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2020春アニメ総括感想

 この記事にとんできてくれた方ありがとうございます!!!多分だけど、ほとんどの人がTwitterのフォロワーさんかな(だと信じたい)。勿論、そうでない方も初めまして&ありがとうございます!!!

 初めに2020春アニメお疲れ様でした。アニメ感想クラスタの方々、いつも素敵な感想読ませていただいてます。色んな感想に触れることでより一層楽しく見れてます。感謝。えっと、以前少しツイートした通り…そしてタイトルにもある通り、今クールから作品ごとの総括感想はこちらのnoteに全て書き出していこうかなと思います。やっと、思う存分書ける!ツイキャスとかで総括の話をする時、普段の感想では書きづらいこと(マイナス面とか)まで喋るんですけど、そのノリとほぼ同じ感じだと思って頂ければ幸いです。それなりに頭ん中で整理しながら書きますが、勢いで書いてるとこが多くなると思います。それでよかった所も気になったところも全部もれなく書き留めてスッキリして、このクールを終わりにしたいなと。
 あと先に謝っておきます。もし不快な気持ちにさせてしまったら申し訳ございません。ただ言葉はちゃんと選んでるつもりなんで、もしそういうところがあれば遠慮なく言っていただければ次回から気を付けます。

 それと毎クール好きな作品、要素を決めたくてランキングを自作で作ってるんですけど、今回はこんな感じです。以下のツイートから是非覗いてみてくださいましーー。

 こちらのランキングはほんとに好きで作りたくてやってるので、この総括記事とは別にこれからも続けていくつもり。自分の中で好きなの忘れずに残しておきたいのよ。

 それでは、前置きが長くなりましたが、以下から総括感想です。自分が2020年春アニメで完走した12タイトル分(途中、延期してしまった作品は次クールにて書くことにします)。ご査収ください!


1.フルーツバスケット 2nd season

 (まだ夏に2クール目あるけど…今んとこ)心を抉りにきたり、救ってくれたりして、なんか知らんけどめっちゃ泣いちゃってる作品。6話まではそうでもなかったんよ…(2話は就活中の自分と心境が重なりすぎて泣いてしまったけれど)1期の続きやんなーぐらいのモチベーションで、割と1話完結だったのもあって話数間の重みを感じづらかったし。でもでも7話からよ、草摩家の別荘に来てから。もうほぼ毎回どっかで泣いてたと思う。
 この作品、元々言葉の力が強くって、説得力、伝染力があると思ってるんだけども。それを1期からずっと継いだまま、2期ではいよいよ!と言わんばかりに草摩家のどす黒い部分を出してきたせい(お蔭)で、言葉の捉え方が一筋縄ではいかなくなってきたからか本当に心にグサッとくる。透ちゃんのお蔭で変わった由希や夾が今度は彼女の様子の変化に目を向け始める。お互いのパーソナルスペースで重なる(理解してる)部分が大きくなってきたからこそ、ここは踏み込んで距離をぎゅっと縮めていいのか、それとも一歩引いて何とかするか、みたいな葛藤も結構見られた。特に7話の由希、9話の夾でその心の揺れが顕著に見れて…いやぁ本当に見てて苦しかった

 彼女ために頑張らなきゃいけないのに甘えてしまいそうになる…彼女を守りたいのに希望を全て掴めきれない…自身の決断を下すまでに過去回想が挟まるのも涙腺をかなり刺激してきた。個人的に回想はいい意味で苦手というか、弱いんよ。99.999%泣く。劇伴も相まって素晴らしい演出でした。2人だけの空間が映えていたと思う。
 夏からの2クール目も本当に楽しみです。慊人がどんな人物なのか、何を考えているのか徐々に掴めてきて興味関心マシマシっす。そして、それに対して透ちゃんを筆頭にどういう姿勢、行動を魅せるのか。見守るだけはありえないだろう紫呉さんやはとりさん、綾女さんら、大人達の立ち回り方は…気になるとこいっぱい。今迄以上に気を引き締めて視聴していきます。


2.かくしごと

 最終話、最後まで気が抜けなった作品。どこに何が仕込んであるかわからない、発見してもどう繋がってくるのか確信できない、そんな感じで作中(OPから、本編、ED、なんなら次回予告まで)に結末の展開をこちらに考えさせるのが本当にずるかった

