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Cubase 13

今年のブラックフライデーは何を買おうかと構えていたタイミングで突如Cubase 13が発表され、即発売された。OSやマシンのアップデート時の互換性を考えると、DAWをアップデートしないという選択肢は現実的にないため、今回も即座に購入した。

Cubase Pro 12→Cubase Pro 13のアップグレードは13,200円。購入後すぐにダウンロードとアクティベートして使用できる状態になった。

Cubase 12から色々とUIが変更されている。かれこれ20年近くCubaseシリーズを使用しているので、今更使い勝手で戸惑うことはないだろうと思っていたがアップデートして早速プレイバック時に特定のトラックのサウンドしか再生されないという問題が起きて苦戦することになった。

公式ウェブサイトには記載が見当たらないので、今回新たに追加された機能なのか、元々あった機能がアップデートの弾みで設定が変わってしまったのかは不明だが、エディターを開いた状態でエディターにフォーカスを当ててプレイバックするとエディタ上のノート/トラックだけが再生されるという挙動に切り替わった。MIDIトラックを打ち込む際に、一々SoloをOn/Offしなくてもトラックを単体でプレイバックできるのは便利だと感じる一方で、逆に打ち込んだ内容を他のトラックと合わせて確認したい際は都度フォーカスをエディタから外す必要があって面倒くさいと感じる時もある。何処か設定で挙動を変えられそうな気もするのだが、残念ながら今のところどこで設定を変えられるのか設定画面を見てもヘルプを見ても見つけられずにいる。(その後、Solo Editor Modeを変更することで解決した)

プレイバックの機能に関してはCubase 13で色々と挙動をカスタマイズできるようになっている。再生停止時に開始位置にカーソルを自動で戻すようなオプションもあり、これはなかなか嬉しい。

マルチパートの編集がわかりやすくなったり、エディターを出した状態のまま新しく追加されたChannelタブ上でトラックの音量調整やエフェクトのOn/Offなどを操作できるようになったり、今回のアップデートでエディターは色々と改良が施されている。

Chord Padsもよりわかりやすくなって、デグリーをローマ数字で表示できるようになったり、進行しやすいコードを色分けで表示してくれるようになった。ただ、色分けについてはユニバーサルな配色にはなっていないので、色弱の自分には認識しにくいのが残念だ。

今回のアップデートでは、Iconica Sketchというオーケストラ音源がバンドルとして追加された。Iconicaという新しいオーケストラ音源シリーズの廉価版グレードで16,799円で単体販売もされている。廉価版なので含まれる音色の数は限定されているが、複数のアーティキュレーションに対応したストリングスやホーンのサウンドが収録されている。少しウェット気味なサウンドだが、アーティキュレーションをいじれることでそれまでHALion Sonicについていた音源に比べると大分表現の幅が広がる。

このIconica Sketchはなんと単体の販売価格よりも安いElementsにもバンドルされているようだ。

イコライザーやコンプレッサーもかなり強化されている。今までもイコライザーやコンプレッサーは複数の種類のものがバンドルされていたが、新たにパルテックEQタイプのEQ-P1Aや真空管コンプ(おそらくLA-2Aあたり?)をモデリングしたBLACK VALVEというコンプレッサーが搭載されている。ともに近年人気が高まってきているアナログ機材のモデリングで、使い勝手もとても良い。これらのエフェクターはPro専用となっているようだ。

他にもボーカルの処理に特化したVocalChainプラグインの追加や、サンプラーの大幅な機能強化など、DAWとしての機能にとどまらず音楽制作のパッケージとして全方位かなり攻めてきた感がある。プラグインにしろ音源にしろ、似たようなものは各種メーカーから発売されており、今まではそういったアドオンを少しずつ買い揃えていく楽しみみたいなものがあったが、これからDTMを始める人はそれらが揃った状態からのスタートになるのでお金の使い方も楽しみ方も変わってくるんだろうな。

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