「そこに立ってなさい!!」
引き続き、幼少期の頃の出来事ですが…この「幼少期」って言葉が、何かザワザワと恐怖や不快感を感じてしまうのですが、小さな子供の頃という言葉に置きかえてもいいのかもしれません。うーーん…考えながら今後、書いていこうと思います。
おそらく0〜6才位までは、母、父、姉、私の4人で布団をひいて横並びで寝ていました。
壁が小さな物置きになっている場所があり、襖の引き戸になっておりました。
そこの襖の紙が一部破けて、穴は開いていないけれど大きなささくれのように紙が浮いていた。
ずっとそこが気になっていて、おそらく3〜5才だったと思うのですが、ある日、その浮いた紙を引っ張ってみました。ビリビリ…と横に破けていきましたが、穴は開きませんでした。
それを見た父が「何をやってるんだ!!だめでしょ!!○▲■★●✕!!✕✕✕✕✕!!」
言葉は覚えてないけど、凄く怒っていた。
寝起きから怒鳴られてびっくりドキドキしていたら、
父が「そこに立ってなさい!!!」と怒鳴った。
もともと紙は破けていたよ…と言いたい言葉を飲み込んで(もともと破けていたとしても更に破いたことが父は許せなかったのかもしれない)私は布団から出て部屋の隅に立ちました。
怒られた事が悲しくて、怖くて、ドキドキして、立たされていることが恥ずかしくて、立ちながら寝たフリをしました。目をうっすら閉じて、少しヨロッ..ヨロッと、コックリコックリする様を演じました。
それを見た父が笑って、母に見るように言って、父と母が私を見て笑っていた。
私はその笑い声で少しホッとした、と同時に父と母、と私の間にある壁を感じました。
寂しさのような悲しさ。
襖を破いた事を反省してないのか?少しは悪かった思っている。しかし破いたのはおそらく5cm未満だったと思う。紙の上の薄皮を破いた感じ。
そもそも紙を絶対に破いてはいけない、という認識すらなかったと思う。
大人達が破れっぱなしの襖を今後どう処理するか、幼児の私には考えられなかった。うまく破いてササクレを取るのみ、にするのか、糊でササクレを貼り付けるのか?上から紙を貼るのか?いっそ襖を全て新しいものにするのか? むしろ放置だった気さえする。
破れた襖の紙について、考える頭はまだ持っていなかった。
私が大人に向かって成長していく時になって感じていたこと、私がやった事に対しての叱責のバランスがおかしくないだろうか。
そこは破いちゃいけないよ。と理由と共に教えてくれたら私は破かなかったと思う。