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suppl.3 ICRN(集中治療認証看護師)試験に向けたおすすめ図書


はじめに

 集中治療認証看護師(ICRN)の試験に向けたおすすめの図書を紹介いたします。試験内容は学会HPのFAQに「経験年数5年目程度の看護師が重症患者に対する標準的な看護を提供するのに必要な知識」とあります。
 そこでICRNの勉強を始めようというNsに医学書マニアの私がおすすめの参考図書を紹介いたします。ICU看護の名前のつく本はたくさん出ていますが、その質にばらつきがかなり多いです。あれこれとたくさんの本を買いすぎないようにしましょう。
 また、いきなり過去問から解き始めるのはできればやめましょう。今のところ2年分しかないですし、少しだけ準備をしてからのほうがいいと思います。

集中治療看護師のための臨床実践テキスト 療養状況と看護編

 集中治療学会公式テキストです。このテキストは2冊構成であり、後述する疾患病態編とセットです。Amazonレビューポイントは意外と低いですが、内容はかなりちゃんとしています。他のICU看護なんちゃら本は内容がちょっと…というものもありますが、この本は看護テキストワーキンググループがしっかり作ってくださいっています。これは絶対に購入しましょう。できれば最初にザッと流し読みしてみることをおすすめします。この1冊の読み込みで2〜3週間かかるというところになります。
 時間的に読み込むのは無理なら、表や図が豊富にありますが、それらを中心に理解を進めていくこととしましょう。それらから出題される問題も結構あります。

集中治療看護師のための臨床実践テキスト 疾患・病態編

 次が疾患・病態編です。こちらもマストバイです。全部読み込むのがつらみという場合は、各章の最初にある「ここが大切」というポイント文があるのでまずはここだけでも覚えましょう。でも丸暗記してももちろんダメで、このポイント文に書いてある意味が理解できなければ、本文を読んで理解しましょう。

集中治療医学

 次がこちらの集中治療学会の公式教科書です。内容は集中治療専門医であっても結構読みごたえのある本で、少し難易度高めです。ですがICRNのFAQで本書の「Chapter3 理論的治療のための生理学」「Chapter5 生理学に基づく集中治療」は参考文献として紹介されているので、絶対に読んでおかなければなりません。頑張って読みましょう。ここは耐える時期です。

過去問を解いてみよう

 ちょっとお金がかかりますが(本noteは無料です!)、この3冊は公式であり受験する方は各自が絶対に購入しましょう(先輩からもらうとか、ICUにある共有図書では愛着が湧きにくいので、Myテキストを買う)。ちょっとこの3冊だけでも1万円を超えるので、病院から補助とか出ると本当はいいですよね…(もしそんないい病院があればこっそり教えてください)。
 ここまできたらいよいよ過去問に取り組んでみましょう。最初は意外と難しく感じるかもしれませんが、皆んなそんなものなので気にしないでください。大丈夫です。もちろんですが自分の正解不正解がちゃんとわかるようにして、間違った問題については特に大事なのでテキストを読みなおしましょう。その後は各選択肢のどこが正しいのか、間違っているのかを根拠を持って答えられるように見直しを行います。正答の根拠は基本的に全て上記テキストにほぼ書いてあります。

2年目からのICU看護 気道・呼吸・鎮静ケア〜いつもの看護の根拠がわかる!

 拙著の2年目からICU看護もICRN勉強にはおすすめです。実はこの本はICRN試験や呼吸療法認定などを結構意識して書いてあります。何より会話形式になっていたり、ちょこっと⚪︎×問題がついていたりと、すんごい分かりやすく書いていますし、電車の中や家でゴロゴロしながら読めるような難易度になっています。過去に読者の方で「あまりにも読みやすいので3日で全部読破しました」なんて強者もいらっしゃいました。気道・呼吸・鎮静・リハの話がメインですが、ちょっと勉強の合間や通勤時間に読んでいただくと間違いなく理解が深まるものと思います。

実はまだ続きます

 ICRNの勉強についてですが、実はこれだけで終わりではありません。学会HPのFAQに書いてありますが、試験内容は各診療学会のガイドラインからも出題されます。これは集中治療医学が日進月歩、毎日毎日新しくなっているからですね。なので個人的に目を通しておいてほしいガイドラインを次回紹介していきたいと思います(というかこれは試験対策という意味だけでなく、ICUで働いている以上は職種に関わらず関連ガイドラインは目を通しておかねばなりませぬ)。さあ、勉強を始めましょう。頑張ってください!!

Today's Note

・集中治療学会公式テキスト3冊の質が極めて高い。まずはこれを購入し、読み込むこと。
・2年目からのICU看護も分かりやすく、気軽によめて理解が深まる。


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