天国へ続く道
現在地から目的地までが、真っ直ぐな道で繋がっていたならば、迷うことなく突き進んで行けるのに。
自由であるはずの心も、道は入り組んで地図すらない中、数多の分かれ道を選んで進むしかない。
この選択を後悔していないか、と言われればもちろん後悔している。
淡い夢を抱いて、選んだ道は地獄への道に他ならない。
さりとて、それを理解していたのも、また事実。
駆け抜けて、立ち止まって、引き返そうとして、また進む。
もうこれ以上進めない、となった時。おそらくきみはいなくて、ひとりで立ち上がるしかない未来。
けれど。
足がちぎれても、這いずってでも、今、欲しいものがひとつだけある。
無様でいい、愚かでいい。
それが貰えたら、わたしは満足して、この地獄を去ることができるような気がする。
たったひとつ。
もう、それだけでいい。
今に始まったことじゃない。6年前からずっと欲しかったもの。
心の中でずっと否定してきたこと。
それがあれば、わたしはこの無意味なみちゆきを上がることができる。
いっときだけ、天国を目指す道だと、思うことができる。
そうすれば、これまでの地獄の道程すら、天国への課程にすぎなくなる。
わがままは言わない。たったひとつだけでいい。
それすら叶えてくれそうにないけど。
突き進んで、振り返らず、ひとりでも。
できれば、ふたりがよかったけど。
天国に似た次の道も、きっと地獄だと思うけどね。
たったひとつ。
それだけ。
今は。
*今のこと