 漂わせ方、匂わせ方、焦らし方が変則すぎて、なんか可久士や姫ちゃんの一言、ワンシーンをとっても、「今のもしかして実はこういう意味なんじゃ…」と裏をかきたくなってしまうくらいだった。そういう積み重ねがあっての最終話…めちゃくちゃ綺麗な構成と演出でした。ベタ…王道…お約束…テンプレ…そうかもしれないけれど、先述したこれまでの作品側の積み重ねがあってこそ魅せれる、爆発するものが確かにあったので、こういう展開でもこちらが欲しかったものを間違いなく越えてはいたと思うし、完璧に綺麗に仕上げてきれくれれば今度は視聴者側が各々の積み重ねで自然と加工して受け取ってくれるもんだと思う。人によってはめちゃくちゃ響くもの。因みに僕はめっちゃ感動!というより安堵感が凄くて…感動は二の次って感じでした(笑) 1話の段階からひやひやしながら見てたので、それが先に落ち着いた。あとは良くも悪くも、最終話は答え合わせ感が拭えなかったかなぁと。ここに至るまで、自分でも考えたし、考察してる人のツイートも拝見しましたし、それで何となく事実が繋がっていた部分もあったと思うので。それで最終話を迎えて、本能よりも思考で反応していた部分が感動を少しだけど妨げてたかなとは思う。その思考を全部跳ね除けるくらいの予想できない感動展開だったらまた違ったのだけれど…これは難しいとこ。それにこれに関しては自分の見方なとこが結構影響してるとは思うので…自己責任っす。こんな感じで、この作品は結構満足してます。キャラデザ可愛くて好きな類だし、中身も魅力的でした。姫ちゃんのたまーに大人っぽいとこが感じられるのがよかった。一人娘の”お父さんの為に”感がお父さんの見えてないとこで出てるのが好きでした。あとは、ラディナさんの「どうしたクールジャパン」という台詞が頭から離れません(まじ爆笑だった)。


3.球詠

 最終話まで走り切った作品とそれを追いかけた視聴者全員に拍手を送りたい作品。ほんとに。予告PVから「おい大丈夫か…大丈夫なのか…」って感じで心配だったけど、結果大丈夫だった。いやまぁ大丈夫じゃない部分も多いのだけれど(笑) 何だろ、もう最終話まで続きを見たい!とこちらに思わせた時点でこの作品側の勝ちというか、心配されるような作品ではなかった。勿論、僕も絵的な限界を1話から感じていて、特に3DCGに関しては正直最後の最後まで無理でした、あれだけは慣れなかったです。無機質感から滲み出る違和感がえぐくて…申し訳ないけど画面に現れる度に興ざめしてしまう。リアルな人間に寄せた動きを魅せたいはずなのに、逆効果というか。ただそんな感じはあったけど、他は自分でも怖いくらいに気付いたら慣れてしまっていて…ホントにね人間の環境適応力の高さにビビる。"習慣"って凄いのよ。偉大。
 それで慣れてくると、序盤より自然と話に集中できるようになって、しかも話が終盤になるにつれヒートアップ!ずっと右肩上がりだった、まじで。個人、チーム、作品の成長に面白さがちゃんと伴っていたのが良くって、そうすると納得感も得られるし。一番好きで気に入って見てたのは”ちゃんと野球がチームスポーツで、彼女達がそれを体現してくれていた"っていうのを感じ取れたこと。野球を詳しく知らなくても、共感できるようになってた。練習でも試合でも。足りないとこを補完し合う感じ、得意なとこを伸ばしてあげる感じ、常に相互理解に努める姿勢、結果を出す為には一人ではなく、全員で。っていうあたり。チーム全員の意識が外側にちゃんと向いてた。内側になりかけたら、誰かがちゃんと気づいて引っ張り出してくれる。カップリングがほぼ完成されてたのも大きいかなと思う。そうやって、全員が最後の最後まで同じ方向を向いて、好きで野球をやっていて、これだけ揃うべきが揃ってて、感動ドラマができない方がおかしいわな。梁幽館との試合、めちゃくちゃ熱かったです。それ故に勿体無い!と感じてしまう部分がやっぱりあるのだけれど、見て良かったのは思えたので。大好きな麻枝さんの音楽も聴けたし(音楽担当ビジュアルアーツさんじゃなかったら最後まで見てなかったと思う)。キャラは白菊ちゃんが好きでした。あの純粋さ、やる気目一杯なのが可愛い。それに応えるかのように培った力が発揮されて喜ぶ姿までセットで。8話ナイスホームランでした!


