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【救急認定看護師が教える】年末年始の救急外来で増えるお餅の窒息事故

年末年始はお餅による窒息事故が毎年報道されます。

東京消防庁によると、東京都内だけでも過去5年間で毎年100人前後、全国でも280人以上が餅による窒息事故で救急搬送されています。そのほとんどは1月、しかも1〜3日に発生しています。

政府広報HPより

高齢者は特に注意!

窒息事故による搬送者の大半は高齢者(65歳以上)で、2017~2021年の累計では全搬送者の9割を占めています。
高齢者は一般的に、かむ力や飲み込む力が弱くなり、
だ液の分泌量も減少し、
食物が詰まりかけた時に咳をする反応が弱いなどの理由により窒息事故が発生しやすくなるとされています。

また乳幼児も
臼歯が無く食べ物を噛んですりつぶすことができないことや、
食べながら遊んだりする傾向にあるため、窒息事故が発生しやすいとされています。

窒息事故への対策

餅による窒息事故への対策として
小さく切るなど、食べやすい大きさにする。
急いで飲み込まず、ゆっくりとよくかみ砕き、だ液と混ぜてから飲み込む。
介助が必要な人に餅などを食べさせる時は、「横になった状態」「あおむけに寝た状態」では食べさせないようにする。
餅などを食べる前には水やお茶、汁物を飲んで喉を湿らせる。
などが挙げられます。

餅を詰まらせたら・・

餅の除去と救急要請を行います。
気道異物の除去方法として背中を強く叩く背部叩打法

背部叩打法

腹部で握り拳を作り、上腹部を手前に強く突き上げるハイムリック法などが知られています。

ハイムリック法

餅以外も危険?

餅以外にも窒息を起こす食品は多くあります。
ご飯やパン、ステーキやこんにゃく、お寿司やお粥など、
なんでも口に入れられれば窒息を起こす危険はあります。

またこの時期は子どもがタバコやおもちゃなどを誤飲するケースもあります。
普段は子供にいない実家等に帰省した際は危険なものがないか注意が必要です。

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