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BIAS FX 2とAmpliTube 5の比較
長年IK MultimediaのAmpliTubeを愛用しているが、少し前にセールをやっていたタイミングでBIAS FX2を購入した。しばらく使ってみて、勝手がわかってきたのでAmpliTubeと比較しながらレビューしたい。
BIAS FX 2について
BIAS FXはPositive Grid社が出しているギターエフェクトプロセッサーで、最新版であるFX 2は2019年にリリースされた。Positive Grid社はBIAS FXシリーズとは別にBIAS AMPというプラグインを販売しているが、BIAS AMPは文字通りアンプ自体をシミュレート/デザインする(プリアンプやパワーアンプなどの単位で作り込める)プラグインとなるので、ギタリストがアンプシミュレーター(もしくはエフェクター)として手軽に使えるのはFXシリーズの方となる。
値段
BIAS FX 2はStandard / Pro / Eliteという三つのグレードが販売されており、含まれるアンプやエフェクターのモデルの数が異なる。一番安いStandardが定価で約1万円程度、Eliteは3万円ちょっとという値段設定だが、かなり頻繁に40%程度OFFのセールをやっており、自分も$99でProグレードを購入した。
含まれる内容の規模が異なること、まだ無料版から必要なアンプ/エフェクターのみを購入する方法などもあるため比較をするのは難しいが、AmpliTube 5は標準グレード(アップグレード版ではなく新規インストール用)の値段が約4万円、MAXグレードが約8万円である事を考えると、BIAS FX 2の方が手を出しやすい値段設定だとは思う。
機能とUI
基本的な機能、出来ることは両者で大きく変わらない。基本的な音作りのやり方はもちろん、シグナル・チェインの分岐、IRローダーなど今時な機能も両者に搭載されている。UIに関しては、AmpliTubeが5のリリースで大きく刷新してきたこともあり、かなり近しい操作性で使用することができる。
一点使い勝手という点で大きく異なるのがアンプやエフェクターの表示名だ。BIAS FXシリーズもAmpliTubeシリーズも、ライセンスの関係でアンプやエフェクターの名前が実名で登録されていたり、抽象的な名前で登録されていたりするのだが、AmpliTube側はアンプメーカーとのコラボレーションによる「公式」のモデルが多く実名で登録されている。
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この違いは結構使い勝手に影響がある。例えばFenderのDeluxe Reverbを選びたい場合、AmpliTubeの方ではそのままFender Deluxe Reverbとしてリストにアンプが表示されるが、BIAS FXの方では59 Tweed Lux V2という名前で表示される。公式ホームページに対応表が用意されているとはいえ、直感的にすぐ探せるのは前者の方で、若干この部分は使っていてストレスを感じる。
サウンド
サウンドに関しては、正直なところどちらも十分に良く不満を感じる部分がなく、優劣をつけることができない。最終的には好みのモデリングサウンドが用意されているかどうか、で判断すれば良いと思う。
BIAS FX 2 クリーントーン
AmpliTube 5 クリーン
BIAS FX 2 ディストーション
AmpliTube 5 ディストーション
結論
アンプやエフェクターが実名で登録されているかどうか、という点以外両者共に良くできていて、大きな不満は感じられない。値段には差があるが、最終的には機能面ではなくシンプルに「自分が使いたいモデル/サウンドが含まれているか」を基準に何を買うかを選べば良いと思う。