見出し画像

えにしをおもう

塔和子さんという詩人を知ったのは本当につい最近。

こまごましたことはあえて書かず、
特に好きになった詩を書き留めておく。

~胸の泉に~

かかわらなければ

この愛しさを知るすべはなかった

この親しさは湧かなかった

この大らかな依存の安らいは

得られなかった

この甘い思いや

さびしい思いも知らなかった

人はかかわることから

さまざまな思いを知る

子は親とかかわり

親は子とかかわることによって

恋も友情も

かかわることから始まって

かかわったが故に起こる

幸や不幸を

積み重ねて大きくなり

繰り返すことで磨かれ

そして人は

人の間で思いを削り

思いをふくらませ

生を綴る

ああ何の人がいようとも

かかわらなければ路傍の人

私の胸の泉に

枯れ葉いちまいも

落としてはくれない

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

縁って本当に不思議と思う。

それにいかされながらみんないる。



(冒頭の写真は残念ながら泉ではなく、北海道にある洞爺湖の畔です)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?