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Innovation for NEW HOPE × 学生による「市民の疑問に答える資材制作プログラム」という企画をご存知でしょうか。 vol.3

Innovation for NEW HOPEをサポートしているのは、アステラス製薬ですが、なぜこのような活動をサポートしているのでしょうか。

その前に現在の日本は、医療の先進国ではないという状況があります。
それは、欧米では既に使用できる最先端の治療薬が、日本では承認されていないために使えない薬があり、かつその数が徐々に増えているからです。

欧米で使用できる薬が、日本では使えない状況を「ドラッグ・ロス」、また日本で使用できるまでに時間がかかることを「ドラッグ・ラグ」と呼びます。

この数年間で医薬品の進歩は飛躍的であり、生物学的製剤が市場に出てきたことで、関節リウマチや乾癬などでは、「寛解」を目指せるようになりました。

その他にも、免疫チェックポイント阻害薬などの分子標的薬なども開発され、医薬品は科学の発展とともに劇的に進化しています。

そして、遺伝子治療や細胞医療といった次世代の治療法も急速に開発が進んでおり、アステラス製薬もこうした分野での新薬開発に取り組んでいます。
新薬開発状況 [2024年8月1日] 

ここまで読んでいただいた方は、もうおわかりの通り…

遺伝子治療や細胞医療などのより画期的な治療法が生み出されても、「ドラッグ・ロス」「ドラッグ・ラグ」が存在する限り、欧米では使える医薬品が、日本国内では使用できない可能性があることから、助けられない命があったり、高額な費用を負担して海外で治療したりということもあるかもしれません。

アステラス製薬が地道な啓発活動を行っているのは、そのような社会にならないために、問題への認識を深め、解決に向けた仲間を増やすためだと理解しています。

特に、Innovation for NEW HOPEに参加した学生たちは、すでに仲間として加わり、難しい最先端の治療や「ドラッグ・ロス」「ドラッグ・ラグ」などの社会的課題を、わかりやすく伝えるための資材を作成しました。

あとは、これらの資材をブラッシュアップさせ、少しずつ輪を広げていくことが期待されます。

アステラス製薬のこの活動は、現在の利益のためではなく、将来の医療を見据えたものです。
5年後、10年後に命を救う治療法が存在しても、日本に住んでいるからこそ選択できないという事態を防ぐ活動なのだと考えています。

そして、この取り組みにはアステラス製薬以外の企業が、これから生み出す治療法も含まれていることに意義があり、社会への貢献として意義深いものだと思います。

ポジショントークのようにも聞こえるかもしれませんが、メディカルライターとして活動する今の立ち位置での考えをざっと書かせていただきました。



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