アーティスト滞在日誌22(竹中香子)
こんにちは!クロスプレイ東松山でインターンをしているとがしです!
今回は12月に2週間、1月に2週間の計4週間滞在された竹中さんの滞在の様子の一部をご紹介します!
滞在して1週目。竹中さんはアイデンティティー・クライシスを経験しました。この経験について、竹中さんの言葉でも綴られています。
高齢者福祉施設は人員配置基準に基づき、介護職員や看護職員などが配置されており、基本的には専門性や役割を持つ職員と、通所する利用者しかいない場所です。そこにポンッと投げ込まれ滞在するアーティストは、自分の在り方を問うことになります。役割を与えられることによって居心地が良いと感じることもあれば、役割を持たずに存在することで自由な創作ができることもあったりと、クロスプレイ東松山はそうした葛藤やゆらぎがしばしばあるアーティスト・イン・レジデンスでもあると感じます。
また2週目には、昨年度からアソシエイトアーティストとして携わり、「また明日も 歌ったような」プロジェクトを進めているアサダワタルさんの来訪日と重なりました。
レジデントルームが1部屋ということもあり、滞在するアーティストは原則1名としていますが、お互いの了承があれば単発で同時に滞在することもあります。滞在期間や専門分野、視点の異なるアーティストが交わることで、双方にとって刺激になっている様子でした。
クリスマスが近づく12月末には、楽らく恒例のクリスマス会が催されました。
竹中さんの滞在の様子を見学に来られたゲストのお二人が、急遽サンタクロースとトナカイ役となり登場することに。記念撮影をしたり、ゲームをしたり、職員によるハンドベルの演奏を聞いたりと大いに盛り上がりました。
滞在後半の1月、竹中さんは実習という形で支援現場に入りながらリサーチを行いました。他の職員同様にユニフォームを着て、「実習生 竹中香子」の名札をつけて、入浴支援や創作活動の支援などに入りました。
ケアについてさまざまな書籍などで学び今回の滞在に臨まれた竹中さんは、想定していたこととのギャップや、考えていたことが機能しない現場に悩まれていました。しかし、支援現場に実習生として入ったことで、これまで考えていたことと目の前で行われていることが繋がり、視界が開けていったと話されていたのが印象的でした。
アーティストとして滞在する竹中さんが実習という形で現場に入る際、その経緯を施設長から説明した上で、竹中さんが現場で感じたことや気づきをまとめた言葉を職員の皆さんにも共有されました。そこに綴られている「ふれる」と「さわる」の違いなど、普段当たり前のように行われている行為ですが、ケアでも大切なことだなと感じました。
竹中さんは今回のクロスプレイ東松山での滞在を経て、作品制作を進めています。今後のお知らせをお楽しみに!