誰が言うのか、は印象を変える
新元号は「令和」と発表されましたね!
初の国書由来の年号ということで、
改めて万葉集にも注目が集まるのでしょうか。
なんだか嬉しい限りです。
実は私、正直なところ、最初文字を見たとき……
なんだか、怖い印象を受けました。
「令」の文字はふと、「命令」を想起させ、
「命令をもって和を為す」というイメージが
浮かんでしまったからです。
色々と時代が動くこの時代。
度重なる、戦争へと動き出しそうな予感。
政府からの発表に、ふとよぎってしまいました。
太平洋戦争の頃を描く舞台に立った後で、
それを強く感じている今だからこそ
余計にそんなことを想起したのかもしれません。
でも、その後。
由来を聴き、旅人さんの言葉だと知り、
なんだか美しい文字に見えてきました。
時、初春の令月(れいげつ)にして、氣淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。
(『万葉集』太宰帥大伴の卿の宅に宴してよめる梅の花の歌三十二首 序)
穏やかな月と暖かい風、
そして春の芽吹きの香りがある文字のように感じられたのです。
なんとも、不思議な話です。
なんて単純な、という話……笑
でも、この「印象が変わる」という現象はとても大事なことだと思うのです。
「誰の言葉なのか」で、印象は変わる。
だからこそ、雰囲気に引っ張られないで
言葉そのものの意味を捉える力を
身につけていかなければならないし
逆に
自分自身の言葉の力を高める為にも、
「私」の姿を変えていくことは、
とても重要なのだなと。
そんな気づきの深い、会見なのでした。
梅は、いつも上を向いて咲く花。
そんな力強さにあやかる、これからの毎日にしていきたいなと思います。
私が感じた前者を現実にするのか、
後者を現実にするのかは、私たち次第。