『乃木オタ回顧録〜デビュー10周年を迎えるにあたって』#18
2014年秋から晩秋〜乃木坂46最大のスキャンダルと紅白落選
私が「アンダーライブ・セカンドシーズン」の熱狂に興じた翌日の週刊文春に掲載されると言うその記事は松村沙友理のスキャンダル記事だった。正直もはや思い出したくもないが、妻子ある大手出版社社員と松村の抱擁写真や記事は乃木坂46本体、ファン、関係者に大きな衝撃を与えた。当の松村はラジオ番組で涙ながらに釈明するもさらに文春側はそれを否定する様な記事を出してきてもう目も当てられない状況になっていった。
松村沙友理も出演していた新曲を使用していた携帯電話のCMは急遽オンエアを自粛する様になり、今までスキャンダルとは無縁だった乃木坂に急に耳目が集まるようになってしまった。
ネットでも松村沙友理の話題が出ると終始叩いて来る者が絶えず、そのような風潮はかなり後年までしつこく残っていた。
松村沙友理のスキャンダルに対して運営が対外的にも何の処分もしなかった事が物議を醸し出し、オタク界隈もかなり荒れた。処分無しなので番組にも普通に出演するがやはり1人元気なく所在なくそこに居る感じが続いた。他のメンバーからも距離を取られたりした事だろう。ただただそれらに耐える日々が続いた。
そうこうしているうちに文春砲は他のメンバーのスキャンダルまで撃ち込んできた。9thシングルで初選抜だった大和里菜とアンダー歴も長い畠中清羅が狙われた。大和は未成年飲酒疑惑に次いで路上抱擁写真、畠中はお泊まりデートを報じられてしまった。ここへ来て立て続けにスキャンダルをすっぱ抜かれる乃木坂。その引き金になったのは松村沙友理の報道なのは確かだ。
そんな秋の深まった頃、自らのスキャンダルの渦中乃木坂46はいよいよ「紅白歌合戦」への初出場が期待されスポーツ紙などは出場内定と報じていた。実績的にもNHKへの貢献度から言っても条件的には充分と言われていた。が、しかしその夢は崩れ去った。
「乃木坂46は紅白歌合戦には選ばれませんでした。」
集められたメンバー達はそう告げたスタッフの言葉に落胆の表情を隠せない。
これら松村沙友理のスキャンダルから紅白歌合戦落選の一幕は映画「Documentary of 乃木坂46 悲しみの忘れ方」にメンバーのインタビューも交えて収録されている。
紅白落選の原因の一つは一連のスキャンダルにあったと思わざるを得ないが松村沙友理の不倫報道が直接的原因ではなく大和里菜の未成年飲酒疑惑の方をNHKは重く見たとの噂もあった。個人の恋愛沙汰よりも法令遵守に問題がある事が影響したと思われる。
結果大和里菜は12月に契約終了として事実上解雇される。一方、松村沙友理はグループに残り尚且つ11thシングルの選抜メンバーにも選ばれそれがまた物議を醸し出す。
これだけ大きなスキャンダルを起こしてしまった松村沙友理に対して何の処分も下さなかった運営には多少の問題はあったかと思うが解雇されない限りは1回や2回のスキャンダルが出たとしても軽々しくメンバーはやめるべきではないと個人的には思う。そう言う時こそ運営もメンバーもオタクも守ってあげるべき。(起こしたスキャンダルの程度問題もあるが)結果、その後6年間の松村沙友理の活躍、プロデュース能力は乃木坂46に多大な恩恵をもたらしているではないか。