「新時代の観光」消費する観光地から共創する故郷へ
こんにちは。今回、Local DAOの候補地として手を挙げた天龍峡という地域についてと、そこで活動する私たちが天龍峡に懸ける想いを知っていただければと思います。
私たち天龍峡チームは、天龍峡に様々な形で関わっている5名で構成されており、地域活性化活動に日々、共に取り組んでいます。本気で関わっている5人がそれぞれの役割を認め合い、最大限の力を発揮することを大切に考えているため、チームとして参加することを決めました。そして、観光地であるこの地域が抱える問題を解決するべく、各々の立場で覚悟をもって参加しています。
さっそくですが、「天龍峡」という名前は名勝地を指すものであり、厳密な区域が指定されている訳ではありません。地域の人々も天龍峡と聞いて思い浮かべるエリアがそれぞれ異なっています。
天龍峡はかつて観光地として多くの観光客が訪れ、賑わいをみせていました。しかし、その様子は時代とともに陰りを見せ、現在では輝きを失いつつあります。新たな関係人口と天龍峡における観光の在り方を模索するべく、Local DAOの候補地へ手をあげさせていただきました。
名勝天龍峡に残る自然と伝統
天龍峡は、長野県の南部に位置する飯田市のさらなる最南端の観光地です。東に南アルプス、西に中央アルプスがそびえ、南北に天竜川が貫く日本一の谷地形が広がり、豊かな自然と優れた景観、四季の変化に富み、動植物の南北限という気候風土に恵まれています。
古くは東山道、近世以降は三州街道、遠州街道などの陸運や天竜川の水運にも恵まれ、東西あるいは南北交通の要衝として繁栄し、経済的にも独自の発展を遂げました。
天龍峡の特徴は何といっても天竜川の流れとその両側にそびえ立つ巨岩奇岩や植物による峡谷美です。息をのむような自然の美しさと迫力満点の渓谷景観が望める天龍峡は、数多くの人々を魅了する場所として知られています。遊歩道では四季折々の多彩な草木花を鑑賞することができます。また天竜川では、渓谷を舟でゆっくり下りながら、五感を刺激する舟旅びを楽しむことができます。
さらに歴史ある伝統文化が今も受け継がれています。その中の一つである今田人形は、300年以上前から続く三人遣いの人形浄瑠璃です。地元の中学校でのクラブ活動や地域の保存会にて、現在でも練習や上演会が行われています。また1928年に発表された龍峡小唄の伝承により、生歌・生演奏の龍峡小唄に合わせて盆踊りを行う「天龍峡をどり」も現在まで続いており、神楽や人形浄瑠璃などの民族文化が今もなお、暮らしの中に息づいています。
観光地としてのジレンマ
天下の名勝と謳われ、多くの観光客が訪れていた天龍峡。約100年前、天竜峡駅周辺は豊かな桑畑が広がっていました。当時この地に暮らしていた人々は、この天龍峡を日本の最たる観光地にしようと開発に取り組んできました。懐かしくも温かい今の街並みは当時の先駆者たちの尽力によってつくられたものです。観光がなければ、現在の天龍峡での暮らしは存在していません。
一方で、観光地としての天龍峡は過渡期を迎えています。かつて年間70万人を迎えた観光客は今や20万人まで減少しました。高速道路や鉄道の延線など交通網の発達、ツアー旅行から個人旅行への移行など、観光を取り巻く環境の変化は凄まじいスピードで私たちを置き去りにしていったのです。
最盛期は賑わいを見せたグランドホテルも廃業・解体され、お土産屋や飲食店もその多くが廃れていきました。それでも今も尚、踏ん張ってお店を続けている方々もいらっしゃいますが、今の観光の在り方に限界を感じているのは事実です。観光のためにお土産を準備し、来るかもわからないお客さんを待ち続けなければなりません。来たとしても短期滞在が中心となり、一度来たら二度と来ることがない人も多いです。私たちの生活は観光によって支えられてきましたが、今となってはそれ自体が生活を疲弊させるものになってしまっているのです。
天龍峡はこのジレンマを乗り越え、日常や暮らしを守りながら、新たな観光地としての在り方を模索しなければなりません。
ただいま、おかえりと言える「新しい故郷」
私たちは皆さんに「新しい故郷」をつくることを提案します。
通常、故郷は生まれ育った場所を意味します。その場所での生活が偶然に始まり、そこで長い時間を過ごすうちに、その地へのつながりを感じるようになり、アイデンティティが形成されます。同じ出身地の人との出会いが親近感を生むのは、共有するアイデンティティによるものです。
しかし、現代では人々が自らの意志で新しい故郷を選ぶことが可能です。この「新しい故郷」は、自らの理想を追求し、同じ価値観を持つ人々が集う場所です。私たちを含む天龍峡で活動する人々全員がそこを生まれ故郷としているわけではありません。天龍峡の魅力や、活動する人々に引かれ、自ら選んで日々を過ごしています。そして、魅力を感じた新たな人々が天龍峡を「新しい故郷」として選び、この循環が天龍峡を価値ある場所にしています。天龍峡は、初めて訪れても、どこか懐かしく感じるような温かさがあります。ここは私たちの新しい故郷であり、「ただいま、おかえり」と言えるような天龍峡をデジタル住民の皆さんと共に作っていきたいのです。
誰もが故郷を感じる観光地へ
