suppl.4 ICRN(集中治療認証看護師)試験に向けた各種ガイドライン集
最初にガイドラインまとめとリンク
学会HPのガイドラインのページにリンクがまとめてあります。大きな変わりはありませんが、敗血症ガイドラインなど一部最新ではないもののリンクがありますのでご注意ください。
(https://www.jsicm.org/publication/guideline.html)
以下のガイドラインは目を通しておいたほうがいいでしょう。日本集中治療学会が出しているものでもあるし、日常臨床でもとても役に立ちます。特に推奨が一覧になっている部分やグラフィック・アブストラクト、図表などに関してはよく見ておいてください。
・日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG2024)
・ARDS診療ガイドライン2021
・日本版重症患者リハビリテーション診療ガイドライン(J-ReCIP 2023)
・日本版重症患者の栄養療法ガイドライン(総論2016年)
・人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル
また以下のものもICU領域ではよく使用されます。参考程度でよいのでcheck it outしておいてください。
・PADISガイドライン(日本語訳 2019)
・臓器提供を見据えた患者評価・管理と術中管理のためのマニュアル(厚生労働科学特別研究事業)(2022年)
日本版敗血症診療ガイドライン2024 (J-SSCG2024)
前ガイドラインはJ-SSCG2020でしたが、改定されて-2024になりました。
敗血症の診断と重症度分類は覚えておきましょう。分類は「敗血症」と「敗血症性ショック」の2つがあります。SOFAスコアは皆様には馴染みの深いものと思いますが、よく確認しておいてください。まあ、表を覚えておきましょう。
またqSOFAはスクリーニングとしての感度が低い可能性が指摘されている点、代わりにSIRSやNEWSといったスコアも整理しておきましょうと書いてあります。
「初期蘇生・循環作動薬」は全職種に共通して大事です。輸液やノルアドレナリンの準備、血液培養の採取、早期抗菌薬の投与など看護にも大きく関わります。また「PICS対策」「家族ケア」も看護特有な部分があるので目を通しておきましょう。
ページ数多いので最初から最後まで全部読まなくてもいいですからね(無理ゲーです)。
ARDS診療ガイドライン2021
NPPVやHFNCの適用などはチェックしておきましょう。侵襲的呼吸補助(気管挿管を行っての人工呼吸管理)でARDSの場合はHigh PEEP, Low tidalは大事です。他にも筋弛緩薬、経肺圧、腹臥位、ECMOなど周辺治療についてもざっと見ておきましょう。
日本版重症患者リハビリテーション診療ガイドライン(J-ReCIP 2023)
グラフィック・アブストラクトは可愛い絵で面白いですね。リハビリテーションプロトコロルの導入は皆様にも馴染み深いものと思います。1日に複数回の実施や、ICU退室後の強化リハも推奨されています。またリハには栄養が大事ということも分かりますね。ご飯食べてなければ運動する力も出ないですよね。
また「重症患者の離床と運動療法の開始基準案」はチェックしておきましょう。「案」となっているのは明確なエビデンスが各項目にないからなのですが、出題されることがあります。痛み、RASS、呼吸器条件、ICPの数値などは覚えておいたほうが良いでしょう。
もう一つ2017年に出された「集中治療における早期リハビリテーション 根拠に基づくエキスパートコンセンサス」というのもあります。こちらにも実施中の中止基準や端座位の制限基準など、皆様が実際にやっていて?ってなるとこともあるので、見ておくと実臨床でもやくに立つと思います。
日本版重症患者の栄養療法ガイドライン(総論2016年)
近年ICUでの早期経腸栄養の重要性が強調されていますので(早期栄養&早期リハ)、大事ですね。経腸と経静脈では経腸栄養を優先することが強く推奨されています。
・可及的に24時間以内、遅くとも48時間以内に経腸栄養を開始する
・タンパク量は不明だが、1.2〜2.0g/実測体重kg/dayを考慮する
・カロリーは最初の1週間は消費量よりも少なめというunder feeding考慮
というのは覚えておきましょう!
人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル
ここにSATやSBTに関する開始基準などもろもろの表がありますが、過去にそれらから出題されています。1日1回SATなどはICU Nsの皆様には関わりが深いですね。もしSAT、SBTって何?って方は拙著の「2年目からのICU看護」を読んでみてください。
その他のガイドラインなど
痛み、不穏、せん妄管理は以前はJ-PADガイドラインという日本版がありましたが2014年とやや古く、PADIS日本語版が2019年にありますのでこちらを参照にするで良いと思います。
他にもICUの大事な役割である臓器移植についても問われることがありますので、こちらのマニュアルにも目を通しておきましょう。
鎮痛・鎮静・せん妄対策のケアから、人工呼吸やARDSの管理、SATやSBTって何?、リハビリプロトコルって?という方は拙著の「2年目からのICU看護 気道・呼吸・鎮静ケア 〜いつもの看護の根拠がわかる!」に基本知識をわかりやすく書いてありますのでICRN対策にぜひご一読ください。
Today's Note
・各種ガイドラインは複数ありますが、特に集中治療学会作成のもの、またそこに含まれる図表はよくみておきましょう。
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