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社会的インパクト投資レポート<番外編vol.8>:「社会的インパクト測定」の第一歩

2018年6月18日、当社は「社会的インパクト投資宣言(※1)」を発表しました。社会的インパクト投資とは、貧困層支援や教育問題など社会的課題の解決に取り組む企業や領域に投資し、経済的なリターンと社会的なリターンの両立を実現する投資手法を指します。この社会的インパクト投資レポートでは、当社の各ファンドシリーズが具体的にどのような社会的リターンを実現するかについて、定量的かつ定性的にお伝えしてまいります。

※1 当社の社会的インパクト投資に対する考え方についてはこちら( https://crowdcredit.jp/about/social-investment )もあわせてご参照ください。

今回は番外編第8弾です。今回は社会的リターンをより体系的に計測する「社会的インパクト測定」の当社取組みの第一歩についてご紹介していきます。

「社会的インパクト投資」への世界的な関心の高まりとその背景

最近、「社会的インパクト投資」への世界的な関心の高まりは日々増しています。日本国内においても、各ニュース媒体で、”SDGs”、「ソーシャルビジネス」、「インパクト投資」といった言葉を目にする機会が多くなってきました。

グローバル・インパクト投資ネットワーク(GIIN)によれば、世界の社会的インパクト投資市場規模の推定値は、2018年の5,020億ドルから2019年には7,150億ドルと順調に伸長しています。また、GSG国内諮問委員会によれば、日本国内のインパクト投資市場規模も、2017年の約718億円から、2019年には約6倍の約4,480億円へと急成長中です。

この背景には、2015年に国連サミットにおいて採択された、2030年を目標達成期限とするSDGs(持続可能な開発目標)で、地球上の様々な課題解決のために、公的資金に加え、民間資金の活用の重要性が強調されていることも大きな理由の一つとしてあります。

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また、SDGsの達成に向け、従来の財務情報に加え、環境(Environmental)、社会(Social)及び企業統治(Governance)への配慮も考慮するESG投資が、民間資金の責任ある投資判断基準として、世界共通のスタンダードになっています。このESGの中でも、とくに社会や環境へのインパクトと金銭的リターンを同時に生み出すことを意図した投資が、「社会的インパクト投資」なのです。

「社会的インパクト」の見える化を目指して

当社クラウドクレジットでは、「社会的インパクト投資」について、「リスクに見合った経済的リターンの獲得と特定の社会的目標の達成を両立することを意図した投資。社会的目標(社会的インパクト)の達成度は継続的にそれを計測する」と定義づけています。

この社会的目標(社会的インパクト)の達成度をより体系的に計測するのが「社会的インパクト測定」です。その第一歩として、まず、当社と貸付先(海外資金需要者)の間で、ファンドを通じて実現したい社会的目標(社会的インパクト)を明確化、具体化します。そのうえで、貸付先(海外資金需要者)のサービスの提供価値、貸付先(海外資金需要者)の顧客特性等を考慮しながら、実際にどのように投資家の皆様からお預かりした資金がインパクトを出していくかを見込んでいきます。

この一連の流れの設計図となるのが、「ロジックモデル」と呼ばれるもので、今後当社が作成していく予定のものです。その際にはあわせて、成果を測る指標や目標値についても当社と貸付先(海外資金需要者)の間で協議し、設定することも視野に入れています。

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上記の指標設定にあたっては、貸付先(海外資金需要者)が現行で利用しているものを含め、GIINが発表する”Impact Reporting and Investment Standards+(IRIS+:『インパクト評価のための指標カタログ』)”等に基づいて、当社と貸付先(海外資金需要者)で協議を行い、決定していく予定となっています。

なお、上表の流れに沿うと、「具体的な活動」については、貸付先(海外資金需要者)の組織能力の向上に資するものとし、「アウトプット」の指標については、貸付先(海外資金乗車)の財務諸表で捕捉できる情報を活用し設定することで、経済的なリターン目標の達成状況をモニタリングしてまいります。また、「アウトカム」や「インパクト(社会的目標)」の指標についても、貸付先(海外資金需要者)と協力し、貸付先(海外資金需要者)の顧客へのインタビューや地域統計の活用などを念頭に設定をし、モニタリングしていく予定です。

さらに、これらの評価結果を貸付先(海外資金需要者)と共有することで、該当ファンドの運営向上に役立てるとともに、当社の学びとしても蓄積し、より良いファンドの組成や運営に役立ててまいります。

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「社会的インパクト」の見える化を目指して、当社は今後より一層体系的な「社会的インパクト測定」を実施していきます。また、各ステップにおいて、適宜投資家の皆様にこうしたレポートを通して、積極的な情報共有をしてまいります。投資家の皆様におかれましては、引き続き何卒よろしくお願いいたします。

◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
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