4.LISTENERS(リスナーズ)

 強み、魅力が最後までよくわからなかった、少なくとも自分は感じ取れなかった作品。色々詰め込んだけど、全然煮詰まってないというか笑 1話が一番感情昂ったかなぁ…。満足感も期待したとこもあったもの。だけど、どんどん明後日の方向へ行ってしまった…。何となくぼやーっとはわかるんよ、2人の旅の目的自体だけは明確だったし。ただ、その旅もなんだか、旅をしているというより旅をさせられてる感を感じてしまって。エコヲとミュウ2人だけで決めた、2人だけの経験の重みを持たせてほしかった。確かにあったけど軽くって…登場キャラが多い分(それ自体は悪いわけではない)分散されてしまってたのも否めない。ニルとかに結構持ってかれてたと思う(実質主人公)。もう一つが第7話が顕著だったんだけど、キャラの扱い方が僕の一番好きじゃないパターンで合わなかったのが残念。最終的に謎に戻ってきたけどね、リッチーとライド。どちらにせよ、ニルの物語の為の2人になってて、2人の人生を雑というか、軽く扱ったせいで作品への信用を失ったのは事実。でもまぁここは気にしない人もいると思うけど。
 色々気になるとこはあったけど、着地点を見てみたかった気持ちは少なからずあったし、第10話から最終話までは盛り上がってたと思う。エコヲが何でああいう人物像なのかも掴めたし、そこは納得(ただごめん、好きなタイプではない)。キャラデザを初め絵面が個性的だっただけに、感動的なシーンは映像でもっと魅せてくれたら感情がついてきたのかなぁ…という感じです。説明台詞(だと感じた)が過多なとこが時々見受けられた。最後はモヤモヤをニルの笑顔が吹き飛ばしてくれて、救われました。


5.神之塔 -Tower of God-

 思ってたよりは楽しめたし、キャラが紡ぐ物語を追っかけてる感覚があった作品。設定や内容に惹きつけられた点は多くはない、というより基本情報が後出しなので、徐々に塔への、作品への興味が上がっていった感じだった。メインで走ってるストーリーは一本道だし、作中の本人たちも手探り状態で何とか登ろうとしているので、どうにもこうにも懸けるしかなくて。それで、中盤以降仲間が増えるにつれて、その分視点も増えたし、関係から生じる問題や衝突まで起きるようになってったのはよかった。安定っちゃ安定の展開だけども。序盤にあった危機感、気勢、熱意みたいなものは慣れ合い感で一時は薄れたものの、ホーの死だったり、塔の管理側の思惑だったり、ザハードの件だったり、それらのお陰で後半は取り戻していったのもよかった。緩んだけどちゃんと引き締まって、それがアナクの変化とかから特に感じ取れたし。情報開示の仕方も淡々としてる感じじゃなく、理解してる人物は理解してて、興味を誘い委ねるような、そそられるようなやり口だったのも評価できる。「それで"本当に"いいの?」「今は"まだ"~だけど」とかみたいな。
 どれも抜きんでた面白さまでに直結しなかった感触はあるけども、それを支えていたキャラデザ、劇伴が一番好きでした。キャラデザに関しては、流行の最先端をゆく韓国らしさをどことなく感じる色使いが新鮮な印象を受けた(武器の名前にも色が入ってたわね)。同系色を使った配色で、彩度、トーンのコントラストのつけ方が普通じゃあんまりしない感じ(個人の印象です)。暖色と寒色とかキャラによってハッキリさせるとこはハッキリしてたし、キャラの特性が色の効果を活かしたもの、表れてたものになってた気がする。造形もシンプルだけどちょっとアクセントある感じでよかった。あれだけ人数いるとね、中身でパッとした印象与えるより、初手外見でそういうのを分かり易くしてくれた方が助かる。全員魅力的に映っていたかは別として。劇伴はね、もうKevinさんの音楽凄すぎ!序盤とかずっとニヤニヤしてました。聴いてるだけで楽しかったもん。こんな曲もできるんか!やべーな。って感じで。壮大で不穏な雰囲気、緊張感を煽る楽曲、どれも本当に素晴らしかったです。序盤は凄すぎて1人歩きしてた印象だったけど、アクションシーンが追い付いた4話とかは本当にカッコよかった。物語の続きは…アニメでやるなら見たいかな。ぐらいです笑


6.BNA(ビー・エヌ・エー)

