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アニメ「ガールズバンドクライ」第十一話感想 追記:爆ぜて咲く

務めて軽く感想を書いて出したら、後から後から妄想が湧き立ってくる
傑作は困るね

今回はライブ最後の花弁演出についてだけ

この手の演出は、明らかな意図を持った演出が多いので、かなり困る
妄想が捗る

この花弁の出所はどこか
それは外国の墓地らしい場所にいる、ルパ関係らしい人の花束から溢れたものだ

勿論、それは現実的にはそれその物ではないので、この花弁自体は幻想なのかもしれない存在として描かれている

意思があるかの様にトゲトゲのステージに向かって飛んでいき、仄かに光っている様にも見える

つまり、これは明らかに精神的な意図がある演出と捉えるべきなのだ

となると、この演出はかなり大きな問題を抱えている様に思える

この花弁の出所である外国墓地絡みの一連のシーンは、恐らくある一定の法則がある

それは
・トゲトゲメンバーの親族が登場すること
・その親族はメンバーのことを想っていること
・そして、このライブと同じ時間であること

少なくとも、智の母らしき人、仁菜の家族・宗男、スバルの祖母・安和天童のシーンはこの法則に則っている
ならばルパの親族らしい人のシーンも、海外時間で昼だが同じ時間で、ルパの親族が、ルパを想っていると考えるべきだろう

歳の頃からするとルパの姉か叔母(ルパの母が日本人だとすれば父方の叔母の可能性が高い)で、海外暮らしであり、ルパの事を想っている
では、どの様な事をルパに対して想っているのか

そこで気にかかるのが花弁の動きだ
花弁は直接ルパに対してでは無く、仁菜の方に向かって飛び、仁菜を一回りしている様に描かれる

ルパの親族からの想いなのに何故仁菜なのか
これが鬼門だ

これと同じ様な展開が以前にあった事を思い出す
それはすばるの時だ
すばるが新川崎として本格的に活動し始めた時、何故か安和天童がやってきてすばるの心を揺さぶり、一時解散騒ぎとなった
そしてその時、安和天童は仁菜達に強い興味を持った

今回のルパの状況はどうだろうか
両親を亡くして居候と暮らしてるが対外的に本当の家族はいない
アルバイトで生活しており、これからバンドで身を立てようとしている最中

そんな状況を、ある程度経済的に余裕のある親族が知ったら、親族宅に招こうとするのではないか
父方が外国人だとすれば日本国籍を持たない可能性があり(智の保証人にならなかったのもソレが理由と考えられる)、母が日本人なので永住権はあるだろうが、不安定な立場にはあるだろう
万が一滞在許可が途切れていると不法滞在にもなってまう

そんなルパの親族にとって、ルパのバンドの中心人物である仁菜は当然観察対象となる
それは安和天童が仁菜達にエチュードをやらせて為人を観察していた様なものだ

ルパの親族は、恐らく墓石だけ建てたルパの父の墓に向かって、ルパを引き取る強い決意を固め、その時障害になるであろう仁菜の存在に深い想いを馳せている

それがルパの親族から仁菜に向かって飛んできた花弁の意味では無いか

その決意は、幻の花弁になる程強いものだとすると、それは正にバンドトゲトゲの未来に影響を与えるほど強いものなのかもしれない

ルパが日本に居なくてはならない理由として、トゲトゲ以外に「智の存在」がある

しかし、それは初めて表情を見せた智の母(と推測して話を進める)が、智を大切に想っているらしい様子からも、案外すぐに解決するかもしれない

ルパにとってもトゲトゲと言うバンドが大切だとしても、日本滞在の権利が曖昧であり、今まで残る意味であった智の去就も安心できる状態となれば、海外から自分を引き取りに来る親族の願いには抗えないかもしれない

となると、バンド「トゲナシトゲアリ」最大の危機だ
ベースとピアノの紅生姜が居なくなれば、それはもうトゲトゲでは無い

この後の残りの二話は、もしかしたらトゲトゲの解散を前提として物語が進む可能性はある

避けようの無い解散を前にして、最後の活動を考えるトゲトゲメンバー
三浦氏スカウトの事務所も辞め、しかし事態を知った三浦氏からの粋な計らいにより、ダイダスとニコイチの存在として超大規模フェスへの参加が認められる
その会場は武道館
その武道館で、その夜限りのバンドとして、トゲナシトゲアリが全世界に傷跡を残して解散する

なんて

とはいえ、この五人が積み重ねてきたバンドへの熱い想いが、単なる解散で終わるとは思わない

フラグは立った
しかし今迄全てのフラグをへし折り、薙ぎ払って来たトゲトゲだ
予想もつかない未来に繋がっていく事を信じて、最終回まで見守りたい

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