Squier Classic Vibe '50s Telecaster
2008年から販売されているSquierのClassic Vibeシリーズは、Squierブランドでありながら実売価格が6〜8万円となかなか高めの値段設定のギターだ。
なかなか評判が良く以前から気になっていたのだが、少し前に2013年製のTelecaster '50sを入手した。Classic Vibeシリーズは2019年に大きなアップデートと共に再販されている、今回購入したギターはアップデート前のギターとなる。
ちなみに、2017年以前のClassic Vibeシリーズの50年代モデルの名前はClassic Vibe Telecaster '50s、2019年以降のモデル名はClassic Vibe '50s Telecasterと微妙に名前が変わっているらしい。
50年代のテレキャスターを意識して作られたギターで、マシンヘッドもヴィンテージスタイルのものが使われている。ヘッドにClassic Vibeの表記はない。
Squierの中でも最高級シリーズということもあってか、指板・ネックにはかなり綺麗な杢目の木材が使われている。
ネックの裏側にも杢目が出ている。
指板のグロス塗装やフレットエッジの仕上げはかなり丁寧だ。ナットの溝は浅めで、そこまで攻めている感じはなかった。このモデルのフレットはミディアムジャンボだが2019年以降はナロートールに変更されているらしい。
指板のラジアスは9.5"。正直なところ、緩やかなカーブの指板に慣れてる自分にとっては少し弾きにくい。
ボディ材はパイン。木目はかなりはっきり出ている。テレキャスターならではのハッキリした輪郭の音が出るし、それでいて低音がスカスカということもないし素直に音は悪くないと思うのだが、結構重い。音的にも重さ的にも、まるで鉄の塊を抱えて弾いているようなそんな気分になる。
なお2019年モデルではトップがポプラに変更されているようだ。
評判通り、造りも音もだいぶ良くて良い意味でSquierらしくないギターだ。同じSquierでも低価格帯のAffinityシリーズだと、フレットのバリがあったりジャックが緩みやすかったり、音が軽かったりといった形でコストカットの影響を感じる箇所が所々にあるが、このギターにはそういったものは全く感じられない。ギターの値段が高騰している現在で、6万円前後で買えるテレキャスターとしてはかなり良い選択肢ではないかと思う。(ちなみにFender MexicoのPlayerシリーズだと10万円程度、Fender Japanでは15万円前後)
今まで、テレキャスターというとシャキシャキ歯切れの良い音でカッティングを弾くためのギターという印象を持っていた。今回このギターを入手して色々試行錯誤する中で、少し歪ませて泣きのブルースを弾くのにとてもマッチするギターだということを学んだ。元々そういったプレイ用にメイプル指板のストラトを探していたのだが、実は正解はメイプル指板のテレキャスターだったのかもしれない。
ちなみに先日セッションでジャズブルースをやることになった際、急遽その場でトーンを絞って音作りをしたところ意外にもだいぶいい感じの音が出た。今まで自分のスタイルには合わないと思って避けてきたテレキャスターだったが、まだまだ新しい世界がありそうだ。