息子も大学4年生
5年前、高校生だった息子のハルから、大学進学についての相談を受けたのだが、ハルが住んでいる福岡市周辺でそこそこ有名な大学といえば、まず、国立大学の九州大学(九大)、そして私立では九州で一番偏差値の高い西南学院大学(西南)、そしてマンモス校として全国的にも知られている福岡大学(福大)、あと、芸術系の大学として有名な九州産業大学(九産)などがある。
ちなみに僕は西南を卒業していて、大学進学については、九大、西南、福大、九産の4校くらいのことしかわからない。結果としてハルは福大に進学してこの春から4年生になる。以下は5年前に書いた文章。
息子のハルが大学進学を考え始めた件について、
僕が熊本に住んでいるため、
塾に行くとなって、お金などが必要になった時は、
とりあえずおじいちゃん(僕の父)に
相談しろと言ってあって、父にもそう頼んである。
ところが父が、やっと孫が勉強する気になったと、
すっかり喜んでしまってというか、調子に乗って、
ハルに「いつから塾に行くんだ」とか、
催促しているようなのである。
父は、僕と血がつながっているとは思えないくらい、
肩書きとか学歴などを重視する性格で、
ハルの高校進学の時にも、
僕とハルが話し合って、
今の成績で無理せずに入れる高校を目指す、
という方針に決めたあとも、
隙あらばハルに受験勉強をさせようとし、
一つでも偏差値の高い高校に行かせようとしていた。
必ずしもそうすることが
ハルにとって最良の選択ではないということを、
この人に説明して納得してもらうことは
困難なことなので、それは放棄していたが、
ハルがけして偏差値の高くない高校に進学したとしても、
それなりに充実した高校生活を送っている姿を見れば、
父も学歴だけがすべてではないということが、
わかってくれるだろうと楽観していた。
ところが今の時点では、
父にはまだその意図は伝わっていないようだ。
ハルはとりあえず、自分で勉強してみて、
どうしても塾に行かなければ、
大学受験なんて無理だなと思ったら、
塾に行くことも検討してみようか、
というくらいの気持ちでいるのに、
父は闇雲に「塾に行け、塾に行け」と
言っているようなのだ。
「俺から言ってやろうか?」と言ったら、
ハルは「僕が自分で説明する」と言った。
頼もしいぞ、ハル、
そうやって、自分の尊厳は自分で守ってくれ。
今は理解できないとしても、おじいちゃんも、
次に生まれ変わる時くらいには、
そういうことがわかるようになっているかもしれないぞ。
お前は俺に色々なことを教えてくれているし、
俺もできるだけ、どうすれば、
お前にとって最良なのかを考えている。
おじいちゃんだって、毎週お前のために
ジャンプを買ってくれているし、
彼なりに、お前にとってプラスだと思って、
トンチンカンな事を言ったりしているんだよ。
そうやって、お互いにフォローし合いながらやって行こうよ。
これから5年が経ち、父もすっかり年老いて、母の介護なども経験し、母は老人ホームに入所して、5年前には週に一回くらい実家に立ち寄っていたハルも、今は時々、僕が帰省する時くらいしか、父には会っていないらしい。時は流れ、親は年老いて、子供は成長し、状況は刻刻変わってゆく。