『乃木オタ回顧録〜デビュー10周年を迎えるにあたって』#14
2014年梅雨〜「16人のプリンシパルtrois」とAKB48選抜総選挙
「16人のプリンシパルtrois」3度目のプリンシパルは2014年5月29日〜6月15日に昨年と同じ赤坂ACTシアターで17日間22公演開催された。この公演、そしてこの時期色々な事がありすぎてそれがこの公演に関わってくる。
この公演から以前にも増して警備体制が強化され手荷物検査の厳格化と金属探知機による身体検査を入場時厳しく行う事になった。と言うのも公演初日から遡る事5日前、5月25日に岩手産業文化センターでおこった「AKB48握手会傷害事件」の影響をモロに受けたためである。
この事件はAKB48が開催していた全国握手会においてのこぎりを持った男がメンバー2人にのこぎりを切りつけ怪我を負わせてしまったと言う事件である。このニュースはアイドル業界を震撼させ、乃木坂46にも即影響を及ぼした。以後のイベント、握手会ではもちろん警備体制の強化、ボディチェック、メンバーを守るための柵など様々な要素が様変わりしていった。個人的にこのニュースで驚いたのはAKB48が岩手県の山間部にも近い言い方は失礼になるがそんな片田舎でまで握手会をやっているのか!コリャ勝てねえって事だった。
そんな事件の直後開催されたプリンシパル、私も何度か足を運んだ。この舞台の脚本・演出は今や知らない人はいない福田雄一監督である。「勇者ヨシヒコ」シリーズや「今日から俺は!」「銀魂」シリーズなどなどこの公演後の活躍も枚挙にいとまがない。そんな監督が乃木坂メンバーを導いたのはコメディ作品「レッツゴーっ!ポリン姫」。
遥か遥か遠い銀河にある星・ヌビア、その姫ポリンのお茶目な冒険譚である。
二幕目の舞台「レッツゴーっ!ポリン姫」を演じるために第一幕でオーディションを行うのだがここも完全にコメディ、コントで役を取り合う事になる。幾つかのシチュエーション、幾つかの配役を演じとにかく笑いをとれ!と言うイロモネアのごときオーディション。
薄くなった記憶を辿ると…若月佑美がこの時大爆笑をかっさらっていた印象がある。物件の内見に彼女と行ったチャラ男みたいな役だったかな…。
我が推しメン・橋本奈々未は体調不良のため初日からは出演出来ず、6月5日から出演したようだ。この頃から彼女は体調を崩す事が多くなった印象がある。
この公演、初参加にも関わらずやる気満々で臨んだメンバーがいる。AKB48、SKE48からの交換留学生松井玲奈だ。乃木坂に来たからにはプリンシパルには参加せねばと意気揚々だった。さすが経験者、メンバーの一枚も二枚も上を行く演技で笑いを取っていた。
それを面白く思わないオタクもいたもんで先述の友人A子さんなどは松井玲奈が参加する事を知るや否や「この人も出るの⁉︎私嫌い」と拒否反応。
おりしもこの時期、AKB48(37thシングル)選抜総選挙の真っ最中。もう1人の交換留学生・生駒里奈はAKB48 チームBに配属されこの総選挙に立候補していた。6月7日、私が昼の公演を観に行ったこの日は雨だった。一幕のオーディションで役を勝ち取った生駒ちゃんは第二幕の「レッツゴーっ!ポリン姫」で戦士エステル役を演じきると同時に三幕を待たずに総選挙開票イベントが行われる味の素スタジアムに飛んでいった。劇場のメンバー、オタクたちの激励を浴びながら。我々は「がんばれ〜っ!」と声援を送り見送った。
結果…その夜、総選挙の中継で報じられたのは「生駒里奈、14位!」速報56位だったので46位行けたらいいなぁと言っていた生駒ちゃん、予想以上(と言っていいでしょう)の14位!なんとAKB48の37thシングルの選抜メンバーに選ばれたのである。
プリンシパルの夜公演で役に選ばれなかった衛藤美彩、中田花奈、永島聖羅、秋元真夏は生中継を楽屋で観ており生駒の結果を観て大歓喜!その瞬間わっとはしゃぎ喜ぶ姿がカメラに撮られていた。メンバーへの想いの厚さを感じられるこの場面は「Documentary of 乃木坂46 悲しみの忘れ方」にも収録されていたはずだ。
「コント」「コメディ」をテーマに据えられた今回の公演、生田絵梨花、西野七瀬、若月佑美と前作まで活躍したメンバーはもちろん二期生の伊藤かりん、渡辺みり愛が主役のポリン姫を射止めたり、星野みなみがお芝居の途中から台本を持ちながら演じると言うハプニングがあったりとその自由な空気は様々なメンバーの才能を引き出したように思う。舞台に苦手意識があったメンバーも苦しいだけでなく楽しみながら演じる事ができた事だろう。
補足:この公演期間中「乃木坂アクトMOVIE」と題して2年前のパルコ劇場で行われた「16人のプリンシパル」(アリスin乃木坂)の映像を乃木坂メンバーと鑑賞し、観た後メンバーのトークショーが観られると言う企画が同時開催されており、橋本奈々未登壇の回を観に行った。