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フレキソ印刷機を使った軟包装印刷の可能性① ーナローウェブフレキソ印刷を用いるー

(Mark Andy社の最新ナローウェブフレキソ印刷機については下記の記事)


軟包装印刷というと日本では一般的にグラビア印刷が用いられている。一方海外に目を移すと、軟包装印刷にフレキソ印刷が用いられているケースがある。本稿から数回に分けて、海外における軟包装印刷とフレキソ印刷の関係とその可能性を紹介していきたい。

今回は軟包装に関する業界誌「FLEXIBLE PACKAGING」2020年2月20日にTom Kerchiss氏によって寄稿された「パウチにナローウェブ印刷を使う(原題:Using Narrow Web For Pouches)」から、パウチの印刷にナローウェブ印刷を使うメリットを紹介する。Kerchiss氏は主にプルーフィング機器を開発販売しているRK PrintCoat Instruments社のマネージングディレクターだ。

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写真1 パウチ(スタンドパウチ)

同氏は軟包装の中でもサンプル試供品として使われるパウチにナローウェブ印刷の利用を提案している。通常、サンプル試供品というのはブランドメーカーが本生産を始めるまえのマーケティング調査の意味もあり、低予算であることが多い。またその生産ロットも比較的少量である。これらを例えばワイドウェブやグラビア印刷で生産すると、そのブランドメーカーの予算に比べてコストが割高になってしまう。というのも、これらの印刷手法はより多くのインキ・被印刷体を使用し、また印刷準備にかかる時間や労力もより多くかかるからだ。そのためブランドオーナーの予算にとって、どうしても比較的高い最低生産ロット数が設定されるか、コストが割り高に設定されてしまう。

そのためこれらに比べると、印刷準備に必要な材料や時間、労力が比較的少なく済むナローウェブ印刷では、小ロットでもより少ないコストで生産が可能であると同氏は提案している。

また、こうした提案が可能なのは、ナローウェブ印刷機の技術的な発展が関係している。例えばナローウェブフレキソ印刷機を見てみると、使用されるフレキソ版、インキング機構であるアニロックスロールの発展やサーボ機構の導入により、印刷品質は以前に比べて向上してきている。また、ナローウェブフレキソ印刷機の特徴である、多様で柔軟なインライン加工オプションにより、多層ラベルやラミネーションを含んだ複雑なジョブをワンパスで行えるようになっている。テンションコントロールの精度向上により、軟包装に必要なフィルムの取り扱いも可能となっている。

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写真2 ラミネーションユニット

同氏はこうした新しい取り組みには当然、使用できるインキ・フィルムなどの特性の調査や選定、印刷条件や品質管理方法の確立が重要であり、同社のプルーフィングシステムを紹介している。

それでは、具体的にフレキソ印刷機でどのようにパウチを製造されるのか。次の記事ではその具体的な工程について紹介したい。


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