私たちが描く天龍峡の未来は、日本の観光地が直面するジレンマを乗り越える解決策となるかもしれません。
「消費される観光地ではなく、故郷として育む観光地へ。」
「観光客が訪れるほど、地域の生活や自然が豊かになる。」
天龍峡がこの土地で生活する人、訪れる人、関わるすべての人々にとっての新しい故郷となり、彼らの人生を豊かにすることで、他のどこよりも豊かな観光地に育て上げていきたい。新しい故郷を育むことで、新しい観光の在り方を世界に示していきます。100年前の先人たちが築き上げた観光を否定することなく、時代の変化に応じて進化させることで、100年先も観光地としての天龍峡が多様な人々を巻き込み、豊かにしていく。そんな未来を見てみたいです。
しかし、私たちだけではその未来には辿り着けないかもしれません。だからこそ、デジタル住民の力が必要です。世界中からの知恵や資源を集結させ、あらゆる観光地が直面するジレンマを一緒に乗り越えていきたいと思います。天龍峡のデジタル住民として、私たちの仲間になり、この地域と観光の未来を共に創り上げましょう。天龍峡でお待ちしています。
天龍峡チームメンバーの紹介
松尾 智美
天龍峡をもっと知ってほしい、もっと盛り上げたいとの想いから、地域活性の活動をしています。具体的にはイベントの運営や天龍峡の名産の開発、天龍峡の案内です。天龍峡は高いポテンシャルをもつ地ですが、それを活かし切れていないのが現状です。今後交通の便がさらに良くなり各地から訪れやすくなったときに、「また来よう」と全員に思ってもらえる場所にすることが目標です。天龍峡の関係者だけでなく、地域住民、移住者、関係人口など様々な繋がりを増やすことこそ、これからの地域が残る術だと考えています。
大平 雄司郎
現在、「都市と地方の架け橋に」を理念に東京と天龍峡のある長野県飯田市の2拠点でWeb事業・地方創生事業に取り組んでいます。このプロジェクトを通じて、地域固有の文化や価値をデジタルアートの形で世界に広めることを目指しています。地方の魅力をデジタル資産という新しい視点から捉え直すことで、地方→都市から世界、過去と未来を繋ぐ架け橋となり、地域の価値を高め、新たな可能性を創造するプロジェクトになることを期待しています。
鵜名山 翔
東京と飯田市の2拠点でWeb事業、地方創生事業に取り組んでいるエンジニアです。もともとブロックチェーン技術・Web3.0の思想に強く惹かれ、いくつかNFTプロジェクトやDAOに参加し新しいコミュニティの在り方を楽しんでいます。Local DAO拠点の一つとして天龍峡の名が各地に届き、地域を超えた共同体という遺産を残したいです。山古志・椎葉村そして将来生まれるであろう拠点においても、それぞれの地域がそれぞれの恩恵を相互に受けられるような循環を作り出す発端になれたらと考えています。
湯澤 英俊
天龍峡の関係人口を増やし、人と人を繋げることでお互いに役割を認め合い、地域活力を盛り上げる取組を官民連携で進めています。今、天龍峡にはいくつものプロジェクトが動いており、人と人の出会いやつながりによって得られる自身の役割や居場所を求めて、能動的に自らの力を発揮したいという学生や若い方が頻繁に訪れるようになっています。こうした皆さんが、ニューノーマル時代における柔軟で多様な「働く」、「暮らす」ことの選択肢を広げていることから、地域資源を活用した起業の動きも起き始めています。天龍峡の動きが、まさに龍のように躍動し続け、天龍峡の素敵な「人」と「大自然」に出会う幸せな皆さんが、これからもっと増えていくことを願っています。
折山 尚美
天龍峡でテンリュウ堂というシェアカフェを経営しながら、地域が自走できる事業の提案や起業のお手伝いをしてます。天龍峡を使い切るをテーマに様々なイベントを企画運営『ねやねや天龍峡』『天龍峡温泉観光協会』『昭和乙女の会』『りゅうのまーけっと』として活動しています。
月一回『まかないカフェOKATTE』を湯澤さんと松尾さんと開催、地域と移住者、関係人口、高校生から子育て中の親子まで参加でき、ワンコインで夕飯おかわり自由で高校生以下無料、好きな時間に来てプレゼンしたりやりたいを実現できる場を提供しています。
<最後に、今後の流れについてご説明させていただきます。>
Local DAOの新たな地域として発表された椎葉村(宮崎県)及び、天龍峡(長野県)は、「確定」ということではなく、あくまで「候補の決定」という位置づけとなっております。以下のnoteに詳細を書いていますので、こちらもあわせてご覧ください。
今後としましては、4月(予定)に「Local DAO新拠点に関する承認の可否(仮名)」を問うNishikigoi NFT全体のコミュニティ投票が行われます。賛成多数で可決された場合には、今回の次なるLocal DAOの新拠点が確定することとなります。コミュニティ投票の詳細は、Nishikigoi NFT公式Discordコミュニティ及び公式Xアカウントにて随時情報が共有されますので、フォロー等をしていただけたら幸いです。
公式リンク
▶Nishikigoi NFT公式ウェブサイト
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