永木 公(ながき きみや)
私がこれまで投稿した作品をまとめています。
四作目です。二ヶ月ぶりの投稿となってしまいました。現代と切り離されてしまいがちなあの戦争の戦没者の方々と、我々はどう向き合っていけばよいのか。特攻隊員の目線から私の最大限を描いたつもりです。是非ご覧ください。 https://note.com/cross_road_1977/n/na962ad05c588
ある年の八月、東京は神保町の飯田橋駅前にさあっと一筋の風が吹き、軍服姿の青年が現れた。青白い顔で、目は血走り、日の丸に「報國」と書かれたはちまきを飛行帽の上に巻いている。あどけなさが残る青年にはあまりにもミスマッチな格好だった。時勢にまったくそぐわない、なんとも異様な格好だが、周囲の人々は彼を気にかける様子もない。青年は驚いたように大きく目を見開いたあと、不思議そうな顔をしながら、ゆっくりと人の波を追い始めた。 青年は交差点にさしかかった。ちょうどそこになにやら大声で叫
3作目です。落花生の花言葉は「仲良し」だそうです。平和は非現実的な空想かもしれません。しかしそれでも私は断固として戦争に反対します。 #戦争反対 #反戦 #創作 #小説 下記URLからご覧ください。 ⤵︎⤵︎⤵︎ https://note.com/cross_road_1977/n/nb19011045eea
「ちちをかえせ ははをかえせ としよりをかえせ こどもをかえせ わたしをかえせ わたしにつながる にんげんをかえせ にんげんの にんげんのよのあるかぎり くずれぬへいわを へいわをかえせ」 峠三吉『原爆詩集』より 母はふやかした落花生を潰している。開戦してしばらくは白米に落花生を混ぜていたのだが、配給が目減りして以来、これを潰した粉を入れた雑炊が我が家の主食になった。父がいなくなり、兄も招集され、食事は女二人分で足りるとはいって
二作目になります。約2000文字と前作よりも長い作品となりましたが、お暇があればご覧下さい。 ↓↓↓ https://note.com/cross_road_1977/n/n0a50afab9507
彼は人見知りの陰性な人として通っていた。しかし「高校生の天才シンガーソングライター」がキャッチコピーだった彼の、その美しい高音と陰鬱な歌詞は、多くの人を虜にした。 彼の代表曲は『迷宮のバラード』と言った。叶わない恋の悲哀を語る歌詞と、彼の少年のような歌声はあまりにもミスマッチだったが、それが人々に刺さった。 私はむしろ凡人でありたかった。自らを犠牲にして手にした「天才」と言う評判など少しもいらない。どうしてこんなことになってしまったのだろうか。 小さい頃は、母の
いつから、雪にワクワクしなくなるのだろう。僕の知る大人は、雪の予報を見ても顔をしかめるのばかりだ。たった今車のワイパーを上げに外へ出たパパも、さっきから明日履くブーツを探しているママも、どこか困ったような顔をしている。どうして、「積もらなければいい」なんて言うんだろう。あの真っ白い世界が待ち遠しくないのだろうか。おかしなパパとママを横目に、僕は僕のとっておきのブーツと手袋を引っ張り出して、歯磨きもそこそこに、僕の部屋の布団に潜り込んだ。白く輝く校庭で、何をして遊ぼうか考えて
ふとモノを書きたくなってこのアカウントを作りました。人前に自己を晒す練習も兼ねています。どんな駄文が出てくるかも知れません。 いつまで続くかわかりませんが、お暇があれば凡人の自己満足にお付き合い下さい。