バーチャルと政治の微妙な関係~あの人の引退は「トランスアライ」のせい?【Vtuber】
こんにちは、烏丸百九です。
LGBT理解増進法及び入管法改悪の審議も大詰めを迎えていますが、今回は少し趣向を変えて、(私も一応属している)バーチャルYoutuber(Vtuber)の界隈について論じてみたいと思います。
本稿の執筆に当たっては、複数名のフォロワーさんから情報の提供を頂きました。この場を借りてお礼を申し上げます。
尚、私の個人的なスタンスとしては、YouTuberに限らずですが、普段政治的発言等を行っているわけでもないタレントや芸能人の批判を行うことは望むところではなく、あくまでも「Vtuberという存在」のカルチャー的な位置づけについて論じる趣旨であることをあらかじめご了承ください。
ですので、本稿を特定のVtuberさんへの「批判・非難」と見なしたり、「アンチ側」の文章として例示することなども、控えて頂ければと存じます。
1.「政治プロパガンダ」に利用されるVtuber
Vtuberが政治的プロパガンダの中に組み込まれてしまった、一番分かりやすそうな例をまずはご紹介します。
これに至るまでの諸々の経緯を知っている人間からすると、何が「歌を歌って頂きました(^_-)-☆」なのか理解に苦しみます。
戸定さんは事務所所属のため、仕事としてこれを引き受けているわけで、どこまでが本人の自由意志と見なせるかは疑問の残るところではありますが、 自発的な意思にせよそうでないにせよ、政治家への曲提供が「政治活動ではない」とか「現実と関係ない」と言い張るのは無理がありますし、当然それに対する批判も成立することになるでしょう。
2.有名Vtuber「天野ピカミィ」の引退は「トランスジェンダーアライ」のせい?
最初の例は非常に露骨でしたが、意図せずともVtuberの活動が政治的な問題に繋がってしまうケースはあるのでしょうか?
少々ショッキングなトピックなのですが、こちらの事例について簡単に解説します。
先日、日本のVtuberグループVOMS Project所属の天野ピカミィさんが、3月31日をもって引退、活動を終了しました。
「天野ピカミィ」さんは日米ミックスルーツで、英語圏でも大変な人気があり、登録者数60万を越える著名Vtuberの突然の引退にファンは嘆いていましたが、明確な引退理由は公表されませんでした。
ところが、英語圏ではピカミィさんが「人気ゲーム「ハリー・ポッターホグワーツ・レガシー」をプレイしたことでトランスジェンダーアライ(支援者)の人々から叩かれた(から引退した)」という説が実しやかに囁かれ、日本国内のファンにも伝搬することになりました。
「ハリー・ポッター」の原作者、JKローリングの一連のトランス差別発言については、以前のnoteを参照のこと。
上記まとめサイトでもちゃんと書いてありますが、ピカミィさんが「トランスアライの嫌がらせで引退した」という説は根拠に乏しく、実際に嫌がらせのリプライなどが多数来たことはどうやら事実であるものの、それが「トランスアライ」の仕業であるという実質的な証拠もあまり残っていないようです。
また、いわゆる「中の人」の関わる問題なので詳述はしませんが、既にピカミィさんの演者が「別のVtuberとして再出発した(「転生」)」という噂も流れており、それが本当である場合、ますます「トランスアライのせいでVtuberがイヤになった説」は説得力に乏しく思えます。普通に考えて、”天野ピカミィ”を辞めたい何かしらの事情が別にあったと考えた方が自然でしょう。
3.Vtuberグループ「VShojo」の騒動
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