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(ネタバレなし)バディミッションBONDの王道と斬新

ストーリーに関わるネタバレはありません。

前置き

バディミッションBONDクリアしました。
めちゃくちゃ面白くてめちゃくちゃ良いゲームで、この気持ちを吐き出したい~~!と思うも、いざプレゼンしてみようとすると何かしっくりこない。

ドギーの綴り以外間違ったことは言ってないはず(不覚)なのに熱量を伝えきれてない感がすごくある。

そんなわけでこちら、わたしはバディミBONDのなにが刺さってどこが面白かったのか洗い直そうという記事です。

バディミBONDの構成要素

BONDが刺さった要素は上ツイートの通りなのでこれを軸にします。

ー枠組みの構成要素ー
・良質なアドベンチャーゲームである。
・アニメや動画を見る姿勢で楽しめる。ADV特有のダルさがない

・心理描写が細やかで隙がなく、それが本編と密に絡む

並べていくと特に変わったことはしてないような気がしてくる。
それゆえにプレゼンしようとしても当たり障りのないものになってしまうのかもしれない。
でも、この要素をすべて1本にまとめ上げること自体がそもそもとんでもないことじゃないかとも思う。

尚いくら手軽に楽しめようが掘り下げが丁寧だろうが素材が良くなきゃ虚無になりかねないのですが、束ねられる素材がまた豪華で。

ー素材の構成要素ー
・王道少年漫画のような爽快ストーリー
・村田先生のテイストが活きたキャラクター、表情の作り方、ムービー
・声優陣の掛け合いがゲームらしからぬテンポの良さと迫真さ
・キャラクターたちの関係性の多彩さと濃密さ

ひたすらに優等生で隙が無い。
どこまでも正攻法でポイントを稼いでくるバディミッションBONDくん。

アドベンチャーゲームに期待するものって

わたしがADVといえばで真っ先に思い浮かべるのは逆転裁判やダンガンロンパです。あとはレイトンやレイジングループ、最近だとデスカムトゥルー。ADVの分類はされてませんがFGOや428も体感的にはこれらに近いです。

基本的にどれも興味を引き付けて文字を読ませていくゲームです。

…そう言ってしまうとバディミもその他ジャンルのRPG等もそりゃそうなんですが、ADVというジャンルは特に「小出しの謎を解く」「予想できない複雑なシナリオを紐解く」が主な興味の引き方なんじゃないかと、少なくとも自分がプレイしたゲームはそうだったなと思うわけです。
デスカムはちょっとその枠とは外れた引き込み方してて「おおっ」となったりもしました。

そんな経験から、ADVゲームの面白さは「シナリオの面白さ」「頭を使う面白さ」にあり、予測しづらい邪道のシナリオこそがADVのスタンダードだと思ってました。BONDやるまでは。

BONDは「良いものを」「正攻法で」叩き付けてくる作風だと思います。
シンプルイズベストなんですが、故に小細工が効かないというか。よほど自信がないとそれで勝負できないし、結果としてそれでプレイヤーわいはメッタメタにされてるのでぐうの音も出ない。

また、ジャンルとしては文字を読むゲームですが、わたしは全体の半分以上をオート進行+ボイスに耳を傾けながら進めました。

ADVをそういう遊び方すること自体が初めてだし、「手動で文字送りするよりこっちのほうが楽しい」と思える作り方をしてるゲームに初めて出会ったと思う。デスカムはちょっと特殊枠なので横に置いて。
ストーリーも先が予測できる部分もあったけど、それがつまらないなんてことは一切なかった。王道は面白いので。ていうか本筋からちょっと逸れたとこの伏線多すぎて気付く度に唸る。

バディミは王道であるがゆえに今までADVで味わえてなかったタイプのゲームだった。

私的にADVは楽しいけど疲れるジャンルです。頭使うので。
なので何でもかんでもは手出ししないし、手を伸ばすキッカケは前作や参加スタッフの功績だったりツイッター風評だったりすることが殆どで、バディミに手を出したキッカケもツイッター風評からです。
体験版を遊ぶ前は「村田先生キャラデザのゲーム出るんだなー」くらいの認識でプレイする予定もなかったです。ありがとうツイッターの知恵

ADVゲームに馴染みがあるゆえにアンテナに引っかからなかった不覚、そして元々ADVを遊ばないひとにとっては最初から対象外になっていそうなのがなんともモドカシイ~~~!!

ゲームという媒体である意味

エンディング+αまでやった読後感なんですが、
ゲームをクリアしたぞ~~!って気持ちと同時に、3クールくらいあるアニメを観終わって、そのコミカライズ15巻くらい読んで、二次創作もそこそこ漁った(※この時点で漁ってない)ような気持ちになってました。
ものすごく盛り沢山。それが全部本編に詰まってるので本当隙が無い。

遊び初めの頃は「これアニメでやったらいいんでは…」とも思ったんですよ。ゲーム性はそんなに高くないと思って。
でもそれじゃゲームブックのように分岐させることもできないし、膨大なバディエピソードやサイドエピソードを拾い切れない。
全てを一本で完結させるためにゲームという形が最適だったのかなあと思ったりしてます。

抜かりなく一貫したコンセプト

BONDくんはどこまでも「隙がない」ゲームだと思います。
読み手の想像に任せますという部分が本当に見当たらない。
けどそれは遊びがないという意味ではなく、公式が文句なしに上質で。
わたしは余白を想像するのが好きなニンゲンですが、それなしでこれだけ楽しめるゲームに出会えた満足感が凄まじい。

余白はないが、遊びに溢れてる。
簡単だけれど、退屈しない。
分かりやすいが、奥深さがとんでもない。

一見相反するようなものが繋がってさらに高みへ行ける、そんなゲームなのかなと思います。
物語の風味とシステム的な調整に一貫性がありブレがない。

最後に

―アドベンチャーゲーム好きな人へ―

骨のある謎解きを期待してると「なんか違う」となるかもしれない。でもとても面白いアドベンチャーゲームです。
あと文字読むの得意でもボイスも是非聞いてほしい サブのエピソードだけでもどうか 文字だけでは汲み取れないニュアンスが詰まっているので。
とりあえず体験版からどうでしょう。


―アドベンチャー、もしくはゲーム自体あまり得意じゃない人へ―

ADVの入門としてもお勧めしたい一本です。
ながら作業しながらでも休憩がてらでも、動画サイト見るようなフランクさで楽しめて、それで問題なくクリアも出来るだろうゲームです。珍しい。
公式アンケだと20~40代の声が占めてたけど小学校高学年くらいから(もちろん中年まで)楽しめる間口の広さだと思います。CEROはCだけど


ー関係性をこじらせがちなオタクへ―

四の五の言わずにやれ


とりあえず体験版どうでしょう。因みにカタログチケットも使えるよ!

ー買ってみるか~となった方へー
バディ、サイドエピソードは本編と並行して読み進めるのがオススメだよ
周回するときはオプションから既読スキップをONにしよう(重要)
終盤はプレイ時間と睡眠時間の管理に全力を注いでください



わたしは二周目を味わいに行きたい。追加のDLCもほしい。次回作があれば3Dをもっと作り込んでほしい。とりあえず今はサントラがたのしみ!!

現場からは以上でした。

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