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アーティスト滞在日誌24(浅川奏瑛)

こんにちは!
クロスプレイ東松山でインターンをしているとがしです。
今回は11月22日〜12月6日と1月24日〜2月7日に滞在した浅川さんの滞在の様子をお届けします!

浅川奏瑛(あさかわ・かなえ)【ダンス】

埼玉県越谷市出身。
新体操の経験を経て18歳から踊りはじめる。尚美学園大学芸術情報学部舞台表現学科ダンスコース卒業。三輪亜希子、清水典人に師事。現代社会に対する違和感や危機感を作品創作の核とし、光や闇、生と死、戦争と平和といった様々な”境界”の中で語られる存在の有限性を描いた作風を評価されている。
ヨコハマダンスコレクション2021-DEC 最優秀新人賞、アーキタンツ・アーティスト・サポート賞受賞。SAI Dance Festival2023ソロ部門にて審査員賞受賞並びに京都嵐山芸術祭招聘。

▼浅川さんのnoteではレジデンス日記も公開されています。こちらもぜひご一読ください!


滞在期間の前半では、「ダンサー」としての肩書きは名乗らず「いつもいる子」として利用者さんと交流をされていたのが印象的でした。毎日30名ほどの利用者さんが来られる中、全員と一日一回は話せるようにしたいと浅川さんは話されていて、慣れない場所で、はじめましての利用者さんと積極的に関わっていくのは心身ともに体力が必要なことだっただろうなと思います。

朝の会や帰りの会など歌う機会の多いデイサービス楽らくには、たくさんのCDがあります。活動の隙間時間に職員さんから浅川さんに、活動でよく使用している音楽や利用者さんが好きな歌謡曲などを教えてくれる場面もありました。


前半の滞在も終わりに近づくある日、浅川さんはついに踊りを解禁。
朝の会までの時間、送迎で早く着いた利用者さんと職員さんは、庭に面した窓から思いのままに踊る浅川さんの様子を、「体が柔らかくていいねぇ」と眺めていました。

昼食後の休み時間には、過去にダンスを習っていた利用者さんを中心に、浅川さんに踊りをリクエスト。だんだんと利用者さんも気持ちが盛り上がり、庭に出て踊ってみることに。

楽らくで踊りといえば「炭坑節」。楽らくでは誰もが踊ることができます。一列になり庭をぐるっと一周踊っていると、職員さんの声がけもあり何人も外に出て、ぐーんと伸びをしたくなるような天気のもと日光浴していました。


さらに、午後の活動の一コマで浅川さんが踊りを披露することに。決まった振り付けはなく、歌詞やその場の空気、その時の気持ちなどを即興で表現をする浅川さんの伸びやかな踊りに、利用者さんも心躍ったようなキラキラとした表情で拍手を送っていました。1曲だけの予定がアンコールもあり3曲も踊り、利用者さんに対してこれまでの「いつもいる子」から「踊る子」の印象を強く与えたように感じました。


滞在期間の後半ではソロ公演に向けての記録を軸に滞在され、どこか落ち着いた雰囲気もあり、楽らくに居る姿勢も大きく変わったように感じました。滞在の初期にアイデンティティクライシスを体験されたという浅川さんが、葛藤やゆらぎから回路を見出したからかもしれません。

また、アサダワタルさんが作った楽らくのテーマソングのうちの一曲「また明日も楽らくで」に浅川さんが振り付けを考案。楽らくのあちらこちらには過去のアーティストの滞在の痕跡が随所に残っています。過去の作品にさらに足していくような表現が今後も出てくるかもしれません。

帰りの送迎を待つ間、振り付けを練習。利用者さんは「すぐ忘れちゃうんだよね」と話しながらも、体操とはまた違った身体の使い方に苦戦しつつ浅川さんの動きを一生懸命に真似していました。花や季節の移ろいなど、利用者さんの指先から表現しようとする意識が感じられました。

浅川さんは今回のクロスプレイ東松山での滞在を経て、都内でのソロ公演を予定しています。今後のお知らせをお楽しみに!


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