地方設備工事会社のDXな話(その1:RPAとOCR)
まえおき
※以前、別の媒体に記載していたものの転載/修正です。
こんにちは、株式会社エコテックでITを担当している遠藤です。40後半のおじさんです。
いろんな会社を渡り歩いていますが、住宅業界は3社目。10年ぶりにこの業界に戻ってきました。
25年前にいた住宅メーカーでは図面も青焼き(青図、図面を書いたトレーシングペーパーを感光紙に乗せて、複写機にかけると印刷される、こんな感じの図面です)。
CADも入ってたけど、最終的には青焼きにしていました。パソコンは事務所に数台、日常的に使うカメラもフィルムカメラでしたね。
住宅メーカー退職のあと、おおよそ10年後に住宅設計の会社に入ったときには、CADアプリをほとんどの社員が使いこなしていて、CAD図面から工事に使う部材を自動で拾ってきたりと、さすがに隔世の感がありました。
で、さらに10年後に戻ってきた住宅業界(イマ)。「あれ、あんま変わってないな・・・」というのが第一印象。北海道という土地柄、また会社規模も大きくはないので、そのせいかな?と思っていましたが、どうも色々話を聞いていると設備工事業界全体がまだそんな感じのようです。
当社の社長の林はこの環境を「チャンス!」と思ったようで、「IT使って業務改善できる人、来て!」という募集をかけました。それを見てJOINした第一号が私で、いろいろと手を付けさせていただいている次第です。
まず何からやりましょう?
PCはほぼ一人一台割り当てられていて、業務進捗とか在庫管理とかは業務システムへ入力するフローにはなっているのですが、「紙で書かれた伝票を見ながらシステムに入力」というのはまだまだ沢山ありました。
特に「倉庫から部材を出庫するときに記載する手書き伝票をシステムに入力して在庫の引き当てをする(システム上の在庫を減らす)」という業務があったのですが、問題点としては
紙伝票を見ながらなので時間がかかる
手書きなので読み間違える
伝票記載の品番=システム上の品番になっていないので、社員が脳内置換しないと入力できない
などなどがあり、典型的なアナログ作業。
IT化を以前から推進している当社専務からのオーダーで、ここから着手することにしました。
解決方法はRPA+手書き対応のAI-OCR。
こんな感じでスタート!
RPAは将来的なグループ展開も見据え、集中管理ができるAutomationAnywhere(Automation 360)、AI-OCRは読み取り結果と価格のバランスが秀逸なスマートOCRにしました。実際に動いているところは下記参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=cdQ4iUJcRwM
すでに現場で使ってもらっていますが、コミュニケーションとりながら随時微調整しています。現場といっても自社ビルの一つ下のフロアなので、ちょちょっと言って話しかけるだけです。
(ちなみに社長も役員も気軽に社員のところにちょちょと話しかけに来ます。仕事だったり雑談だったりいろいろしますが、全社的に堅苦しくないのがスピード感につながってる感じです。)
とはいえ社内展開としてはまだまだです。本来は社内業務を棚卸して分析、RPA化できるところを抽出して展開していくのが王道だと思いますが、社内のDXに向けた雰囲気醸成の意味もあって、目立つところから手を付けた感じです。おかげさまで少しずつですが「やればできるんじゃないか?」という雰囲気になってきたような・・・。ここからが頑張りどころだと思います。
他社さんよりかなり先行しているのは間違いないですが、ペースを落とさぬようにしないと、と思っています。
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