 盛り上げどこをわかってる、お互いに理解してるからこそ、スイッチが入ってからはもう止まらなかった作品。なんだけど!正直!欲を言えばもうひと伸びして欲しかった!いやぁ、満足はしてるんだけども。何だろ、歴代のと比べちゃいけないのはわかってても、どうしても意識がそっちへいくというか笑 不満はほとんどないけれど、高い高いハードルは超えてこなかった感じ。作品全体の比重的に "考えてから感じる部分" が "感じてから考える部分" より多かったのが原因かなぁ。やっぱし後者の方が本能にちゃんと呼びかけてくる、直感的に良い悪いの判断が下される、っていうのは大きいと思うので。頭より先に肌や心で感じるからこそ、考えられる部分もあるじゃないですか。没入感とか共感とかがその代表例ですけど。そういうのがもっと欲しかったかなぁ、もっとのめり込んで熱くなりたかったなぁというのが本音です笑

 流れとして初回でまずまずの掴み、そんで5話での野球回よ。モチベーションスイッチ的にね、ガッと熱が入って引き込まれたのはこの話数だった。と同時に振り返ってみるとあそこが個人的にピーク、ベスト回だったなと。つまりはそういうことです(伝われ)。こちらが欲しかったラインを越えて面白くなったっちゃ、なったんだけど安定のまま落ち着くところに落ち着いた。それでも盛り上がる魅せ場はちゃんとね、最終回決めてくれたので気持ち良かったです。無事スッキリ。
 アランが実は獣人だったことも、士郎がみちるの表情を見てトドメを刺すのを止めたことも、力を伏せたマイルドな仕上げで個人的には◎ 受け取れるテーマとして "共存" ではなく、"共生" の色を強めてくれたと思う。アランにもちゃんと感情移入できたもの。彼、みちると出逢う前の士郎に似てる部分があったんじゃないかな。自分は周りとは違う存在だからこそ、"自分が"社会を守らなきゃ。っていう考えの部分で(やり方は2人ともアレだったけどもw)。だからこそ、みちると出会って心の面で成長し、ニルヴァジールシンドロームも経験した士郎は自分の"無意識下"で、我慢し抑えていた自分を、目の前のニルヴァジールシンドローム発症寸前のアランに投影して彼を救うのと同時に自分自身をも救うことができたんだと思う。ユング心理学の「シャドウ」に近い。自分の中の「シャドウ」と向き合って受け入れる(ある種の責任感みたいなものから解放される)ことが大事だった、他人や社会を守るよりも前に。そんでその先にしか "共生" ってものは生まれないと思うから。最後、士郎の表情も声も柔らかくなって、口から出る言葉も温かくなったのが本当に印象的でよかったです。
 それと、士郎を変えてくれたみちるのブレなさが好きでした。なずなとのカップリングもよかったけど、僕は ”みちる×士郎” 派。後先考えず突っ込んでみるからこそ、そこに自分に対しても他人に対しても嘘とか裏とかはなかなく、いつも正直に真っ直ぐで。正義感がちゃんと120%意味を持つ。5話の熱さで完全に掴まれたし、最終話で士郎さんを想い、涙を浮かべる姿もよかった。血統に貧富の差、人間だの獣人だの、あらゆる壁が消えた瞬間だった。みちるみたいな子、現実だったら確かに苦手だし、どちらかというと突き放される対象になりやすいタイプではあるんだけども、辛い現実世界と違って、作品世界は基本幸せ~な世界だと思ってる(絶対にそうあって欲しい)のでこれでいいんです。みちるが何かしでかしちゃったとしても、助けてくれる人が絶対にいてくれるんよ。それが士郎やなずなだった、ゆるふわジャッキー君も何だかんだそうね。みちるを筆頭にキャラは本当に見た目だけでなく、中身も魅力的だった。物語を可愛く、おかしく、カッコよく彩ってくれてたと思います。


