マスコミと政治
突然の安倍前首相の辞任宣言から、次の自民党総裁選に向けての準備期間中、何度も背中がゾワっとした。私は声高に政権に何かを叫ぶほど、政治に熱いものは持っていない。選挙にはきちんと行くけれど、それ以外は政治家の不正報道にちっと舌打ちする程度の、市井に生きる普通の一般市民だ。
そんな私だが、今回の総裁選前のマスコミの偏向報道には違和感しかなかった。ちなみに私はTwitterでおなじみの河野太郎氏のファンなので、今回の3候補には特別な思い入れはない。強いていえば、3人の中では異質の石破さんが総理になったら、面白いだろうなあと思った程度。
世間の見方もそうだったようで、総裁選が始まる前までは、世論調査の結果でも石破氏がリードしていたはず。それが、3候補が立候補を表明したあたりで、マスコミが菅氏応援団といった感じのアゲアゲ報道を開始。あれよあれよという間に世論調査では菅氏がトップに躍り出た。
派閥の票の関係で、世論調査の結果など関係なく菅氏の当選は決まっていたのかもしれない。けれども派閥の力関係で選ばれた総裁と、世論調査の結果でトップだった候補との間に乖離が大きければ、騒動になることを誰かが懸念したのだろうか。コロナ禍の最中、すみやかに国民も納得するような形で静かに政権移譲を行おうとするなら、手っ取り早いのは世論操作だ。
何か大きな力がマスコミに働いたような気がしてならない。
ある情報番組では、我々〇〇局が菅氏に偏った報道をしているとの批判もあったので、今回は菅氏のマイナス面も紹介しますとアナウンサーが言いながら紹介したのは、結局は菅氏のアゲアゲ報道。菅氏のマイナス面を取り上げると言いながら、菅氏紹介のためのコーナーだった。
偏向報道の批判を受けたので反省します、というのは詭弁だろう。
官房長官時代の定例記者会見の模様をほぼ毎日テレビで見ていたので、菅氏には単純接触の法則もあり、親しみを自然に覚えていたようだ。なので、菅氏が総理になっても特に不満はない。
不満はないのだ。それでも。あのマスコミ報道の偏りは異常だったと思う。こう思う私が異常なのかも知れない。でも、この違和感を大事にしたいので、敢えて備忘録として記しておきたい。
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