音楽ソフトについて

先日、三か月の赤ちゃんを預かった時、
やはり産まれてから三か月間、
ほとんどお母さんと離れることなく
育ってきた赤ちゃんですから、
ずっと泣いてばかりでした。

ずっと母乳で育った子なので、
哺乳瓶からミルクを飲むという習慣もまだなく、
お母さんも大変心配されていました。
でもご夫婦でレストランをされているので、
お母さんもいつまでも休んでいるわけにもいかず、
思い切ってうちに預けてくださったのです。

保育士さんも最初は
「乳児は六か月以上からにしましょう」
と言っていたので、不安だったのですが、
結局お預かりすることになり、
先日初めて朝10時から15時まで預かったのです。

一度泣き始めたらずっと泣いていましたが、
保育士さんが赤ちゃんのためのCDを何枚か借りてきていて、
途中僕がかかっているCDを別のCDに変えた途端、
明らかに赤ちゃんの反応が変わりました。

それは「泣いてた赤ちゃんが泣きやんだ」
というような題名のCDで、
オルゴールの子守歌みたいなCDなんですが、
曲だけではなく、母親の心臓の音のような、
何か雑音のような音が一緒に入っているのです。

そのCDを聞きながら、
しばらくして赤ちゃんは寝ました。

赤ちゃんも周囲の状況が
いつもと違うということに気付いていて、
なんとか心の平静を得ようとして、
一生懸命泣いている。

哺乳瓶の乳首の感触は違う、
粉ミルクの味は違う、
保育士さんの抱き方は違う、
あれ、ちょっとだけ聞いた感じの音がする。
もう泣くのにも疲れてきたので、
このあたりで折り合いをつけて寝ようかな、
というような感じなのでしょうか?

眠った赤ちゃんの足に触ってみたら、
母乳だけで、ムチムチと太っていました。
偉いなあ、赤ちゃん、ちゃんと大きくなってて、
これからお母さんの都合もだんだん知って、
哺乳瓶のミルクも飲むし、
一人で静かに眠るようになるんだろうな、
嫌なこと、つらいことは、
あまり覚えてほしくないんだけど、
やはり社会で生きて行くには、
多少のストレスは避けて通れないんだよ。

赤ちゃんは5時間のうち4時間くらい眠って、
お母さんがお迎えに来た時には、とてもご機嫌でした。
保育園をやっていると、
こんないい経験をすることができます。

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