に来てくれたら嬉しいですね。素晴らしいライブをありがとうございました!

【Knosis セットリスト】
1.Davidian(cover)
2.腐敗
3.奈落
4.忌鬼
5.神喰
6.毒沼(新曲)
7.星砕
8.厄災

【Northlane セットリスト】
1.Carbonized
2.Intuition
3.Miasma
4.4D
5.Talking Heads
6.Kraft
7.Bloodline
8.Dante
9.Echo Chamber
10.Clarity
11.Ra ~ Worldeater ~ Dispossession ~ Jinn
12.Solar(Remix)
13.Mirror’s Edge
14.Afterimage
15.Clockwork
16.Nova
(encore)
17.Citizen


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