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Plastic Tree Live Chronicle全部聴く(4)

Disc 6-7 「結成20周年“樹念”ツアー『そしてパレードは続く』」(2014年10月19日@渋谷公会堂)

[DISC1]
〜Opening〜
エーテル
ロケット
スライド.
少女狂想
ベランダ.
空白の日
十字路
トレモロ
睡眠薬
bloom
Sink
そしてパレードは続く

[DISC2]
〜Opening〜
リコール
くちづけ
トゥインクル
てふてふ

マイム
デュエット
真っ赤な糸
Ghost
メランコリック
クリーム

アルバム『Parade』再現を中心とした2部構成のライブ。ファンからすれば(あるいはヴィジュアル系オタクからしても)彼らの代表作は『Puppet Show』ということになるのだろうが、もう少し一般的に成功したという意味での代表作は今作になるのではないかと思う。

『Parade』というアルバムは初期プラスティック・トゥリーがひとつの完成形をみた作品と言える一方で、次作『トロイメライ』から大きく転回することになる音楽性やバンド・アンサンブルの変化(ドラマーの交代劇を含む)を予感させるような行き止まりのアルバムでもあったのではないかと思う。様々な意味を持った印象的な本作を結成20周年というタイミングで板の上に載せ、公演タイトルを『そしてパレードは続く』としたのは今思えば正解だったのだろう。

楽曲そのものの印象は1stである「Hide and Seek」に近く、シンプルならばこそ強度のあるものが続く。一方で前作『Puppet Show』からの延長線上と言えるような寂寞と攻撃性を兼ね備えた『プラらしさ』のようなものもここにきて固まりを見せたように思う。そうした楽曲群が佐藤ケンケンを含む現アンサンブルによって演奏されることにより、『Hide and Seek』の際と同じように『Rebuild』されよりライブに映える、2014年に即した表現として仕上がっている。

2部は『Parade』を受けて現在(2014年当時)のプラを感じさせるセットリストに。シングルのB面曲なども織り交ぜつつ、彼らにとっての代表曲と言っていい曲らが並ぶ。本ボックスセットの中でアンコール的ではなく明確に2部として音源化されているのは珍しく、ひとつのセットとしてコンパクトではあるもののよくまとまっており聴きやすいのではないかと思う。

本ボックスセットの特徴として1stから3rdまでのアルバムがすべて再現ライブとして収録されていることが挙げられるだろう。本作に限らず、スタジオ録音と聴き比べてみる中でバンドとしての成長と変わらない世界観の芯について感じてみるのも一興ではないだろうか。

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黒岡衛星
投げ銭してくれると小躍りしてコンビニにコーヒーを飲みに行きます。