7.グレイプニル

 面白くなりそうでならなかった、乗れそうで乗れなかった作品。いや、序盤はよかったんですよ。期待値低かったっていうのもあるかもだけど、2話とかものすんごいアクション魅せてくれたし。おお!意外とやってくれるのでは!と思ってたら…うん、5話あたりから。チームとかゲームとかそういう話が出てきた辺りから。まず新しく増えたキャラに魅力をほとんど感じれなかった(エレナはあったが)、それと恐怖や不安を共有できてしまうので緊迫感が薄れるのは仕方ないとしてもアクションどうにかならなかったのかと…アクション中もその結果も。2話の興奮は何処へ…。振り返ってみると、あの話は極論修一の心境の変化の為の物語に過ぎなかったのかなぁとも思ってしまって。描きたいスケールの大きさに修一を追いつかせるためというか。印象が良くなかったから、そういう考えをしがちな自分に非があるとも思うけど、やっぱりそういう方向に考えさせてしまう時点であんまし良くなかったのかなと思う。アクション中にまで露骨なエロ描写は申し訳ないが求めていないし、正直飽きが来ていたのもある。常に何か小さくてもいいから新しい一面を。っていう意識が中盤はなかった。情報は確かに増えてはいるけれど、情報に過ぎなくて。それを活かしきれてないというか。キャラにしろ状況にしろ変化していく中で、新しい情報を同時並行で魅せていくのは難しいかもだけど、それができてるなと感じれたら印象は変わったかもしれないです。
 逆に12話、最終話は情報の活かし方、魅せ方は結構よかったと思ってて、情報が与えられたタイミングの前と後で明らかに雰囲気、観念、核心周りが違うものになったので。ただやっぱ本当に面白くなるのはこの先なんだろうなぁ(わからんけど)と思わされてしまった。今期だと『神之塔』もそうね…。こればっかりは商業的にもこれが一つの正解というか、気持ちはわかるから文句言いづらいとこではある笑 でも、そういう中で個人的には修一が最初のうじうじしたタイプ(嫌いだった)からもう完全に変わったなとこれでようやく今迄発したきた、これから発する言葉が信用に値するものになって、信頼できる男に生まれ変わったなと映ったのでよかったです。
 気になるところはこんな感じであったけども、常に一定以上の満足感をくれたのは劇伴のお蔭です。元々、この作品を視聴する決め手になったのは劇伴担当が佐高さんだったから。めちゃくちゃ好きなんです。ご本人さんもツイートしてたけど、割と好きなようにやっていたみたい笑 それもあって余計によかった。

音使いがもうバリバリ佐高さんらしいもので、不穏でホラーチックなものから、激しく熱くなれるものまで曲調の幅も本当に広くて楽しめました。2話と9話のアクション中のが特によかった。音楽単体でつよつよだった。これからも色んな作品で劇伴担当して欲しいお方。


8.乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった・・・

 気づいたら見てるの楽しくなってた作品。カタリナの魅力が詰まってたのが一番デカくて、彼女にしかできない物語を作っていってくれたのが一番満足してるポイント。何としてでも破滅フラグ回避を!っていうのが頭の中にあって一応事前に策は練る。けど、いざ目の前に問題があるとめちゃくちゃ良い人なのでひたすらに対処していく、本人にとっては当然のことをしたまで。好きなゲームの好きなキャラだもんな、幸せになって欲しいと願うし、それを叶えられる立場にいるならそうするしかないでしょう。身体が勝手に動くと思う。そんなこんなで悪役令嬢とは思えない行動ばかりが新しい変化を起こしていき、ゲームにはない新しい√をどんどん開拓していく。けれどやっぱり本人は全く気づいてない。この流れが、彼女の優しさに付随する鈍感で天然な様子とぴったしハマってたと思う。ここを少しでも外してしまった時点でこの作品は終わりだと思ってたので(少なくともこの1クールは)。
 『破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!』これを一番初めの段階で彼女自身が目的に据えている以上、作品の途中で「あれ?ワタシもしかしてもう回避できてる?」なんてことは絶対にありえない。気づかせちゃダメで。ただそれを無理やろうとすると今度はキャラが動かされてる感が出るのでダメで。この辺の描写が難しかったと思うのだけれど、先述した通り、彼女の人となりを幼少期から早々に確立させ、自然とカタリナならこうするよなと思わせてくれたのは素晴らしい功績。ボロも出さず、ブレずに最後まで描ききってくれたのが本当によかった。蛇のおもちゃ作って、がっつり農作業の服装で畑耕して、ほぼ形だけのような脳内会議して、お菓子沢山食べて、カタリナ・クラエスという人物を構成する要素全部が統一感を持って働いていたと思うし、人たらしな天然っぷりを魅力的に映し出していた。最終回まで本当に美味しそうに、幸せそうに食べる彼女を見ているだけでも癒しでした。
 周りを常に把握してとか、変化を伺ってとかそんな高度なことはカタリナ自身はできると思ってなくて、目の前のことだけで精一杯。だけどその精一杯が彼女が想っている以上に凄いことで、十分に応えた人、そばにいたいと思った人が彼女の分まで周りを見てくれる。そういう全員の関係性も素敵でした。これでいいんだって。やっぱ一生懸命な人を見守って応援したくなる。ただ1つ欲というか、懸念点を言うならば、事前のハードルがそこまで高くはなかったので、物凄いものを期待していなかったっていうのはある。内容的にこの類の作品が出力できる域は出ないだろうなと途中で思ってしまってたとこは無くはない。なので、2期(おめでとうございます)で内容がもう一段階上がったらいいなって思う。楽しみにしてます。


