#125 長く使い続ける価値
私の現在使っている財布は
初めて親父に東京へ連れていってもらった際に、御徒町にある革細工屋さんで買ってもらいました。
当時中学1年生でしたから、この財布とは12年くらいずっと一緒です。
この財布、中学1年生に買い与えるにしては、非常に高価な財布でして、約3万円くらいしたような気がします。
値段相応の良い革素材を使っていたので
私は一生懸命手入れをしたいと思い
革をオイルケアしたり
ほつれた糸を修理してもらったりして使い続けたおかげで
非常に良い色合いが滲み出ており
一朝一夕では作れない財布になっています。
革の硬さも最初は硬かったですが、今や私の手にフィットするかのような柔さを持っています。
年月が経てば中古になり、モノの価値は下がってしまうのが普通だと思います。
しかし私にとって、この財布は使い続ければ続けれるほど私の中での価値は上がっていくでしょう。
もし私が12年間共にしたこの財布を無くしたとします。
しかし全く同じ、私によって使い込まれた財布が購入できるとなった場合
私は新品の2倍3倍でも払うと思います。
12年も財布を手入れしていたので、さまざまな財布に関する知識や革の手入れ方法などの知見も得ることができました。
これは財布としっかり向き合った人にしかできないことだと思います。
人がモノと向き合うことでモノは長持ちしてくれますし、持ち主が使いやすい形に変形していきます。
モノは人が向き合ってくれると、長く使い続ける中で自分に関する知識やスキル、経験を教えてくれます。
人がしっかりとモノと向き合いお互いを支え合う存在になったその時、どんなブランド品にも負けないモノになるはずです。
修理して使い続けるのは地球を持続可能にするだけではなく、人間の教育や教養においても非常に大切だと私は感じます。
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