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[機材レビュー]Line6 Relay G10T

Yamaha THR10II Wirelessで使用するためにLine6 Relay G10Tを購入した。

Line6 Relay G10には3つのパッケージがある。G10とG10Sはトランスミッターとレシーバーのセット、G10Tはトランスミッターのみの販売となる。Yamaha THR10II Wirelessにはレシーバーの機能があるため、これ専用で使う場合はG10Tで十分だが、レシーバー側とセットで買うべきか悩んだが、最終的にトランスミッターのみのG10Tを購入した。

G10/G10Tにはトランスミッターの充電中に発熱する不具合があるため、使用前にファームウェアのチェック・アップデートが必要となる。今回購入したG10Tは既にファームウェアが最新の状態になっていたため、アップデート作業をする必要はなかった。

利用開始はTHR10IIに挿して10秒待つだけ

THR10II Wirelessでの利用開始は至って簡単で、G10TをTHR10IIのInputジャックに挿して10秒待つだけで良い。あとはG10Tを抜いてギター本体に挿し直せば、それだけでギターからの入力をTHR10IIに飛ばすことができる。

G10Tには手動でのON/OFFスイッチがない。ギター本体に挿すだけで自動的にスイッチがONになり、抜くと自動的にOFFになる。挿したままでも、一定時間演奏をしていないと自動でOFFになるようだ。どういう仕組みなのかよくわからないが、演奏を再開するとしばらくしてからまた自動でONになる。

バッテリー残量を気にしなくて良いのが便利

使い終わったらTHR10IIのInputジャックに戻すと充電が行われる。再び使い始める時には充電された状態になっているのだが、これはやはり便利だ。XVIVEを使うときはどうしてもバッテリーの残量を意識しながら使う必要があったが、THR10II+G10Tの場合基本的にバッテリーの残量を気にする必要がない。(余程長い時間使い続けるケース以外は)

サウンド・通信の品質は文句なし

通信の品質は良く、ほとんど途切れることはない。XVIVEよりも安定しているように感じる。

サウンドの品質、ノイズ、レイテンシーは一切問題はない。THR10IIと組み合わせて使う場合、アンプ側での受信〜その後の信号処理もそのままデジタルで行われることになるため、ギターのピックアップからなるべく近い位置でA/D変換されるというのは理にかなっている。

チューナー・エフェクターを挟めないという問題

THR10II Wireless + G10Tの組み合わせで不便な点は、構造上ギターとアンプの間にチューナーやエフェクターを挟めない点にある。チューナーは簡易的なものであればTHR10IIにも搭載されているが、精度高くチューニングしたい場合やポリフォニックチューナーで一気にズレを確認したい時などには専用のチューナーを使いたい。エフェクターについては言うまでもない。

ではG10のレシーバーを使う場合はどうか。G10のレシーバーは、残念ながらバッテリー駆動に対応しておらず、使用には電源アダプターが必要となる。せっかくTHR10IIや他のデバイスが電源から解放されているのに、ここだけワイヤードになってしまうのは残念なので、こういった使い方をしたい場合はレシーバー側もジャックに挿すだけのXVIVEを使った方が手軽で良い。そう考えると、G10のレシーバーを購入したとしてもXVIVEの代替として快適に使うことは難しい。悩ましい問題だ。

いずれにせよチューナーもエフェクターも、現状では利用したい場合はアナログ信号に戻す必要があるため、そうすると上に書いたギターのピックアップに近い位置でのA/D変換からそのままデジタルで処理を完結させる、ということができなくなってしまうというジレンマがある。

まとめ

エフェクター・チューナーを使わない普段の練習やちょっとした演奏であればTHR10II Wireless + G10Tの組み合わせは文句なく快適そのもので、間違いなく買ってよかったと言える。THR10II + XVIVEの組み合わせに比べても、実際に使ってみると非常に快適で良い。

一方で、ポリフォニックチューナーを挟めないこと、XVIVEの代替としては使いにくいことなどから、まだまだ完璧なワイヤレスシステムまでの道のりは長い。

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