9.イエスタデイをうたって

 正直、途中から完全に蚊帳の外。まじで誰一人好きになれんくて、どう見たらいいかわからなくなってしまった作品。誰にも興味を持てないから、作品へのモチベも低いままだし…。本当にこういう系(リアル路線という類でも)苦手というか、相性悪いわ。誰一人として感情移入できない→心の底から楽しめない。いつものパターン。加えて、個人の後に関係性を好きになることが多いのでキツいとこもちらほら。それで視聴スタンスとしては "誰と関係を持ってくれてもいいから、早く前に進んでくれ!" 勿論、全員もれなく。その一心で見てた。大きくはそうならない作品だと頭のどこかでわかってはいても、それ以外に想うとこがないんだから仕方ない…。
 結果、4人はやっぱり気を遣って、顔色伺って、どこまでが良くてどこからがおせっかいで、視えているのか視えていないのか、伝わってるのか伝わってないのか、進んだと思ったら実は戻ってて、そこに到達して初めて気づいて。遠回りか近道なんかなんて、実際に歩いてみて、そこに行ってみないとわからないじゃないかと。ずーーっと悩んでたわね。まじでもどかしいったらありゃしない笑 でもそうやってゆっくりじっくり当時、実際に流れる時間と心情に倣うように、お互い納得のいく答えが出るまでの道のりを丁寧に描いていくとこにハマる人はハマるんだろうなって。自分がちゃんと順応して楽しめてた自信はないのだけれど、それでもその描き方に一瞬でも心を奪われたり、応援したくなったり、安堵したりしただけでも見た甲斐は少なからずあったのかな。最終話に限ってあっさりで腑に落ちなかったけれど…。わからんけど自分の理解が彼、彼女らの価値観に追い付いてないので、雰囲気と流れに呑まれてもしゃーなし。その雰囲気を構成するのに一役買っていた劇伴と環境音が一番好きな作品でした。


10.かぐや様は告らせたい?〜天才たちの恋愛頭脳戦〜

 今期一番高い水準で安定してた作品。正直、こういう作品が一番コメントしづらい笑 1期よりも演出凝ってるし、深堀もされてるし、話も進んでる。そして何より圧倒的に面白い。感想ツイート振り返ってみた時に、どういうシーンがあってどこがよかったか、ちゃんと脳内再生できるくらいには憶えてる。そのくらい強烈なインパクトを持ち合わせながら、毎週視聴者を飽きさせることなく物語を展開してきたの本当に凄いと思う。1話の中で、2つか3つエピソードをやってくれるけど、単発じゃないのが多かったのも個人的にはいいなと思って。先週のエピソード内容を活かしたエピソードもいくつかあったし、最終回なんてほんと集大成だった。自然と1クール振り返りながら最後を迎えられるのってなんか贅沢じゃないですか。やろうと思えばできそうだけど意外とできないし。
 今思うと、自然な流れが究極じみてたから面白かった要因の一つかなと思う。違和感(変わったなという確かな認識)を感じさせない。普通、変化を起こそうとすると少なからず(良くも悪くも)違和感みたいなものを覚えるはずなのにほっとんどなかった。完全に作品に身を任せられてる状態とでもいうのかわかんないけど。どちらがいいとか悪いって話ではなく、変化し続けるキャラがいるときに、結果としてその変化に何となく気づいてはいるんだけど、それがそうなってるのは当たり前というか。最終話での早坂のセルフツッコミ「ってなりますよ。いや、ならないんですけどぉ!」が正にそれだと思うんです。なんかわからないけど、知らぬ間に変化を(さも元からそうであったかのように)吸収してる自分がいる感覚。見てるこちら側もそうだけど、作品内のキャラ本人達がそれを一番感じてそう。やっぱキャラのイメージがきちんとできている、定着してるからこそだと思う。2期というアドバンテージみたいなものがあるとはいえ、ね。11話の石上君の話も今までの石上君を見てきたから違和感なしに受け入れられるのであって。まぁ、若干アレは演出が一方的だなと思う部分あったけども(そこまでしなくても今迄の彼をちゃんと見てたら勝手に肩入れしたくなるよ。っていうのは感じた)。あとは、ホントに言うことないかなぁ、まじで1期よりマシマシで面白かったです。3期もありそうなんで、楽しみにしてます。


