人生で大切なことを教えてくれた建築の旅〜四国地方〜
忙しさに追われ、生きるのがしんどくなった時、私は旅に出て、建築作品に触れるようにしています。
旅をしていて気づいたことは、世の中には人生で大切なことを教えてくれる建築作品がたくさんあるということです。
建築はつくった人の考えや思いが表現されている作品でもあります。
優れた建築は、我々に大切なことを教えてくれる偉人のような存在です。
ここではそんな偉人のような、(四国地方にある)建築作品を4つ紹介したいと思います。
※ここではあえて詳細な写真は載せないでおくことにしました。コロナが落ち着いたら、実際に訪れてほしいという筆者の思いもあります。
目次
1、優しさとは何かを教えてくれる美術館
2、子供のような遊び心を持つことが大切だと教えてくれる美術館
3、光と影、そして選択できてこそ人生と教えてくれる美術館
4、余計なものはそぎ落とすことの大切さを教えてくれる美術館
1、優しさとは何かを教えてくれる美術館
「優しさとは何だろうか?」
それは自分が落ち込んだ時に慰めてくれることだったり、厳しく言われたことが後になって優しさと感じることもあります。
優しさとは人や状況によって異なります。
そんな優しさについて教えてくれる美術館が愛媛県今治市にあります。
舞台は四国、愛媛県今治市の瀬戸内海に浮かぶ大三島。
今治タオルで有名になった今治市にある今治港から、フェリーに約40分揺られることで、大三島に行くことができます。
大三島の宗方港に到着し、そこから20分くらい歩くと、お目当ての美術館「トコロミュージアム」にたどり着くことができます。
第一印象は、「一昔前なら良く見るテーマパーク?」というような門構えです。
入口の屋根が、訪れた人を中へと誘い込むような形をしているのが面白いですね。
ということで入場料を支払い、早速中へ。
建物はシンプルな構成で、2枚のコンクリートの壁を傾斜地にそって建てて、その壁の間に木材で格子状に組まれた屋根を掛けて、2枚の壁と屋根に囲まれた空間を展示空間としています。
屋根が光を展示空間に落とすフィルターの役割をしているおかげで、展示空間は「優しい光」に満たされています。
美術館には、木の古材で創られた作品や、羽の生えた椅子?など、個性的な作品を多く見ることができます。
この美術館は傾斜地に建築されていることから、傾斜なりに床の高さが変化していく「スキップフロア」になっていて、高さの異なるフロアごとに作品が展示されています。
個性豊かな作品を見ながら、少しずつ下のフロアへ降りていくと最終地点に到着します。
そこには椅子が置いてあるだけで何も作品が飾られていません。目の前が外にある海へ大きく開いているだけです。
「一瞬休憩場所かな?」と感じますが、この場所で椅子に腰掛けた瞬間、答えに気付きます。
「目の前に広がる島の自然と美しい海が、この美術館にとってもっとも美しい作品なのである。」ということに。
この空間の壁際には、コーヒーが入っているポットが置いてあるので、自由に飲むことができます。
この小さな心配りがなにより優しさを感じます。
とてもベタな演出だと思われるかもしれないですが、結構楽しむことができます。
こじんまりと建っているこの美術館は、その場所にあるものを大切にし、そっと寄り添ってくれるような優しさも伝わってくる建築です。
ロマンチックな演出をして現実を忘れさせてくれるだけでなく、普段はそっと寄り添っていてくれるところもまた「優しさ」の一つだと教えてくれている気がします。
特に私のような男性には必要なことかもしれない。
そんなことを考えさせてくれた「トコロミュージアム」を是非とも訪れてみてください。
2、子供のような遊び心を持つことが大切だと教えてくれる美術館
「人生で一番楽しかった頃はいつ?」と聞かれたとき、子供時代を上げる人は多いと思います。
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