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外国ルーツの「若者」が集いました!

みなさん、こんにちは!「WAKUWAKU×ルーツ」(通称:「クロスルーツ」)ボランティアのあみんです。記事を開いてくださってありがとうございます。

今回は2024年8月に開催した「WAKUWAKU×ルーツ」対面の居場所活動をご紹介します。

「WAKUWAKU×ルーツ」は認定NPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」(以下「WAKUWAKU」)の事業で、2020年5月から、外国ルーツの子どもたちの居場所づくりを行なっています。
事業の紹介は以下の記事でご覧いただけます。


外国ルーツの「子ども」から「若者」へ

この日の「WAKUWAKU×ルーツ」の居場所には高校を卒業し、現在は大学生または働いている外国ルーツの「若者」たちが集まりました。普段の「WAKUWAKU×ルーツ」は小中高校生がメインなのですが、今回は年齢層が比較的高い「若者」に参加を呼びかけました。この意図の背景には、日本社会における外国ルーツの「子ども」をめぐる変化があります。

私がWAKUWAKUに関わり始めたのは、大学の1年目を終えようとしていた冬。現在会社員として働いていますが、10年近くが経ちました。この日、WAKUWAKU×ルーツに参加した大学生や社会人のかれらは、かつてWAKUWAKUの学習支援や子ども食堂などでボランティアたちの伴走を受けていた小学校・中学校に通う「子ども」たちでした。そして、かれらのなかにはWAKUWAKUやWAKUWAKU×ルーツにボランティアとして参加している人もいます。

この10年の月日が子どもを若者に変え、かれらを取り巻く環境も変えたように、いわゆるニューカマーと呼ばれる主に1980年代以降に来日した子どもたちが学校を離れ、家族や周りの人との関係性を変化させながら、「若者」そして「おとな」になる状況が日本社会にはあるのです。

WAKUWAKU×ルーツでは、学校に通う子どもに限らず、若者が日本社会で直面する日々にも目を向け、その声を聞きすくいあげる場が必要だと考えています。今回の居場所のテーマである「若者」の集いは、こうした問題意識によるものでした。

外国ルーツの「若者」が日本で生きること

強い日差しと蒸し暑さのなか、参加者のみんなは汗だくになりながら、開催場所に来るなり、ボランティアたちと自然と会話を始め、互いに近況報告をしました。
参加した若者・ボランティアはおよそ10名。南アジアや北アフリカにルーツを持つかれらの声を一部紹介します。

進学のこと📚

昨年末に高校を卒業し海外大学への進学を予定していた彼女は、日本の大学への進学を検討しなければならない状況になってしまいました。

海外大学への進学が決まり、入学の手続きを進めていたけれど、ビザの申請が通らず、大学進学ができなくなってしまった。日本での大学進学を考えないといけないけれど、0から始めないといけない。一般入試は現実的ではないかも…

複数の言語を扱う外国ルーツの高校生にとって、海外に進学することは日本語優位の国内における入試を回避し、大学進学を実現する有用な選択肢と言えます。国内入試においても言語を生かした方法で進学を検討する人が多いように思います。

仕事のこと✏️

大学卒業後、ある会社から内定を受け取っていたものの、在留資格の手続きがうまくいかず、就職が叶わなかった人もいました。正社員として働くためには、これまでとは異なる在留資格に切り替える必要がありましたが、うまくできなかったようです。
就活を終え転職も経験した同じ国にルーツを持つ参加者やボランティアと一緒に、今後の就活・面接の練習をしていました。

家族・パートナー・結婚のこと🏠

ある参加者は、家族や自らが信仰する宗教と家族・パートナー・結婚をめぐる悩みを共有してくれました。宗教的観点から彼女の親は、彼女が描く将来に否定的な態度を取っており、彼女はどう対処すればいいのか悩んでいました。また、よく聞いてみるとそこにはジェンダーの差もあるようです。

こうした悩みだけではなく、もちろん嬉しい近況報告もありました。
自分の得意な分野を生かし仕事で活躍していたり、自分のルーツのある国の言語や社会への関心や将来の構想を語ってくれたり。久しぶりに再会したボランティアや参加者もおり、話は大変盛り上がっていました。これまでのWAKUWAKUの長年のサポート・伴走活動の積み重ねを感じる会でもあったと思います。

お互いに近況報告

新たな視点をー外国ルーツの「若者」の今とつながる

このように、小中学生の頃に来日し日本で育った「若者」が直面する状況や課題は子どもの頃と異なる、はたまたより多様で複雑になっていると見受けられます。だからこそ、若者への視点を伴いアクションが求められていると思います。
参加した若者たちからこんな感想を聞くことができました。

聞いてくれるだけでもいい。そういう時間になってよかった。小中学生で終わると思っていたつながりが、成長した今も続けられ、話ができることが嬉しい。

今後のWAKUWAKU×ルーツで行う必要がある・続けていきたいと思ったことを3つにまとめました。

場をつくり続けること

嬉しい報告も、悩ましい状況も、聞き合うことのできる場所があることが大切だとあらためて認識しました。外国ルーツの若者が誰かを伴走する側として携わることのできる居場所、そしてかれらが抱える特有の課題や状況をすくいあげる場を継続していきたいと考えています。

つながる、開くこと

共有された悩みのなかには、WAKUWAKU×ルーツだけでは解決できないものがありました。また、そうした悩みはすぐに解決されるものではなく、時間をかけて様々な人との交流を通してどうにか解けていく側面もあると感じました。そのために、他団体や多様な人とのつながりを持つような開かれる可能性のある場所づくりを検討したいと考えています。

学ぶこと

外国ルーツの若者のための場づくりにおいて、若者の現状やそれを取り巻く環境について学ぶ必要があると感じました。変化に対応した活動にするためには、同時に学ぶことも求められると考えています。


長い文章を最後までお読みいただきありがとうございます。
WAKUWAKU×ルーツは今後も、外国ルーツの子ども・若者と共に悩み、共に学び、それぞれの未来をつくっていく活動をつくっていきます。

「WAKUWAKU×ルーツ」の活動は「赤い羽根ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン」外国にルーツがある人々への支援活動応援助成を受けています。
皆さまからのご寄付によって、私たちの活動は支えられています。感謝申し上げます。

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