11.波よ聞いてくれ

 主人公がこれほどまでに周りのキャラを巻き込んで、物語を生み出してくれる、作品全体の牽引力の要になってるなと久々に感じることができた作品。鼓田ミナレとかいう女まじでナニモンだよ…笑 今振り返ってみても、第一印象とほぼほぼ変わらん、個性の塊みたいな女だったなと。そんな彼女をどんどん深く知ることができて(それでもまだ半分以上の魅力を残してそう)、本当に楽しかった。僕はキャラが物語を生んでる、キャラ同士のコミュニケーションで物語が生まれてきてるなと感じることができる作品が好きなので、相性ぴったりでした。しかも主人公がそれに一番該当してるし、どんどん深堀がなされる。自分の頭の中で、ミナレはこういう人なんだろうなぁ、だったらこういう行動取りそうだよなぁ、あ~やっぱり、まじ⁈そうくるんか!みたいな感じで彼女の発する言葉一つ一つ、一挙手一投足の虜になってました。予想通りの時も、良い意味で裏切ってくるとき(もはやサプライズ)も彼女のことを知れたことに変わりはないので、回を重ねるごとに飽きるどころか、楽しさは増すばかりでした。先が読みづらいのがいいんよ。キャラが物語を生んでる証拠の1つでもある。と同時に、ラジオパーソナリティとしての彼女、何故麻藤さんが彼女をスカウトしたのかが納得いくような流れになっててよかった。
 実際に生まれる物語もちゃんと面白くって、その面白さが彼女の身近な範囲で収まってるのがなんか凄かった。カレー屋とMRSと自宅アパートぐらい、メインは。そういう舞台は狭いはずなのに、なんかどんどん広がっていってる錯覚を覚えるのマジで不思議。彼女がこの作品世界の中心であり、推進力として機能しているとしか思えない。彼女が何かぶつかる度に、葛藤する度に、救われる度に、そういうタイミングと流れがそのまま物語の流れになってるというか。そして、そんな彼女の周りにいるキャラも魅力的だった。主人公が強すぎるので、ある程度張り合えるようなキャラにしないといけないと思うけど、会話からその度合いの自然さが伺えた。会話に違和感がない、彼女みたいな人の周りに集まるのはこういう人な気がしてしまうくらい。瑞穂ちゃんや中原君とか特に。お父さんもミナレのお父さん感半端なかったな笑
 会話の話題が出たから、ついでに。会話劇は言葉の量に序盤圧倒されるとこもあったけど、気づいたら癖になってた。というか台詞そのもののセンスが尋常じゃない(前2クールの『無限の住人-IMMORTAL-』で凄い感じてた)ので嫌でも引き付ける力は強い。そんで、何気ない会話にも細かく伏線を散りばめていく、徐々に回収していくっていう、加速感や構成力の高さも見事でした。シセルとミナレパパの話とか続き知りたいわね…。
 ほんといい所ばっかりで気になるマイナスポイントはないかなぁ。茅代まどかさんをもっと見たかったぐらいっす(無茶言うな)。いいお姉さんでした。大原さやかさんの声も好きなんよ。あとEDは今期ぶっちぎりで好きで...EDへの入り方、余韻に浸れるのが最高だった。フル尺もよくって…いいアーティストに出逢えました、感謝です。


12.継つぐもも

 元々好きで、さらに好きになってしまった作品。毎週モチベーションが一番高かったのも間違いなくこれ。何が好きって、桐葉さんとかずやの関係性がめちゃくちゃ好きなんです。かずやが桐葉さんを守る!っていうのをずっと守ってくれてるのは桐葉さん。いい表現が見つからないんだけど、お互いに守り合うだとちょっとニュアンス違くて…構造的には"横並び" っていうより、"前後ろ"。関係性の外側(前)を守ってるのはかずやで、内側(後ろ)を守ってるのは桐葉さんみたいな。関係性の起点になったものがいい意味でズレてる(からこそ成り立ってる)カップリング。こういう関係性のカップリングは大体好きで…パッと思いつくのをあげると「ベル×ヘスティア(ダンまち)」、「尚文×ラフタリア(盾の勇者の成り上がり)」等々です。これで何となく共通するものが伝わるかな。どれも大好きなんです。
 話が逸れかけたので戻して…つぐもも2期では、この2人の関係性の魅力を更に引き出してくれたのが本当に嬉しかった。7話とかが顕著で、10話でトドメを刺されました。まじ尊死案件。

