【ふるよに】1から始める『桜降る代に決闘を』〜または初心者がなんとなく敷居が高いと思ってしまう理由〜
ずっと気になっていたボードゲーム『桜降る代に決闘を』(さくらふるよにけっとうを : 略称 ふるよに)というゲームを最近ようやくプレイしたので、識者から聞いた話なども参考にしながら、初心者は今から始める『ふるよに』(の、主に買い方)として、ベテランプレイヤーの方には初心者、潜在的プレイヤーがどう思いながら『ふるよに』の現環境を眺めているのかを届けられたらと思う。
ふるよにって?
『桜降る代に決闘を』は二人用のデッキ構築対戦ゲーム。基本セットは3版を重ね(現在の版は【新幕】と呼ばれている)、数多くの拡張に加えノベライズされたりアプリ版があったり(アプリは2022年9月にサービス終了)とメディアミックスもされている人気ゲーム。
キャラクターセレクト、バトルスタイルを決めるデッキ構築と36枚の桜トークンをサイクルし、距離を詰めたり離したりしながら攻防を繰り返す独特のシステムは、アナログゲームでまれに見かける『格闘ゲーム要素を取り入れた対戦ボードゲーム』として一つの完成を見ているのではないかと思う。
上記の通り、アプリ版はサービス終了目前のため、これから始めたいという方はアナログゲームを買うことになるだろう。
まず、何を買えばいいの?
『新幕 桜降る代に決闘を 基本セット』。
これがまずすべてのベースになる。使えるキャラクターは4体。その中から2体を選び、それぞれのカードリストからその場でデッキを組みゲームをスタートさせる。以降はすべて拡張となる。
つぎに、何を買ったらいいの?
『新幕 桜降る代に決闘を 達人セット』。
これを基本セットに混ぜることによって4キャラだった使用キャラに8キャラが追加され12キャラとなり、より上級者向けのゲームができるようになる。新装版と旧版があり、旧版の方が高いけど装丁が豪華。どちらかというと新装版は廉価版扱いに近そう。
何かたくさん出てるけど?
基本的には上記の2つまで買えばよほどハマるまで遊べるっぽい。あとはキャラの好みとかに合わせて拡張を買って混ぜたりして遊ぶとよい。この辺りも最近の格闘ゲームのDLCに近いかもしれない。
いや、シンプルじゃん
ここからが本題かもしれない。
この『桜降る代に決闘を』というゲーム、ボードゲームとして見たら(というかボードゲームなのだが)本当に上記の通りでシンプルなのだが、なんだか敷居が高いな、と感じたので少しその理由について触れてみたいと思う。
何を買ったらいいかわかりにくい
上記の、『とりあえずは新幕と書かれた版の基本セットと達人セットを買う』というのは慣れている『ふるよに』プレイヤー、コミュニティからしたら常識のようだが、端から見て、『何となくイエローサブマリンに行くと置いてあるやつ』(ちいかわみたいだな)くらいに見てた身としては流石にわからず、躊躇があったのも事実。まあそういうことは『ふるよに』に限らずあるものだが、特に今作に関しては気になる点がいくつかあった。
版がわかりにくい
現行の版には【新幕】と書かれているのだが、無印はともかく、2版との違いがわかりにくいと感じた。流れとしては【一幕(無印)】、【二幕】、【新幕】ということで、製作側としてはおそらく決定版としたかったのかとも思うのだが、【二幕】と【新幕】と書いてあるものを並べられてしまうと(デザインが似ているというのもあって)どちらが現行の版なのかわからないと思うし、特に通販だと旧版の在庫も動いているため余計にそれを感じてしまう。
基本セットと達人セットが紛らわしい
これも関連して。最初、『この達人セットというやつを買えば基本セットも入ってるのかな?』と思ったくらい。まあ説明書きをちゃんと読めという話だが、たとえば軽い気持ちでショップに『ふるよに』を買いに行って『達人セット』しか置いてなかったとしたらそれだけ買って帰ってきて途方に暮れていたかもしれない。というのは言いがかりだろうか。
何かたくさん出てる
(同じこと言ってるが……?)拡張が『達人セット』も含めると8つ(2022年8月末日現在)あり、要は『キャラクター追加パック』だという認識でいいと思うのだが、こういうのって『このあたりまでは買っておいたほうがいい』になりがちというか、現に今作でも『達人セットはあったほうがいい』になっているので、そこらへん、出すなとはもちろん言わないのですっきりと整理されて見やすくなっていると助かるなと感じた。
公式サイトが見づらい
たぶん知らない人が見たら、『ふるよにってソシャゲなのかな?』って思う。実際にソシャゲかどうかはさておきアプリ版と並行して動いていたのであんまり間違ってはいないのかもしれないが、ボードゲームであるということを(特にアプリ版のサービス終了が迫っている今だからこそ)主張できる方がいいと思った。
お前は何様なの
というリアクションもあると思うのだけど、最低限ボードゲームにリテラシのある人間でもこう感じてしまったのでちょっと敷居が高そうに見えるな、というだけの話であって別にそんなことねえよというのであればそれはそれで無視してもらって構わない。
ただ、『潜在的なプレイヤーはまだまだ居そうだし、どうすればユーザーを増やせるか』といった意見を見かけたこともあって、こういう見え方もあるということを書いた次第だ。
おわりに
最初にも書いたが、システムは意欲的でありながら完成度が高く、いい意味で日本からしか出てこないようなデザインは色んな角度から見ても面白いと思うのでもう少し、風通しがよくなってくれたらな、という感じ。
国内のボードゲームに関するガラパゴスな感じの面白さと弊害、に関しては個人的にはもう少し考えているのだけど未だにまとまらないので、答えが出たらいつか書くかもしれない。