『乃木オタ回顧録〜デビュー10周年を迎えるにあたって』#6
2013年春から初夏〜2度目のプリンシパルと女優・橋本奈々未
4月には6thシングルの選抜発表が「乃木坂って、どこ?」で行われデビュー以来センターを務めていた生駒里奈がセンターを外れ白石麻衣がセンターに立つこととなる。その両脇を固めるのが橋本奈々未と松村沙友理!いわゆる御三家でフロントを飾る事となった。この選抜発表時、斉藤優里がラジオ生放送で欠席しており放送中のNACK5「おに魂」と電話を繋いで選抜入りを伝えた場面は印象深い。センター発表時あまりのショックな出来事に生駒里奈はその場で倒れ込んでしまうのだがそれは悲しみからではなくセンターから解放される喜びからくるものだったようだ。生駒本人はセンターと言う重責は自分の身の丈に合ってないと思いつつずっとその十字架を背負い続け矢面に立ってきた、そんな立場からの解放だったのだ。兎にも角にも綺麗なお姉さん3人をフロントに配した新生乃木坂46はその後ずっとライブで歌い継がれるとびっきりの夏曲で真夏の歌謡戦線に突入した。
そして5月、「16人のプリンシパルduex」が赤坂ACTシアターにて開催される。今回は劇場規模も拡大、パンフレットやグッズも多く作られた。幕間に観客が二幕目のキャストを投票で選ぶのは変わらないが、一幕目のオーディションは役ごとの立候補制になりよりメンバーの目的意識や戦術が明確になった。そして二幕目で演じられるのは豪邸を舞台にした殺人事件推理ものだ。割と人気投票的であった前作に比べて役に立候補した者の役への適正をみるので前回なかなか選ばれなかったメンバーも役をもらえるようになる。
西野七瀬が「全役制覇」を宣言したり若月佑美がその頭角を表したりとハードな中にも活路を見出すメンバーも出てきて前作からの成長を感じた。
そんな折、この公演中一公演につき1人ずつオーディションに合格した二期生メンバーの紹介コーナーが第三幕ミニライブの前に挟まれる。自分が観劇した日は北野日奈子だったろうか赤い幕の前でフライパンを捻じ曲げていたそんな光景が記憶の片隅にある。
10日に及ぶ東京公演中、ネットのオークションを利用してチケットを確保してもう一公演か二公演観劇したはずである。duexは更に5月末から三日間大阪は梅田芸術劇場でも開催された。
こうやって様々なトピックが出てくる中、橋本奈々未オタ的には重要な番組が始まる。「BADBOYS J」日テレ深夜枠のヤンキー抗争ドラマである。中島健人演じる主人公の恋人久美を橋本奈々未が演じる。乃木坂でもドラマの主演級というのは初だったと思う。ななみん以外に乃木坂から松村沙友理、桜井玲香、若月佑美、高山一実、能條愛未(アレ?2カップルいるね)、秋元真夏、伊藤万理華、伊藤寧々が対立し合うチーム内のガールズみたいなポジションで出演。挿入歌として6thシングルのカップリング「世界で一番孤独なLOVER」が採用された。中島健人をはじめジャニーズ勢も橋本良亮、二階堂高嗣など新進気鋭のメンバーが参加してたので両ファンからの熱い視線が途切れることはなかった。
その勢いで秋には劇場版の公開にまで及ぶ。劇場版にはさらに白石麻衣、生駒里奈も出演。当時の初日舞台挨拶に行って印象に残ってるのはメンバーとのハイタッチ会。劇場入場の際ななみん、まいやん、さゆりん、生駒ちゃんとハイタッチいっぺんに出来たのはすごいお得感。
更に橋本奈々未の女優の道はメジャー路線へと直走る。同年7月からフジテレビで放送された「サマーヌード」へのレギュラー出演だ。あの月9枠のドラマ出演が決まったのである。
橋本奈々未の役は本筋とは別に千葉雄大演じる米田春夫との焦ったい恋愛をし続ける石狩清子と言う役。兄・石狩清はOKAMOTO'Sのオカモトショウでその恋路を邪魔することになるややコメディちっくな箸休め的サイドストーリー。橋本奈々未はこのドラマで初めて水着姿を世に見せつける。
この快挙は冠番組「乃木坂って、どこ?」でもやたらいじられ「女優・橋本」と言うキャッチフレーズが定着した。
しかしながら後年、橋本奈々未本人が語るにこの頃女優をやるにあってはまだまだ素人だし与えられた仕事だからやってるけどプロの方に対しても女優なんて名乗れず乃木坂のバラエティの現場に行けば「女優」といじられてしまうことに対して威張りも謙遜も出来ず始終戸惑ってしまっていた、みたいな吐露を読んだ事がある。それがついつい「乃木坂って、どこ?」で女優ターンが誕生したのだろう。
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