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二人静
ふたりでたのしく踊っていたいだけなのに
ふたりでたのしく踊ってたと思ってたのに
わたしが死んだあの日から、わたしがただ泣きながらきみを思い続けてるだけだと思った?
そんなわけないよ。
満たされないきみの心を揺さぶる言葉、行動。
ドラマティックだったでしょう?
どうしても自分から行動を起こしたくなったでしょう?
脳内麻薬が今もバンバン出てるでしょう?
なにも考えてなかったと思う?
そんなわけないよ。
わたしは、一番素敵な舞台を用意してあげたよ。
そこできみが楽しく踊れるように。
きみはわたしとのことを夢物語っていったけど
その夢が現実に干渉し続けたらどうなった?
無かったことにした亡霊がきみの日常を今、彩っている。
ほら、日々の行動に緩やかに確実に変化が起きた。
でもやめられないよね。
その舞台はわたしが作った最高傑作だもん。
上手にできたとおもうよ。
最高のタイミングで、真心を伝えて
最高のタイミングで、一旦引いて
きみのことが大好きで仕方なくて
今も泣いてきみのことを待っている
最高にバカで可愛いおんなでしょう?
どっちだってよかったの。
わたしは死んだんだから、成功しても失敗しても。でも、きみを好きなわたしが泣き止まないから賭けただけ。
ただ、ちょっと、調整を。
まぁ、結果的に脳内麻薬に侵されたきみは、現実世界で致命的なミスを犯してしまったわけだけど。
ねぇ。ふたりっきりの夢物語に他の人を呼んだのはきみだよ。
この舞台をぶち壊すのは、きみの行動の浅はかさだけど、その人には関係ないもんね。
わたしは甘んじて罰をうけるよ。
でもきみは、下手したら一番悲惨な結末が訪れるかもしれないね。
わたしはやめたっていいよ。
やめられないなら、上手にやるんだよ。
わたしはここで見てるから。
さあ、舞台は最高潮に達したように見えるけれど、これからどうなるのかな?
やめ時を見誤らないようにしてね。
本当のわたしはバカで可愛い女じゃないけど、きみが踊り続ける限り、ずっとバカで可愛いくいてあげられるよ。
ひとりぼっちを恐れるきみに、永遠をあげたのはわたしだってことを、死んでも忘れちゃだめだよ。
この夢物語が復讐劇だって、きみはいつ気づくかな?
*141日目