 こんなあからさまに照れる桐葉さん、1期ではほぼ無かったと記憶してる(忘れてたらごめん)のでまじでよかった。かずやも桐葉さんも成長して徐々にちゃんと言葉にして伝えるようになったし、以前よりも自分達のことだけでなく周りのことも考えて動けるようになった。それ故に抱えるものも多くなっていったんだけど。迷い家との全面戦争は本当に手に汗握るものでした…。
 アクションシーン、1期で結構満足してたのにパワーアップしてたの凄かった。9話は本当に今期全体で見てもベスト回っす。

 めちゃくちゃ動くのは勿論のこと、その流れのカメラワークとフィニッシュの際の決め(技名言うとこ)がまじでカッコよかった。静と動のメリハリが効いてて本当にいい。劇伴もしっかり連動してて…かずやが真名で呼んだ瞬間とかも。瞳の色と意味が変わる瞬間が何度もあって鳥肌もんでした。
 しかも、この回Cパでお色気シーンいつも通りやってくれたのマジで抜かりねえなって。恐ろしや笑 アクションで火照った身体の熱をを洗い流してくれるようだったわ。これこそ『つぐもも』というか、これがガチ両刀使いの作品かと。こんなん好きになっちゃう。『つぐもも』のお色気シーンはエロいだけじゃなくて可愛いので好きなんです(これ超大事)。
 それで色々あって最終話よ…まさかあんな結末が待ってるとはこれっぽっちも思わなかった。キャラが大好きなだけにめちゃくちゃ辛くて悲しくて大号泣…。精神的ダメージがもう…でもこの悲しさを引きずらないで、同じ回の中でかずやが新たな決断をして表情を変えて魅せたのが本当にありがたいし、惚れた。お父さんへの返事も”うん”じゃなく、”はい”だったのに決意の強さが表れてる気がして。自分もなんか一種のロス状態から落ち着いてきたときに、『つぐもも』という作品が秘めてる可能性はまだこんなもんじゃないんだと、前向きに思えたのでやっぱ好きだし、楽しみにもなりました。いや、まだ悲しいことには変わりないんだけどね。何年後になるかわからないけれど、3期見たいなぁと思う次第です。円盤買いたい…原作も手出したいけど、アニメの続きの可能性が完全になくなってからかなぁ。とにもかくにも最高のエロと可愛いと笑いとアクションをありがとうございました。1期同様、大好きな作品の1つです。3期まじでいつまでも待ってます。




 ーーー以上、12タイトル分の総括感想でした!
 初めての試みでしたが、意外とできたわね。自分でいうのもなんだけど、勢いづけば書けてしまう。逆に、勢いやノリがついてこない作品は手が何度も止まって書きづらかったな…(ごめんよ)。今迄1クール分、インプットしてきた分を素直にアウトプットするだけ。表現部分だったり、作品への注目部分だったり、自分が精進しないといけないところは勿論まだまだあるとは思うけれど、そこは趣味の範囲で。ガチになりすぎてアニメを純粋に楽しめなくなったら、文章を書きたくなくなったら、その時点で自分の中では趣味は趣味ではなくなってしまうと思うので。そういう意味では自分が積み重ね、磨いてきた感性や本能、直感的な部分に自信と誇りを持ってこれからもこの趣味を追求していけたらなと思ってます。それと、アニメ感想クラスタの皆さんの感想もいつも刺激、参考になっています。この場を借りて感謝申し上げます。色んな感性、考えの方がいて、その人らしさが出てる感想は本当にどれも好きです。

 2020春アニメ、コ〇ナの影響で放送前も放送中も色々ありましたけど、最後まで制作しきってくれた、放送しきってくれた作品が何とか春アニメ全体を盛り上げてくれてたなぁと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。もうほぼ生活の一部なので、それが途切れず続いてる状態になっているだけでありがとうというお気持ち。勿論一時的なショックはあったけど、モチベーションが下がり切らず何だかんだいつもぐらいの満足感はあったもの。延期してしまった作品も無事に夏クールでの放送が決まったので、嬉しいです。まじで楽しみ。

 ってことで、”2020春アニメ総括感想” でした!全部でも一部だけでも、読んでくださった方ありがとうございます。もし何か総括記事に関して質問やリクエスト等ありましたら、何でも受け付けてます(今後の参考にさせていただきます)。

ではまた!




放送中の感想をまとめたものは下記ツイートのモーメントから。
興味ある方は是非。


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