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7年前に書いた「げんしけん」に関する記事

7年前に読んだ「げんしけん 二代目」21巻についての記事。

「げんしけん」というのは、現代視覚文化研究会という、
大学のサークルを舞台に、ここに集まるオタクの日常を描いたマンガです。2002年から「アフタヌーン」で連載が開始され、
2016年に連載が完結しました。

僕はなんとなく気にしながら、
時々新刊を見かけたら買っていました。

オタクというのがどういうものか、定義するのは難しいですが、
僕は自分のことをオタクのグループに所属しているとは思っていません。

しかし、一般の人に比べると、かなりの数のマンガを読んだり、
映画を見たりしているので、事情をよく知らない人からは、
オタクと呼ばれてもしかたないとは思います。

でも「げんしけん」を読むと、
やはり自分はこういう「オタク」ではないなと、あらためて思います。

以前、本物のオタクの人から「げんしけんのすごいところは、
初めてマンガでオタクの性について書いたところなんですよ」
と教えていただいた。

確かにオタクの人たちは二次元などをこよなく愛し、
現実での恋愛や性行為をあまりしないようなイメージがありますが、
オタクにも男性や女性がいて、サークルで出会ったりもするし、
タイミングが合えばつきあったりして、性行為なども当然する。

そのことがタブー視されているわけでもないのに、
僕の友人のオタク氏は、
その「オタクの性」が表現されているということが、
といも重要なことだと熱弁していた。

やはりオタクにとってはリアルな性行為は、
タブーとまではいかなくても、
何かちょっと構えてしまうようなことなのだろう。
それで「げんしけん」の重要人物、オタクの中のオタクの、
班目(まだらめ)というキャラクターがいるのだが、
物語の終盤にこの斑目にモテ期が到来し、
なんだかグダグダになりながらも、結局は斑目に「彼女」ができる。

ああ、よかったね、
何もかもが解決したわけではないけど、
オタクはオタクなりに自分独自の心の迷宮を持っていて、
自分なりの方法で出口を探している。
必ずしも出る必要はないのかもしれないけど、
ずっと迷い続けているのも、なにか心もとないものなのだろう。

そんなオタクたちのさまよっている姿が、
とても愛しく思えてしまうマンガなのです。

「げんしけん」はアニメにもなっています。
こちらの方がより簡単に物語と触れることができるので、
こちらもおすすめです。


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